
「ビブリア古書堂の事件手帖 扉子の空白の時」っておもしろいのかなぁ。
この記事では、「ビブリア古書堂の事件手帖 扉子の空白の時」の魅力を、冒頭のあらすじと感想を交えながらお伝えします。
ビブリアシリーズは、面白いシリーズですが、本作も例にもれず面白い作品です。
この記事でわかること
- 【ネタバレなし】冒頭のあらすじ
- 感想 よい点と悪い点
この記事を書いたひと

- ビブリアシリーズ全巻読んだ
- ビブリアファン
- 小説好き
この記事をご覧いただければ、「ビブリア古書堂の事件手帖 扉子と空白の時」を読んでみたくなるはず。
注意点を先に。
Q. シーズン2ですが、シーズン1から読んだ方がいいの?
A. 作中で、前の話のネタバレが多い。
ビブリアシリーズを本格的に楽しみたい方は、シーズン1から読むことを強くおススメします。
Contents
「ビブリア古書堂の事件手帖とは」

※ すでにご存じの方は読み飛ばしてください。
簡単な説明です。
- ビブリア古書堂店主 篠川栞子とアルバイト定員 五浦大輔のコンビが活躍
- 北鎌倉が舞台
- 古書を巡る、様々な事件を解決する短編ミステリー
ビブリアの魅力
- 古書にまつわるエピソード
- 古書に込められた人の絆と秘密の物語
- 普段は人見知り、本のことになると人が変わる「栞子」など、魅力的な登場人物
100秒で「ビブリア古書堂の事件手帖」がわかる動画を見つけました!
※ 音がでます

人物相関図をご覧いただくように、人間関係が分かりやすいです。
さらに詳しく知りたい方は、こちらをどうぞ
【ネタバレなし】あらすじ

冒頭部のあらすじをご用意しました。
「読みたくなる!」と思っていただければうれしいです。
シリーズ累計700万部の人気古書ミステリ、最新作は丸ごと「横溝正史」!
ビブリア古書堂に舞い込んだ新たな相談事。
それは、この世に存在していないはずの本――横溝正史の幻の作品が何者かに盗まれたという奇妙なものだった。
どこか様子がおかしい女店主と訪れたのは、元華族に連なる旧家の邸宅。
老いた女主の死をきっかけに忽然と消えた古書。
その謎に迫るうち、半世紀以上絡み合う一家の因縁が浮かび上がる。
深まる疑念と迷宮入りする事件。
ほどけなかった糸は、長い時を超え、やがて事の真相を紡ぎ始める――。
上記のあらすじを、少し補足させていただきます。
第1話 横溝正史 『雪割草』Ⅰ

完全解決できなかった事件
栞子と一緒に、さまざまな古い本にまつわる事件を解決してきた大輔。
けれども、『雪割草』をめぐって上島家で起きた事件ほど後味の悪い事件はない。
なによりも本の謎を解くことに関して並外れた能力を持つ栞子が、完全解決できなかった事件である。
あるはずのない本が盗まれる?
横溝正史『雪割草』は、幻の作品。
数枚の草稿が見つかっただけで、ジャンルも不明。
長編なのか短編なのかもわからない作品である。
今回の依頼人は、井浦清美という中年女性。
「横溝正史の雪割草という本が盗まれたと伺いましたが・・・」
「今のところ、そう主張している人がいるだけ。実際に何が起こったのか分からない。あなた方にはそれを調べていただきたいの。」
盗んだのはあなたでしょ!

事の発端は、上島秋世の死。
92歳で亡くなった資産家 上島秋世には、存命の双子の妹がいる。
上島春子、井浦初子(井浦清美の母。性が違うのは、井浦家に養子に出されたから)
2人は、本当によく似た双子の姉妹。
しかし、性格が全く異なるため犬猿の仲で、顔を合わせると必ず言い合いになるほど。
秋世が亡くなって間もなく、初七日の夜の出来事。
春子が、亡くなった秋世が所持していた『雪割草』を、初子が盗んだと主張しだしたのだ。
春子の主張は、こうである。
秋世は、長年『雪割草』を大事にしてきた。
そして、本の存在を知っているのは限られた親族だけ。
秋世には子がおらず、『雪割草』は春子(戸籍上、唯一の妹)のものになる。
しかし、本が入っていたキャビネットは空。
葬儀のどさくさにまぎれて、初子が盗んだに違いないと。
『雪割草』の行方
突然のことに、呆気にとられつつ反論する初子。
「あんな本のことは知らない!横溝正史なんて興味もない!」
依頼を受け、調査に乗り出す栞子と大輔コンビ。
はたして『雪割草』は実在するのか?
誰が『雪割草』を盗ったのか?
感想
よい点と悪い点を挙げます。
よい点

