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【ネタバレなし】『マスカレード・ナイト』 感想とあらすじ

「マスカレード・ナイト」は、東野圭吾作品。

ホテルマンと刑事の異色のコンビの活躍を描いた作品です。




この記事でわかること

・ 【ネタバレなし】前半のあらすじ

・ 感想(おススメする点5つ)




「エンターテイメント」と「ミステリー」を高いレベルでうまくまとまっています。

東野圭吾さんといえば、稀代のストーリーテラーにして、日本で一番売れている作家。




本作は、「マスカレード・シリーズ」第3作目。

1,2作を読んでいない方でも、本作からスタートでも楽しめます。




最近、映画化されました。

映画化されるほどですから、おもしろさをある程度保証できる作品です。




 記事を書いた人

・ 東野圭吾ファン

・ 東野圭吾作品ほとんど読む

・ 小説も投資本もよく読む読書家




私が読んできた、数ある「東野圭吾作品」の中でも、

読んでみて「おもしろい」「どんな人にもおススメできる」と考えます。




あらすじ【ネタバレなし】




山岸 尚美

ホテル・コルテシア東京で、コンシェルジュとして働く若い女性


コンシュルジュとは、ホテルの客の様々な要望を聞く係。

食事をする店の予約や、客が欲しがっている品物を手に入れる方法を探る。

いってみれば「便利屋」

客の要望に「無理」は禁句




新田 浩介

警視庁捜査一課の若い刑事

以前に、同ホテルにて、ホテル・クラークとして潜入捜査をした経験あり

その際に、尚美と共に難事件の解決する

今回も、その経験を買われ、ホテルの潜入捜査にあたる




あらすじ

はじまりは、一本の匿名の通報ダイヤル。


「ネオルーム練馬604号室を調べてみてください。女性が死んでいるかもしれません。」


半信半疑で向かった捜査員が目にしたのは、若い女性の遺体。

現場の状況により「他殺」とみられる。


捜査の結果、

被害者は、和泉春奈 女性 28歳 ペットの美容師(トリマー)

