バフェットの法則

【実例】バフェットの投資先はどんな会社か?(バフェットの法則4章要約)

バフェットの投資の実例の詳しい解説ってない?


この記事では、ウォーレン・バフェットの投資術を解説した本、『バフェットの法則』を紹介します。

内容としては、「第4章 9つのケースステディで学ぶバフェットの投資法」を要約した記事となります。


出典 Wikipedia 「ウォーレン・バフェット」 より

この記事で分かること

  •  バフェットによる投資実例を詳しく解説 3社「ワシントン・ポスト」「GEICO」「キャピタル・シティーズ/ABC」


この記事の信頼性

  • 「バフェットの法則」という本を丁寧に要約
  • 筆者 ロバート・G・ハグストロームさんは、長年のバフェット研究家
  • ロバートさん自身、バフェット投資術を使ったファンドを運用 

筆者の言葉を、大切に丁寧な要約を心がけました。


この記事を書いた人

  • 株式投資歴10年。バフェット本読書歴9年。
  • 大損してバフェット投資術に出会う
  • バフェット投資術実践中



この記事を読むメリット

  •  バフェットが何を考え、どう判断して投資したのか、バフェット研究第一人者による解説


本記事をご覧いただき、投資手法として取り入れてみてください。



Contents

第3章 12の原則で事業を買う

バフェットの投資チェックリストともいえる、バフェットの法則。

12個もあって、すぐにパッと頭に入りませんので「ふ~ん、こんな感じか・・」くらいでご覧ください。


バフェットの法則

事業に関する3原則

1. シンプルで理解できる事業か

2. 安定した事業実績があるかどうか

3. 長期的に明るい見通しがあるか


経営に関する3原則

4. 経営者は合理的か

5. 株主に率直に話せる経営者か

6. 組織の習性に屈しない経営者か


財務に関する4原則

7. 1株当たり利益ではなく、自己資本利益率を上げようとしているか

8. 「オーナー利益」を考えているか

9. 利益率の高い企業を探しているか

10. 1ドル利益を留保したら、企業の市場価値も1ドル以上あがるように心がけているか


市場に関する2原則

11. 事業の価値はどれくらいか

12. その事業を価値よりもはるかに安い金額で買収することは可能か


詳しくお知りになりたい方は、ご参考までに

【要約】バフェットの法則 第3章 12の原則で事業を買う

この記事では、ウォーレン・バフェットの投資術を解説した本、『バフェットの法則』を紹介します。 内容は、「第3章 12の原則で事業を買う」を要約した記事となります。 バフェットが長年にわたって、磨き上げ ...

続きを見る


第4章 9つのケーススタディで学ぶバフェットの投資法 要約

  • ワシントン・ポスト
  • GEICO
  • キャピタル・シティーズ/ABC


また、お時間のない方のために、ポイントを読んでいただけるだけでもいいようにしました。


1. ワシントン・ポスト

ワシントン・ポストとは

  • ワシントンを本拠に置くアメリカの新聞社。のちにTV局を買収。「メディアとコミュニケーション企業」に変身
  • 経営者は、キャサリン・グラハム。困難な局面で、すぐれた経営能力を発揮
  • バフェットは、キャサリンの友人になる
  • キャサリン、その息子のダン・グラハムは、バフェットから「会社経営」を学ぶ
  • バフェットの恩に対して、キャサリンは、ワシントン・ポストの取締役にバフェットを招いた


ワシントン・ポストにおける投資で、バフェットが使った法則。

使ったバフェットの法則

1. シンプルで理解できる事業か

2. 安定した事業実績があるかどうか

3. 長期的に明るい見通しがあるか

11. 事業の価値はどれくらいか

12. その事業を価値よりもはるかに安い金額で買収することは可能か

7. 1株当たり利益ではなく、自己資本利益率を上げようとしているか

9. 利益率の高い企業を探しているか

4. 経営者は合理的か

10. 1ドル利益を留保したら、企業の市場価値も1ドル以上あがるように心がけているか

以下で、法則に当てはめながら要約していきます。


1. シンプルで理解できる事業か

ポイント

  • バフェットは、1969年 大手の新聞社「オハマ・サン」を買収
  • バフェットは、新聞社のオーナーとして新聞事業を学んでいた
  • ワシントン・ポストの株を初めて買ったときに、バフェットはすでに4年間の新聞社オーナーの経験があった


