
「もっと簡単な会社四季報の読み方はないだろうか?」
「面倒なのはイヤ。ここだけ見ておけ的な個所はどこ?」

四季報を読むことにうんざりしている方は見えませんか?
「会社四季報」は、株式投資で必須ともいえる本。
「細かすぎる字」「細かすぎる数字」がずらりと並びます。
また、「四季報の読み方」のような解説本は、説明が詳しくて、難しくなりがちです。
本記事では、5つの数字だけ読む簡単な四季報の読み方を紹介します。
日々、お仕事や家事、子育てに忙しい方にも参考になると思いました。
コツさえつかめば、誰もが四季報を使いこなすことができます。
✔記事の信頼性
投資初心者時代に、会社四季報を読むことに大変苦労していました。
いくつか本を読んだり、会社四季報を読む達人(投資家)のやり方をいくつか取り入れました。
会社四季報3,700社以上掲載してある会社、ほとんど目を通すことができるようになりました。
✔記事を書いた人
株式投資歴9年。会社四季報読者歴9年。
会社四季報は、共に株式投資の世界を渡ってきた相棒。
基本的に、毎日会社四季報は読んでいます。
Contents
●会社四季報の読み方 3つのポイント
四季報は、まともに読みだすと挫折します。
具体的な5つの数字の説明の前に、もう少しお付き合いください。
ポイントは3つあります。
・四季報は「お宝銘柄との出会いの場」
・読まないこと
・5つの数字をクリアした会社だけ「文章を読む」
「お宝銘柄との出会いの場」
雑誌、TVで取り上げられた会社の株は高値掴みする可能性が高い。
みんなが注目しだすからです。
四季報で発見だと、比較的お宝発見のニュアンスが強いです。
注目度では低いです。
ありふれた産業でも、きらりと光る優良な会社がたまに見つかるときもあります。
逆に言いますと、
「出会いの場」だけで、四季報だけ読んだだけで株を買いに行きません。
実際の株を買う際の調査は、私は別の資料で行っています。
要するに、

「ふ~ん、こんな会社が上場しているんだぁ」
と見る程度にしています。
「読まないこと」
理由は、3点あります。
理由は3つあります
・細かすぎること
・会社が多いこと
・簡単にして継続することが大事
読まなくていいところまで読んでいる可能性が高い。
極力、読まないを常に意識しています。
私は、細かく読みすぎて挫折した経験あります。
1社1社隅々まで丁寧に読めば、株で勝てると思いがち。
細かく読めば読むほど、挫折する。
5つの数字をクリアした会社だけ「文章を読む」
見るべき5つ
① ROE → 「会社をいかに効率よく経営しているかの指標」
② 借入金(有利子負債) → 会社の借金
③ キャッシュフロー → 現金の流れ
④ 営業利益 → 本業の利益
⑤ 配当金 → 株主に儲かった一部をお返しするお金
実際の四季報を見てみます。

大きく行うことは2つです。
・5つの数字で企業を選び出すこと
・選んだ企業の文章部分を読んでみること
分かり易いストーリー形式で書くと、以下のようになります。
1.【ROE】効率よく会社経営をし、
2.【借入金】借金は少なく、
3.【キャッシュフロー】現金の流れもいい感じ。
4.【営業利益】本業でがっつり稼ぐことができ、
5.【配当金】配当金もきっちり払っている。
5項目クリア。
実は、この5項目クリアできる会社はそうそうありません。
そこまでいい数字をたたき出す会社は、