よい点
- 手に取りやすい
- 扉子の話が入った
- 世代交代を感じさせる
【よい点1】手に取りやすい
普段、あまり本を読む習慣がない方でも、非常に手に取りやすいです。
- 作者 三上さんの文章が読みやすいこと
- 複雑なミステリーではなく、理解しやすい内容
- 短編3話。短いから飽きを感じさせない
「手に取りやすい」のは、本書だけでなく「ビブリアシリーズ」全般に通じて言えます。
「気軽に手に取れるミステリー」ですから、多くの方に気軽に読んでいただきたい作品シリーズです。
【よい点2】 扉子の話が入った
詳細はネタバレしますので避けますが、ファン待望の扉子が主人公の話が本作では収録されています。
子供らしい非常に微笑ましい内容で、個人的には非常に気に入りました。
前巻を読んだ際に、
- 扉子が主人公として活躍する話が欲しい
- 子供らしい、読んでいてホッとする内容を希望
そんなこと考えていましたので、私の希望どうりの内容でした。
同じようなことを考えてみえたファンの方もいらっしゃるはず。
【よい点3】 世代交代を感じさせる
詳細はネタバレしますので避けますが、ファン待望の扉子が主人公の話があります。
シーズン2では、栞子大輔に代わって主人公になりそうな予感がある娘 扉子。
また、扉子主人公の話は、新たなペアが生まれる予感を感じさせる内容となっています。
まだまだ、栞子大輔コンビの話が読みたい気持ち。
一方で、新たな相棒と共に活躍する扉子の姿も見てみたい。
ファンとしては、うれしい悲鳴であり、非常に楽しみです。
悪い点

悪い点
- シリーズの中では質が落ちる
シリーズの中では質が落ちる
理由としては以下の2点。
- 3話とも最後のオチがいまいちであること
- 時の長さが感じられない
オチがいまいち
シリーズ全巻読んでいますが、一番内容が落ちるかなぁと感じました。
3話とも最後のオチが弱い。インパクトが弱い。
正直、途中で読むのをやめようかと思うほど。
ですが、最後の最後でのオチはよかった。
最後の最後のオチがよくなければ、おススメと記事を書いていなかったです。
時の長さが感じられない
1話から3話まで9年経過しますが、悪い意味で、栞子大輔夫婦は所帯じみていません。
- 10年近く夫婦をしているのに、いつまでも恋人気分
- 小さな古本屋を夫婦で経営。その苦労感が全く感じられない
- 時と共に夫婦の愛の形が変わってくるはずが、変わらない
結婚当初は恋人気分であった夫婦も、子供ができれば、次第に母や父となっていきます。
また、夫婦の愛情は、燃えるような、寝ても覚めてもの恋人の愛情とは少し違う。
いつまでも恋人気分の夫婦を描くより、夫婦で共に苦労しながら生きてきた姿を描いた方がリアリティがあった。
作中で10年近く時が流れたと言われても、ピンとこなかったのはこの「リアリティの欠如」が原因。
全巻読んできて、「オチが弱い」「リアリティがない」と感じたことはありませんでした。
今回は、それらを読みながら感じましたので、シリーズの中では質が落ちる巻とさせていただきました。
まとめ:ビブリアらしさは健在。シーズン2の新たな形を予感させる作品

この記事では、ビブリア古書堂の事件手帖 扉子と空白の時 をご紹介させていただきました。
シリーズの中では、オチの弱さを感じます。
しかし、ビブリアらしさは健在で、楽しませていただきました。
また、次作から娘 扉子ペアが活躍する予感も感じられます。
次も楽しみなシリーズですね。
よい点
- 手に取りやすい扉
- 子の話が入った
- 世代交代を感じさせる
悪い点
- シリーズの中では質が落ちる
よろしければ、どうぞ。
その他の「ビブリアシリーズ」もレビューさせていただきました。
ご興味があれば、どうぞ。
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