バフェットは、すでに新聞事業をオーナーとして経験していた。

そのため、ワシントン・ポストの事業への深い理解があった。


2. 安定した事業実績があるかどうか

ポイント

  • バフェットは、個人的な経験と輝かしい実績から、ワシントン・ポストは信頼できる実績が残せると確信
  • 個人的な経験とは、バフェットが子供のころ、ワシントン・ポストの新聞配達をしていたこと
  • 輝かしい実績とは、新聞社としての実績に加えて放送事業でも輝かしい実績があったこと


3. 長期的に明るい見通しがあるか

ポイント

  • 地域独占的な新聞の収益性は素晴らしく、世界トップクラスだ(バフェット談)
  • 1980年代初め、全米には1700社新聞社があり、そのほとんどは競合を持たない地域独占状態
  • 新聞は設備投資のニーズが低く、固定費も少ない。さらに値上げしやすい


注意としては、「インターネット」の前の話。今の新聞は・・・

11. 事業の価値はどれくらいか

ポイント

  • 1973年当時 市場でのワシントン・ポストの時価総額8,000万ドル
  • バフェットの見立て 4億8,500万ドル


バフェットは、企業の価値を「現在価値理論」で計算する。

その際、以下の点を加味する。

  • 新聞社の設備投資は、長期的に見ると減価償却費と同額になる
  • 新聞社は、地域的に独占状態で新聞の値上げがしやすい
  • キャサリンは優秀な経営者。利益率10%→15%にUPすることが可能


ワシントン・ポストは、みんなの目(市場)には、8,000万ドルの価値。

でも、バフェットの目には、4億8,500万ドルの価値があると見えていたんですね!

12. その事業を価値よりもはるかに安い金額で買収することは可能か

ポイント

  • 一番堅実に見ても、ワシントン・ポストは、本質的価値からみて半額以下で、バフェットは買っている
  • バフェット自身は、ワシントン・ポストの本質的価値の1/4で購入したと主張
  • 本質的価値より割安な価格で購入。安全マージンというグレアムの教えに沿っている


7. 1株当たり利益ではなく、自己資本利益率を上げようとしているか

ポイント

  • バフェットが、ワシントン・ポストを買収した時の自己資本利益率は15.7%
  • 優秀な経営者 キャサリン・グラハムのもとでさらに上昇。自己資本利益率36%
  • さらに、キャサリンは借入金の削減も同時に達成。借入金削減と利益率UPの両立は称賛に値する


サラッと称賛に値するとありますが、同時に借入金削減と利益率UPするのは、とんでもなく難しい!

9. 利益率の高い企業を探しているか

ポイント

  • 当初、テレビ事業の利益は出ていたが、新聞事業の利益率は横ばいだった
  • 原因は「人件費の高さ」、特に労働組合とストライキに悩まされていた
  • 経営陣は、新聞の発行が止まることを恐れ、組合の賃上げ要求を飲んできた
  • 1970年代に入り、経営者キャサリン・グラハムは組合と対決する方針に変更
  • キャサリンは、努力の末勝利。ワシントン・ポストの利益率は10.8%から31.8%と大きく上昇


4. 経営者は合理的か

ポイント

  • 経営者キャサリン・グラハムは、新聞社として初めて自社株買いを行った
  • 1990年には、株主に渡す配当金を増やした(増配)。配当を1.84ドルから4ドルへ大きく上げた
  • 1990年に入ると、バフェットは新聞事業は、インターネットの登場でもはや儲からなくなると確信した