「はて?いったい何を作っている会社?」
と興味本位で初めて文章を読みます。

読んでみて、
例えば、「かまぼこを作っている会社」とか判明すると、

「え?なんで今の時代にかまぼこ?」

「かまぼこってそんなに儲かるの?」
と驚きも含むため記憶に残る。
後日、その会社を調べる意欲につながります。
●5つの見るべき箇所

5つを以下に解説します。
記事を書いてみると、長くなりました。
ポイントだけ読んでも分かるようにしました。
1.ROE
ポイント
・ROEとは「会社をいかに効率よく経営しているかの指標」
・ROEは会社の成長率に見立てることもできる
・ROE10%以上で合格
四季報を開いて、ROE10%の会社だけ、サーとみていくだけでほとんどの会社が脱落します。
著名投資家ピーター・リンチさんはROEを企業の成長率に見立てていると本にありました。
ROE=成長度とみると、ある程度大きくなった会社もなかなか高い数字を出すことは難しい。
若い会社(小さい会社)は、異様に高いROEだったりします。
ROE10%以上なら合格。ROE15%あれば、相当いい感じです。
ROEをはじき出す計算式上、企業に借入金が多いとROEが高くなるので、ROEだけ見ることは危険。
2.借入金
ポイント
・借入金とは、会社の借金のこと
・多すぎる借金は、会社にとってとても危険であること
・会社の1年で稼ぐ利益(当期純利益)で、3~5年分が目安。借入金0円が一番いい。
多くの借金のある会社はなんらかの問題があると考えます。
ざっくりですが、当期純利益の3~5年くらいが目安。
それ以上の金額があるところは脱落。借入金0円がいい。
業態によってどうしても借金が多いところもある。
時期によっても大きく増減すると頭の片隅に入れています。
4,000社弱掲載している四季報。
何も借金まみれの会社を選ばなくても、いい会社は山のようにあります。
借入金は、だいたいが銀行で借りています。
銀行で借りれば、
・利息をつけて返す必要があること
・どんな事情があろうとも、毎月のようにお金を返す必要があること
「コロナで台所事情が苦しいので、今月の返済まってくれない?」はないです。
多すぎる借金は、企業にとって大きな足かせになる。
下手すると企業の存亡にかかわります。
多すぎる借金があると、家計が圧迫し首が回らなくなりますよね。
その辺りのイメージは家庭と同じです。
3.キャッシュフロー
ポイント
・キャッシュフローとは、会社の現金の流れ
・ビジネスにとって現金の流れは最重要であること
・四季報では、営業CFがマイナスの会社を特に要警戒すること
「現金はビジネスにとっての血液」と例えられます。
逆に言えば、その血液が止まれば企業は死にます。
キャッシュフローは、当期純利益より実ははるかに大事なものです。
営業CFがマイナスならここで脱落。
理想は営業CFで大きく稼ぐ、その範囲内で投資CFや財務CFを使う。
基本的に、去年より現金が増えているか気にしています。
本当に儲かるビジネスは、利益うんぬんではなく、儲けた現金が年々増え続ける会社です。
簡単なストーリー形式にすると分かり易いと思います。
・ビジネスで、がっぽがっぽ現金が儲かって儲かって仕方ない(営業CF+)
・機械を買ったり、新しい設備も頻繁に買わなくていい。設備投資もほとんどしなくてもいいビジネスである(投資CF-)
・儲けた現金はおなかいっぱいある。銀行から借りる必要もない。配当金の支払いがあるので少しだけ使う(財務CF-)
営業CF | + |
投資CF | - |
財務CF | - |
去年と比べて現金の増減 | + |

経験上、つぶれる会社はたいがい、キャッシュフローの動きがおかしくなります。
当期純利益が赤字、配当金が0円になるとかの前に、キャッシュフローの動きが「ん?」ってことが多い。
特に「営業CFがマイナス」が数年続くようなら、黄信号か赤信号です。
・営業利益
ポイント
・営業利益とは、本業の利益のこと
・本業が力強い成長を示すと、会社の成長が期待できること
・四季報3~5年分が見ることができ、力強く伸びているか見ること
営業利益がググっと年々伸びてくる会社は、その会社の最も得意分野である「本業」がうまくいっている会社。
得意分野の本業が上手くいっている会社は、年々成長する可能性が高い。
先のラーメン屋さんでイメージをしてみます。
・ラーメンのことを知り尽くしている社長さん(経営する)がいて、
・ラーメンを上手に作ることのできる社員(人材)がいる。
・おいしいラーメンを作る道具(設備)も全部そろっている。
その状態で、お客さんにウケてどんどん利益を出している。
ラーメン屋さんならラーメンで、車屋さんなら車で、うどん屋さんならうどん。
それぞれ、本業があります。
本業が年々強い成長をしていたら、会社の稼ぐ力は本物ですよねというお話です。
・配当金
ポイント
・配当金とは、会社が株主に払うお金。儲かった一部をお返しするお金
・年々払っている会社は、「安定して稼ぐ力がある会社」と判断
・配当利回りは2%は欲しい。それ以下は脱落。
配当を年々払っているということは、安定して利益を出している会社と判断できます。
配当金0円の会社はここで脱落。
配当利回りとは、購入した株価に対して、1年間でどれだけの配当金を受けることができるかを示す数値です。
配当利回り2%以上で合格。それ以下は脱落です。
四季報では過去3~5年くらいの配当金の支払い状況が分かります。
いろいろな状況がありますが、ここで0円を見つかることあります。
安定して稼ぐことに疑問が残りますので、スルーします。
増配、減配は基本的に深く考えません。「0円」か「そうじゃない」かだけ見るようにしています。

●まとめ
まとめますと、
会社四季報は、まともに読むととても大変です。
簡単に読むためには、3つのポイントがあります。
・四季報は「お宝銘柄との出会いの場」
・「読まないこと」
・5つの数字をクリアした会社だけ「文章を読む」
会社四季報を簡単に読む方法は、5つの数字をみることです。
見るべき5つ
① ROE → 「会社をいかに効率よく経営しているかの指標」
② 借入金(有利子負債) → 会社の借金
③ キャッシュフロー → 現金の流れ
④ 営業利益 → 本業の利益
⑤ 配当金 → 株主に儲かった一部をお返しするお金

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。