「バフェットの法則 第4章 9つのケースステディで学ぶバフェットの投資法」。
投資実例6 ウェルズ・ファーゴ
6. ウェルズ・ファーゴ
ポイント
- カリフォルニア州サンフランシスコに本社がある銀行
- 1990年 バフェットは2億8,900万ドルで株を取得
- 1990年は、景気低迷でウェルズ・ファーゴの株も安かった
- バフェットは、過去の経験から銀行ビジネスを熟知していた
- 1969年に銀行株を取得。保有銀行のトップ ジーン・エイベックから銀行ビジネスを学んだ
責任をもって貸付を行い、コストを切り詰れば、銀行業は儲かる
ウォーレン・バフェット
使われたバフェットの法則
3. 長期的に明るい見通しがあるか
4. 経営者は合理的か
11. 事業の価値はどれくらいか
3. 長期的に明るい見通しがあるか
ポイント
- 銀行業は、失敗する可能性がある
- 経営者がしっかりしていれば、銀行業は平均以上に儲かる
- 保険と同じで「汎用品ビジネス」である
- ウェルズ・ファーゴには、とびきり優秀な経営者が2人いる
銀行業は、失敗する可能性のあるビジネスである。
その原因は、「経営者の過ち」。
愚かな貸し付けをすることが、その原因が大半である。
銀行は、資本の20倍の規模の資産を持つ。
小さな金額の過ちでも、大きなインパクトを与える。
銀行業は、
- 経営者がしっかりしていれば、すごく儲かる
- 同業他社と差別化が難しい、「汎用品」ビジネス
- 汎用品ビジネスがゆえに、経営者の行動が、企業間の大きな違いになることが多い
ウェルズ・ファーゴは、2人の優秀な経営者が率いる。
カール・ライカートとポール・ヘイゼンのペアである。
4. 経営者は合理的か
ポイント
- 1983年に会長になったカール・ライカート。バフェットが高く評価する合理的な経営者
- ライカートのコスト管理は伝説の域。一度下がったコストが上がることはなかった
- 1991年 金融監督庁より貸倒引当金を2回求められた。それを恐れた投資家により一時株価は低迷
1990年 バフェットがウェルズ・ファーゴ株を買った時の状況
- カリフォルニア州が不況
- ウィエズ・ファーゴの商業用不動産貸付は、全米で最も高い
- 不況により、銀行貸し付けの多くが返済されないと株のプロの多くは予想した
- 金融監督庁も、ウェルズ・ファーゴに対して貸倒引当金を求めた
金融監督庁が指示した貸倒引当金の要求は、実際に貸倒が起きても備えるようにするためである。
しかも、金融監督庁から指示のため、投資家は非常に現実味があるシナリオだと恐れた。
厳しい状況の中、ウェルズ・ファーゴに投資したバークシャー。
投資はトントンだった。
カリフォルニアの不況の厳しさも、ウェルズ・ファーゴの不動産貸付の問題の大きさも、軽く見すぎていた。(バフェット談)
11. 事業の価値はどれくらいか
ポイント
- 貸倒引当金を除外して考えると、ウェルズ・ファーゴは大きな収益力を持つ企業である
- バフェットの見立て 1989年 ウェルズ・ファーゴの事業価値は66億ドル バフェットは30億ドル投資した
- 貸付の問題を考えれば、ウェルズ・ファーゴの未来は疑われていた
- バフェット、相棒チャーリー・マンガーもライカートの経営手腕に太鼓判を押した
「ウェルズ・ファーゴが、最悪1年間利益が出なくても、悲惨と言うほどでない」と結論。
1年間利益が出なくても、その後20%の利益を生み出して資本が増える企業だ(バフェット談)
一番気にしたのは、
「リスクの高い貸付をするのは、愚かな銀行員。ライカートは、愚かな銀行員ではない」
そして、1993年には投資は報われた。

銀行の事業評価って難しくないですか?どの銀行もやっていること同じで差別ができないんで・・・
まとめ

この記事では、バフェットの投資実例として、ウェルズ・ファーゴを見てきました。
- バフェットがよく理解しているビジネス
- 株価が安かった
- 優れた経営者がいた
バフェットが好む投資だったことが分かります。
ウェルズ・ファーゴを取り巻く状況は、バフェットの予想を超え、厳しい投資になりました。
しかし、経営者の手腕を深く信頼したバフェットの楽観的なコメントがとても印象的。