自社株を買うのは、発行した自分の会社の株を買い戻すことです。

効果としては、株価が上がります。株主への還元としてよく使われる手法。


ワシントン・ポストについて、バフェットの言葉を借りよう(1991年時)

  • 新聞、テレビ、雑誌は独自の基盤を持つ事業から、似た者同士になってきた
  • インターネットの登場で、新聞の素晴らしい利益率は失われる。景気変動のような短期的なものでなく長期的な変化。
  • ワシントン・ポストも例外ではない。ただし、他の同業者よりその変化はゆるやか


10. 1ドル利益を留保したら、企業の市場価値も1ドル以上あがるように心がけているか

ポイント

  • 1973~1992年の間で、留保した利益1ドルに対して、1.84ドルの市場価値を上げることに成功
  • 経営者キャサリン・グラハムは、他を圧倒する最高に優れた新聞経営者だった
  • 1971~1993年キャサリンが会長を辞めるまでの年平均リターンは22.3%と驚異的に高い(新聞業界平均12.4%)


グラハム家は大変裕福で、キャサリンは、「超」がつくお嬢様。ビジネス経験もなく社長になり、ものすごい結果を出しました・・・

2. GEICO(ゲイコ)

GEICOとは

  • 自動車保険の会社。保険契約者を政府職員など、事故が少ない人だけ限定したビジネスモデル
  • 保険代理店を使わず、ビジネス展開。コストを抑えることに成功
  • バフェットの投資の先生 ベンジャミン・グレアムは、一時大株主だった
  • 保険契約者を経営者、中間管理職、技術者と拡大。事故が少ない人なので、さらに利益は拡大
  • 1970年に入り、1時的に衰退。保険契約者を事故の多い人まで引き受けるようにしたため(のちに復活)


使ったバフェットの法則

1. シンプルで理解できる事業か

2. 安定した事業実績があるかどうか

3. 長期的に明るい見通しがあるか

5. 株主に率直に話せる経営者か

4. 経営者は合理的か

7. 1株当たり利益ではなく、自己資本利益率を上げようとしているか

9. 利益率の高い企業を探しているか

11. 事業の価値はどれくらいか

10. 1ドル利益を留保したら、企業の市場価値も1ドル以上あがるように心がけているか


1. シンプルで理解できる事業か

ポイント

  • バフェットは若いころ、GEICOを訪ねて役員からいろいろ話をきいたことがある
  • 若きバフェットは、GEICOの成功を確信して資産の2/3を投じた。顧客にもおススメした
  • バフェットは、保険会社の経営者 ジャック・リングワルトから保険ビジネスの儲かる仕組みを学んだ
  • GEICOへの投資を続け、1980年代には投資価値は、123%上昇した


若きバフェットは、会社役員(しかも後に社長になった!)を捕まえて5時間も話をしたらしい・・・

2. 安定した事業実績があるかどうか

ポイント

  • 一見するとバフェットの嫌うパターン「事業の立て直し」だが、例外ケース
  • 一時的な衰退とみた。ビジネスモデルの優位性や強みは損なわれていないと
  • 1970年代の不振は、ビジネスの優位性が失われたわけでなく、運営や財務の問題だった


バフェットは事業の立て直しはめったにうまくいかないとよく言います

3. 長期的に明るい見通しがあるか

ポイント

  • 自動車保険自体は汎用品、価格競争力が維持できれば汎用品でも利益が上げられる(バフェット談)
  • 汎用品ビジネスでは、優秀な経営者も重要な要素
  • バークシャーが買収後も、GEICOは利益を上げ続けた


汎用品とは、「お客さんから見て、他とは差別化できない商品」のこと。

たとえば、「商品の質が優れている」「圧倒的に他社の商品より、安い」が、その例。


自動車保険自体は、どこの保険会社の保険も、内容・保険料は、似たり寄ったり。

しかし、保険料がすごく安く、その安さを他社がまねできないほどだと、他社と差別化でき利益がでます。


GEICOの強みは、大きく2つ

  • 保険代理店をもたないことで、コストを安くしていること
  • 保険契約者を、事故が少ない人に限定していること(保険料は入るが、事故で保険金を払わないで済む!)