死因は「感電死」

何者かが被害者に睡眠薬を飲ませた後、二本に裂いた電気コードの一本を胸に、もう一本を背中に張り付け、心臓に電気を流すことで感電死させたと思われる。




聞き込みの結果、被害者宅に出入りする男性の姿が複数の人物に目撃されていた。

懸命の捜査にもかかわらず男性の特定に至らずにいた。


そんな折、一通の密告状が警視庁に届く。

警視庁の皆様

情報提供させていただきます。

ネオルーム練馬で起きた殺人事件の犯人が、以下の日時に、以下の場所に現れます。逮捕してください。

12月31日 午後11時

ホテル・コルテシア東京 カウントダウン・パーティー会場

密告者より




密告を受けて、捜査一課のチームが12月28日から潜入捜査を開始する。



以前のホテル・コルテシア潜入捜査の経験を買われて、ふたたび潜入捜査にあたる新田。

同様に、ホテル側の協力者として山岸にも、警察による潜入捜査の協力を求めらる。




奇しくも、再びホテルでの事件捜査に関わることになった新田と山岸。

はたして、事件の行方は・・・






おススメな点 5つ

「さすがにおもしろいわ、東野圭吾作品」が、読み終わっての第一印象です。


「エンターテイメント」×「ミステリー」

どちらもレベルが高く、さすが東野圭吾だという作品。


そんな本作のおススメ点を5点にまとめてみました。


おススメ5つの理由

・誰もが楽しめる作品だから

・中間のだるみがないから

・設定がおもしろいから

・東野圭吾作品にはずれがないから

・人物描写がうまいから

以下に、解説していきます。





誰もが楽しめる作品だから

世代、男女問わず楽しめる。特別な知識はいりません。


✔ ホテルウーマンと若き刑事のコンビ

✔ 犯人逮捕のためホテルの従業員になりすます

✔ デコボココンビが協力して、事件を解決する



分かり易い設定だから、誰もが楽しめる。


ただ、このありふれた設定から、すごく面白い作品を生み出してしまうのが東野圭吾さんの本当にすごいところ。


中間のだるみがないから

マスカレードシリーズのウリ、中盤のホテルウーマン、尚美の活躍部分がおもしろすぎます。

読み終わって、心に残るのはメインの犯人逮捕より、尚美と無理難題を言うお客さんとのかけひき。


例えば、作中にあるシーン。


ある男性から、尚美に相談が持ち掛けられます。

「彼女にプロポーズしたい。ホテルの部屋で、ご飯を食べながら。ロマンティックにしてほしい!」


今度は、女性のお客さんからの相談。

「今夜、彼がプロポーズしてきます。彼が傷つかないように断りたいですが、どうしたらいい?」




プロポーズをする側、される側からの同時の依頼。

プロポーズする男性の要望を聞きながら、同時に断る女性の要望「彼を傷つけずに断る」こともしないといけないのです。


どうするんだろ?これ




あなたなら、どうやって解決しますか?

そんなことをついつい考えてしまい、自分がいつの間にか尚美と重なって、同じように難題に頭をひねります。


本作のメインは、あくまで「殺人事件の犯人逮捕の潜入捜査」

このような尚美の前にたちふさがる難題が次々発生。

そして、尚美が手際よく解決する見事な手腕に目を奪われます。


中盤から終盤にかけて、物語は「殺人事件の犯人逮捕」に移っていくのですが、

殺人事件?

ああ、そういえばそうだった。すっかり忘れてた!

と思うくらい、中盤の尚美の活躍部分の話はよくできています。




設定がおもしろいから

・ 大みそか

・ 一流ホテル内

・ 仮面舞踏会

設定は、豪華ではありますが、非常に狭い範囲で物語は進みます。


一方で、殺人事件の犯人がいつホテルにチェックインしてくるかという緊迫感。

尚美の無理難題に近いお客さんの要望をかなえるための奮闘を描くドタバタ。




ホテルという狭い空間ながらも、物語自体は非常にスピーディーかつ動きもあります。


その一方で、ホテル内に漂う、年末特有のなんとなく小忙しい雰囲気も感じ取れます。


東野圭吾作品にはずれがないから

本作もそうですが、東野圭吾作品にはずれなし。

ほとんどの作品を読んでいますが、「読んで損した」がない珍しい作家さん。




普段、本を読まない知人が、

東野圭吾作品だけは、おもしろいので読むんだよね

とのこと。




あまり本を読まない方をも、虜にする「東野圭吾作品」マジックといったところでしょうか?




人物描写がうまいから

東野さんの作品は、「登場人物の息遣いすら感じるほどリアルな人物像」と言われます。


本作でも魅力的で個性的な登場人物が多い。




東野さんの高い技量により、登場人物はとても生き生きと描かれます。

それぞれの人が、いろんな思惑を持ち、普段と違う顔(仮面)をつけたり。




本作のおもしろさの軸になるのは、「人の物語」であることです。




様々な人がホテルに訪れます。

それぞれの人に背景があり、思惑もある。

そのあたりを上手に描ききれるのが、東野さん。




ストリーがおもしろいだけの「エンターテイメント」ではありません。

優れた人物描写のおけげで、もうワンランク上を行く「エンターテイメント」になっています。




まとめ

どんな人でも楽しめるおススメ作品、「マスカレード・ナイト」をご紹介させていただきました。




「東野圭吾にハズレなし」が実感できる作品。

ぜひ、実際に読んでいただき楽しんでいただければ幸いです。




おススメ5つの理由

・誰もが楽しめる作品だから

・中間のだるみがないから

・設定がおもしろいから

・東野圭吾作品にはずれがないから

・人物描写がうまいから




よろしければ、参考までにどうぞ


お時間がある方は、シリーズ物。第一作から読まれることがおススメ


シリーズ第2作目

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