「バフェットの法則 第4章 9つのケースステディで学ぶバフェットの投資法」。
投資実例5 ゼネラル・ダイナミックス
5. ゼネラル・ダイナミックス
ゼネラル・ダイナミックスとは
- 全米2位の防衛産業で軍産複合体。アメリカ軍にミサイルや防空システム、F16戦闘機など販売
- 1991年ベルリンの壁崩壊 1992年ソ連崩壊を経て、アメリカ軍は、強力な軍事兵器の必要性が低下(ゼネラル・ダイナミックスにとって新たな局面に)
- 1991年 ウィリアム・アンダースがCEOに就任
- 防衛産業が変革期を迎えており、大胆な施策が必要であると気づく(アメリカ軍の防衛予算の縮小に伴い、それに合わせて規模縮小か他の分野へ乗り出す)

お得意様は、アメリカ。
しかし、そのお得意様も、冷戦が終わり、兵器をたくさんもつ必要がなくなったのです。
使われたバフェットの法則
6. 組織の習性に屈しない経営者か
4. 経営者は合理的か
6. 組織の習性に屈しない経営者か
ポイント
- 防衛産業をコンサルタントに調査を依頼。防衛産業が他分野の産業を買収しても80%の確率で失敗すると判明
- ウィリアム・アンダースは、抜本的な合理化が必要と判断
- ビジネスの核となる事業だけを残し、それ以外をわずか半年で次々に事業の売却
- 事業売却で得たお金を株主のために使うと宣言。借入金返済など企業の体質強化をした後で実行した
1991年に経営者になった、ウィリアム・アンダース。
ウィリアム・アンダースが、まっさきに行ったこと。
それは、「防衛産業をコンサルタントに調査を依頼すること」だった。

調査で分かったことは、大きく2点。
- 防衛産業が、他分野の産業を買収しても、80%の確率で失敗すると判明
- 生産能力が過剰なままでは、効率的な経営はムリ
そこで、ウィリアム・アンダースは、4つのコアビジネスに集中することを考えた。
- 「潜水艦」
- 「戦車」
- 「軍用航空機」
- 「宇宙システム」
4つは、市場でトップシェア。
それ以外の事業は、売却。

わずか半年で、次々と・・・決断も早いが、実行力もすごい!
4. 経営者は合理的か
ポイント
- バークシャーの投資案件で「ゼネラル・ダイナミックス」ほど分かりにくいものはない
- バフェットは当初は、長期保有するつもりはなかった
- バフェットは、ウィリアム・アンダースの経営能力を高く評価し、長期保有に切り替えた
- ウィリアム・アンダースは、のちに軍用航空機と宇宙システムも売却。その売却資金で株主に配当金を渡した
「分かりやすい事業ではない」、「安定した実績もない」、「長期的に明るい見通しもない」
なぜ、バフェットは投資に踏み切ったのだろうか?
実は、バフェットは、ゼネラル・ダイナミックスを長期保有するつもりがなかった。
そのため、財務や事業の条件をつけなかった。
(ゼネラル・ダイナミックス株は)多少の利益を得て、早期に売るつもりだった(バフェット談)
その後バフェットはウィリアム・アンダースの経営者として高く評価。
長期保有に切り替えた。
ウィリアム・アンダースは、当初コアビジネスと見ていた「軍用航空機」「宇宙システム」は売却。
その売却資金を、株主に配当金として数回にわたり、渡した。

他の事例と違い、バフェットは、短期投資のつもりだったようですね
まとめ

この記事では、バフェットの投資実例として、ゼネラル・ダイナミックスを見てきました。
- 長期投資のつもりではなかった珍しい事例
- バフェットにとって、分かりにくい事業
- 経営者 ウイリアム・アンダースを高く評価
いくつかの事例のなかでも、かなり異例のもの。
分かりにくく、明るい展望がないビジネスと、バフェットが好む企業ではありません。
よほど、経営者 ウィリアム・アンダースが気に入ったと考えられます。
裏を返せば、ビジネスモデルが不透明なものであっても、経営者次第でバフェットは投資に踏み切ることもあることが分かります。