伝記「スノー・ボール」でもバフェットのGEICOへの入れ込みようはすごいんです!

5. 株主に率直に話せる経営者か

ポイント

  • 1976年に就任したジョン・J・バーンが優秀経営者だったので、落ち込んだ業績を急回復させた
  • バーンは、コストの厳格な管理を徹底して行い、それを株主にもしっかり説明した
  • バーンは、良いニュースも悪いニュースも率直に株主に知らせた


バーンの行った事業再生 コストの大幅な削減

  • 従業員削減と事務所の閉鎖
  • 契約者の絞り込み(コストのかかるケースでは継続しないなど)


4. 経営者は合理的か

ポイント

  • 経営者 ジョン・J・バーンは常に合理的に行動してきた
  • 着実な成長を目指した
  • 1983年以降、GEICOは株主還元に重きを置くようになる


バーンはなぜ着実な成長を目指したのか?

  • 急速に成長することで、財務のコントロールができなくなることをおそれた
  • 損益を注意深く管理しながら、ゆっくり成長したほうが収益が上がるから


1983年以降のGEICO

  • 利益を再投資で十分な利益を上げることが難しくなったので、余剰資金を株主に返すことにした
  • 自社株の買い戻し(株価が上がります→株主が喜ぶ)
  • 配当金の増額


事業が成長するときは、再投資に回す。

事業の成長が遅くなったら、株主にお金を返す。

バーンは、「合理的」な経営者と言えます。


7. 1株当たり利益ではなく、自己資本利益率を上げようとしているか

ポイント

  • 1980年 GEICOの自己資本利益率は30.8%。同業他社平均の2倍という高い数字
  • 1980年代後半は、ビジネスの不調ではなく、利益を上回る速さで資本が増加したから
  • 自社株買いや増配は、自己資本を減らして、自己資本利益率を適正化しようとした

自己資本利益率30.8%は、驚異的に高い。

儲かりすぎて積みあがった資本を減らす必要があった。

そのために、自社株買いや増配をしたという面もあった。


日本の企業とは、けた違いの高い数字!アメリカはすごいですよね!

9. 利益率の高い企業を探しているか

ポイント

  • 保険会社の収益性を図る指標「税引前利益率」は、役に立つ
  • 1983~1992年までの10年間、GEICOは安定した税引前利益率を維持した
  • GEICOは、費用に細心の注意を払っていたので、安定した税引前利益率を実現できた


GEICOが安定した税引前利益率を維持できた理由

  • 保険代理店をもっていないので、費用がかからない(費用は業界平均の半分)
  • 保険引受損失(事故で払う保険金)が少ない。業界でずば抜けていた


11. 事業の価値はどれくらいか

ポイント

  • バークシャー・ハサウェイでGEICOの株を買い始めたころは、GEICOが破産寸前だった
  • 破産寸前だったGEICOには、大きな価値があるとバフェットは言う
  • 利益もなく、企業の価値を算定するのも不可能
  • バフェットの確信のように、GEICOは次第に立ち直った


バフェットによるGEICOの事業価値の算定

  • 1980年 4,700万ドルで投資。GEICOの株全体の1/3にあたる株取得
  • 当時のGEICO時価総額は、2億9,600万ドル(約3億ドルの1/3なので約1億ドル。1億ドルのものを4,700万ドルで買った)
  • 「現在価値理論」で計算すると、GEICOの事業価値は約6億ドル。その1/3なので2億ドルの価値があると計算

市場の評価でも、1億ドルの価値のものを、4,700万ドルのバーゲン価格で買う。

バフェット流の事業価値の算定でも、2億ドルの価値のあるものを、4、700万ドルという安値で買う。


どちらの視点からも、バフェットは安値で買うことに成功している(安全マージン)


