「バフェットの法則 第4章 9つのケースステディで学ぶバフェットの投資法」。
投資実例7 アメリカン・エクスプレス
7. アメリカン・エクスプレス
アメリカン・エクスプレスとは
- クレジット会社
- 1960年代 バフェットがパートナーシップのころ投資をしたことがある(資産40%をつぎこんだ!)
- 30年後、バークシャーは、アメリカン・エクスプレスに14億ドルの投資を実行

バフェットの伝記の中でも、1960年のアメリカン・エクスプレスの話は印象的。
若き日のバフェットは、資産40%をつぎ込んだ大勝負の投資!
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使ったバフェットの法則
2. 安定した事業実績があるかどうか
4. 経営者は合理的か
11. 事業の価値はどれくらいか
2. 安定した事業実績があるかどうか
ポイント
- 事業部門は3つ。旅行関連(72%)、ファイナンシャル・アドバイザーズ(22%)、銀行部門(5%)※カッコの数字は売上高に占める%
- 旅行関連サービスは大きな利益を上げていた。その儲けを、企業買収に使うも失敗
- 買収した会社(証券会社シアソン・リーマン)は、利益を生むどころか、追加の資金を必要とした金食い虫
- 経営者ジェイムズ・ロビンソンは、困り果てバフェットに相談。優先株という形で3億ドルの投資をバフェットは実行した
優先株とは
他の株式に比べて優先的地位を持っている株式のこと。
多くの場合、配当や会社清算時の残余財産を普通株より優先して受ける権利を有する一方、議決権に一定の制限が付された株式のこと
なぜ、バフェットは「優先株」にしたのか?
アメリカン・エクスプレスの経営が、本当に合理的なものになるまで、普通株式で投資するだけの確信が持てなかったから
4. 経営者は合理的か
ポイント
- アメリカン・エクスプレスで最も貴重なものは、クレジットカードだ
- バフェットに泣きついたジェイムズ・ロビンソンは、あっさりと辞任。後任は合理的な経営者ハーベイ・ゴブラ
- 「クレジットカードのブランド力強化」と「証券会社シアソン・リーマンを資本構造を強化して売却すること」を目指した
- 1992~1994年 不良債権の処分と自己資本利益率を高める(収益力UP) 1994年~財務面の強化、自社株買いを実行
- 1994年 事業の立て直しを確認したバフェットは優先株を普通株式に変える、一方で株を買い増した
- 改革の結果、シアソン・リーマンを切り離し、かつての高収益企業に復活した
アメリカン・エクスプレスの変化に好感をもったバフェットは、さらに株を買い増した。
11. 事業の価値はどれくらいか
ポイント
- アメリカン・エクスプレスの経営は不安定。利益の成長は確実に見積もることは不可能で、控えめの成長を見込む
- 1994年時点のアメリカン・エクスプレスの事業価値は14億ドル
- 成長率に合わせて、2種類の試算 434億ドル 500億ドル
- 買い増したバフェットの投資は、控えめの計算の方(434億ドル)でも割安だった
2種類の計算方法は、以下の通り。
1994~2004年の利益成長率(10年間) | その後の利益成長率 | 事業価値(予想) |
10% | 5% | 434億ドル |
12% | 5% | 500億ドル |

最初の10年間とその後。
成長率で2つに分けて考えるんですね。
まとめ
この記事では、バフェットの投資実例として、アメリカン・エクスプレスを見てきました。
- バフェットが深く理解しているビジネス(会社)
- 優れた経営者がいた
- 買収した会社を立て直して、売る
前任の経営者が買収した会社は、ふたを開けてみたら金食い虫。
それを、見事に再生・売却までしてしまうのは、並大抵の経営者ではありません。