簡単な表にしてみるとこんな感じです。

事業価値バフェットが払ったお金
みんなの評価1億ドル4,700万ドル
バフェットの頭の中2億ドル4,700万ドル


10. 1ドル利益を留保したら、企業の市場価値も1ドル以上あがるように心がけているか

ポイント

  • 留保した利益1ドルに対して、GEICOは3.12ドルの市場価値を上げることに成功した
  • 1980~1992年でGEICOの時価総額は、2億9,600万ドル→46億ドルに上昇
  • 複利計算した投資リターンは、年平均29.2%と高い数字。業界平均8.9%と比べても非常に高い


約3億ドルが、46億ドルってすごすぎ!

3. キャピタル・シティーズ/ABC

キャピタル・シティーズとは

  • テレビ局
  • トーマス・マーフィー、ダン・バーグによる2人共同経営が特徴
  • アメリカでもっとも成功したといってよいほどの共同経営
  • 30年にわたり、共同経営。30以上のテレビ局や出版社を買収
  • バフェットはマーフィーと友人。マーフィーはバフェットを取締役に招く
  • 1985年のABC(テレビ局)とキャピタル・シティーズの合併は当時としては、史上最大のメディアの誕生


使ったバフェットの法則

1. シンプルで理解できる事業か

2. 安定した事業実績があるかどうか

3. 長期的に明るい見通しがあるか

11. 事業の価値はどれくらいか

6. 組織の習性に屈しない経営者か

10. 1ドル利益を留保したら、企業の市場価値も1ドル以上あがるように心がけているか

4. 経営者は合理的か


1. シンプルで理解できる事業か

ポイント

  • ワシントン・ポストへの投資を通じて、テレビ、新聞、出版ビジネスを、バフェットは熟知していた
  • バフェットは、ワシントン・ポストの経営に、10年間関与していた
  • バークシャー・ハサウェイがABC株を購入したことで、さらにテレビ事業の理解が深まった


2. 安定した事業実績があるかどうか

ポイント

  • キャピタル・シティーズとABCは、30年にわたり順調に利益を上げてきた
  • 1975~1984年の自己資本比率は、ABCが17%、キャピタル・シティーズが21%と共に高い数字
  • 負債も少ない


3. 長期的に明るい見通しがあるか

ポイント

  • 放送局は基本的に収益性が高く、大きな余剰キャッシュフローを生み出す
  • 1985年時点でバフェットは、テレビ・出版事業の収益性の高さを評価し、長期の見通しは明るいと判断した
  • 1985年ケーブルテレビが出現。脅威になるかと思われたが、大衆は既存のテレビ局を選んだ


テレビ・出版事業の儲かる仕組み

  • 大きな無形資産を生み出し、平均以上の収益性を生み出す
  • いったんテレビ塔を作れば、追加の設備投資は少なく、運転資金も少ない
  • 映画やテレビ番組の制作費は、広告収入が入ってきたら払えばいい

大きな利益を生むし、経費も少ないので儲かる。


儲かって儲かって笑いが止まらない!そんな感じでしょうか?

11. 事業の価値はどれくらいか

ポイント

  • 5億1,700万ドル投資した(1株172.5ドルで、300万株)
  • バフェットの最初の見立て 2億7,600万ドル(市場は2億ドル程度と見ていた)
  • マーフィーはすでに伝説の経営者。優れたビジネスモデルが、さらに利益を増大させる。1株507ドルと見立て、300万株だから「15億2,100万ドル」
  • この見立ては、バフェットには珍しくいくつかの不安定な要素を含んでいた
  • 投資の決め手は、「優秀な経営者マーフィーがいたから」

当時、キャピタル・シティーズの株価は、高止まりしたままだった。

そのため、バフェットが割安で買うチャンスはなかった。


なぜバフェットは、割安な価格でないキャピタル・シティーズを買ったのか?

答えは、優秀な経営者 トーマス・マーフィーがいたからである。


高い利益を出した、マーフィーとバーンによる共同経営。

そこで、大事にしたのは、徹底したコスト管理。

  • 給与、福利厚生、費用の削減。十分な特別手当をもらって1,500人退社(人件費削減)
  • 役員専用室、役員専用リムジンの廃止
  • 買収後、コスト削減をするのはマーフィーの仕事。企業経営はバーンに任せる


当時のテレビ業界では、格付けや視聴率が最優先。

利益は2の次という風潮だった。

マーフィーは、この風潮を打破する。


買収後、コスト削減に取り組むのはマーフィーの仕事。

コスト削減が終わり次第、マーフィーは、相棒バーンに企業経営を任せる。

マーフィーは、次の買収先を探すことと、株主関係に仕事を集中した。


徹底した役割分担。理想的な2人3脚ですよね。

6. 組織の習性に屈しない経営者か

ポイント

  • テレビ事業は儲かるので、手元に現金が豊富ある
  • マーフィーは、高すぎる買収は用心していた
  • マーフィーは、よい買い物(買収)のためなら何年でも待てる経営者と評価されていた
  • メディア事業は景気の動向を受けやすい、借入金による安易な買収は身を滅ぼすと警戒していた
  • 借入金の返済、自社株買いをして企業の体質強化に努めた

テレビ事業は、大量のキャッシュフローを生み出す。

それに加えて、マーフィーの経営(徹底したコスト管理)のおかげで、さらに大きなキャッシュフローを生む。


これだけの大金を目の前にすると、何かやりたくなるのが経営者というもの。

高すぎる企業買収や、計画性のない事業拡大などが、その例。


マーフィーは、キャピタル・シティーズの成長には、買収は不可欠だと考えていた。

その一方で、高すぎる買収はとても用心していた。


「マーフィーという人に投資した」といっても言い過ぎではないですよね!

10. 1ドル利益を留保したら、企業の市場価値も1ドル以上あがるように心がけているか

ポイント

  • 1985~1992年で、留保した利益1ドルに対して、2.01ドルの市場価値を生み出した
  • 1985~1992年で、時価総額は29億ドルから83億ドルに上昇した
  • 1990年の放送ネットワークビジネスの変化に伴う本質的価値の低下を乗り越えての数字
  • バークシャーが投資した5億1,700万ドルは、15億ドルに。複利ベースで年率14.5%と高い数字


4. 経営者は合理的か

ポイント

  • バフェットは、2人の経営者に高く評価している
  • 積極的な自社株買いを実行した(株主還元)
  • バークシャーの保有するキャピタルシティーズの株も、買い戻した


バフェットは長年、さまざまな企業と経営者を見てきた。

そのバフェットが、アメリカの公開企業の中で、最も経営が優れているのは、「キャピタル・シティーズ」だと言う。


経営者2人を最高な言葉で評価したバフェットの言葉は、以下。

「トム・マーフィーとダン・バーグは優れた経営者というだけではない。自分の娘の結婚相手になってほしいくらいの人物だ」


1988年 キャピタル・シティーズは発行済株式の11%に相当する200万株の自社株買いを発表した。

その後も、積極的に自社株買いを進めた2人。

1988~1992年の間で、総額8億6,600万ドル、合計195万3,000株を買い戻した。

1993年には、バークシャーの保有するキャピタル・シティーズの株300万株のうち、110万株買い取る。


バフェットに、ここまで言わせる2人は本当にすごい!

まとめ

この記事では、「バフェットの法則 第4章 9つのケースステディで学ぶバフェットの投資法」を要約しました。


結論としては、3社とも「優れた事業」「優秀な経営者」「割安で買う」です。

「バフェットの法則」に当てはめて、投資の実例を見てみると、バフェットが何を考え投資したのか、分かりやすい。


ご参考までに

DVDもあります。

-バフェットの法則