投資で一番大切な20の教え

【要約】投資で一番大切な20の教え 第1章 二次的思考をめぐらす

「投資で一番大切な20の教え」って有名な本。

サッと読める要約ないかな?


この記事は、「投資で一番大切な20の教え」という本の要約記事となります。

内容は、「はじめに」「第1章 二次的思考をめぐらす」となります。

本章の結論は、「他の投資家より、深く物事を考えて投資をしよう」です。


この記事で分かること

  • 20の教えの有効な使い方(はじめに)
  • 他の投資家と差をつける!「二次的思考」とはなにか
  • 実際に投資で使ってみたこと


この記事の信頼性

「投資で一番大切な20の教え」 著者は ハワード・マークス

出典 週刊エコノミストオンライン より

  • オークツリー・キャピタル・マネジメントの会長兼共同創業者
  • オークツリー・キャピタル・マネジメントは、ロサンゼルスを拠点とした投資会社。
  • 運用資産は8000億ドル以上
  • 高利債投資や不良債権への投資を得意
  • ウォートン・スクールにて金融を学び、シカゴ大学にてMBAを取得


ウォーレン・バフェットも一目置く投資家として有名。

バフェットいわく、「ハワード・マークスからの顧客向けレターは、真っ先に読む」とのことです。

ウォーレン・バフェットが、「投資で大切な20の教え」を大絶賛。

大量購入してバークシャーの株主総会で配布した。

出典 Wikipedia 「ウォーレン・バフェット」 より


この記事を書いたひと

  • 【現役】株式投資歴11年
  • 国内外個別株、インデックス投資
  • 投資関連本は山ほど読んで勉強しています!


※ ご参考までに、アマゾンでの評価は★4つ(706件)


「投資で一番大切な20の教え」全章もくじ

「投資で一番大切な20の教え」全章の要約もくじです。

どの教えも、投資の勉強になります。

他のページもぜひご覧ください。

投資で一番大切な20の教え もくじ

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投資で一番大切な20の教え 要約

「はじめに」も学ぶべきことも多いので、要約してみました。



【要約】はじめに

※ 要点をまとめました。

  • 投資を成功させるには、18の「一番大切な教え」を同時に思慮深く注意を向ける必要がある
  • 「一番大切な教え」は、先々まで通用するものであること
  • 本書で一番明確にしたいのは、「投資がいかに複雑か」
  • 本書では、「リスクの概念」と「リスクをいかに限定するか」に多くのページを使う
  • 最も価値のある教訓を得られるのは、「厳しい時期」であること






本書は、私の投資哲学の声明文である

過去20年にわたり、私は不定期で顧客向けレターを書いてきた。


レターを、

  • 自らの投資哲学を披露し、
  • 金融市場の機能について論じ、
  • 最近の出来事に関する自分の見解を解く場

として活用してきた。


レターにて「1番大切なこと」を18も挙げている。

なぜなら、すべて重要なことであるからだ。

投資を成功させるには、数多くの独立した要素に、同時に思慮深く注意を向ける必要がある。


どれか1つでも注意を怠れば、満足できない結果になる公算が大きい。

1つ1つの要素が、強固な壁となるべきものを構成するレンガなのであり、どれが欠けても困るのだ。



本書は、私の投資哲学の声明文である。

私が発信するメッセージは、先々まで通用すると考えられるものであり、今日よりずっとあとになってからも当てはまる内容であると自負している。


本書では、投資を確実に成功させるレシピは載ってない。

ただ、投資家が適切な判断を下し、そしてそこかしこに待ち受けている落とし穴に避けるのに役立つであろう思考方法を紹介しているだけだ。


私の目標は、投資を単純化することではない。

むしろ、1番明確にしたいのは、投資がいかに複雑であるかという点だ。

私は、あくまでもリターンとリスクとプロセスに関する一般的な考え方を論じる。




本書の構成について説明したい。

土台を確立するために、投資が行われる市場の環境について語るところから始める。

投資家、投資の成否を左右する要素、成功の確率を高めるためにすべきことへと話を進める。


本書における私の狙いは、読者がこれまで触れたためしのない投資に関するアイディアや思考方法を伝えることである。


本書では、いかに投資リターンを達成するかという点よりも、リスクの概念とリスクをいかに限定するかという点について、多くのページを使って論じている。


なぜなら、リスクは、投資においてもっとも興味深く、対峙しがいがあり、必要不可欠な要素だからだ。


実効性のある投資哲学とは?

「これまでの成功のカギは?」とよく聞かれる。

私の答えは、実効性のある投資哲学である。


  • 40年以上かけて築き上げ
  • 磨きをかけてきた
  • 同じ文化と価値観を共有する有能な人材によって実践

された投資哲学である。


1つ確信をもっていえることがある。

完全にできあがった投資哲学を携えて、投資キャリアの入り口に立つ者はいないことだ。


哲学というものは、長い時間をかけて、さまざまな情報をもとに蓄積した数多くのアイディアの集大成でなければならない。

また、人生の中で教訓を得ることなしに実効性のある投資哲学を築くことは不可能である。


私は、偉大な2つのビジネススクールで学ぶ機会を得た。



有意義だったのは、

  • 『定性的』と『定量的』という投資理論の2つの考えに触れて、
  • 自分なりの折り合いをつけ、
  • いかに融合させていくか

を、熟考にせまられたことである。

『定性』とは、物事が数字で表せない要素。

例えば、企業のブランドなど、目に見えない価値をいかに評価するか。

『定量』とは、物事が数字で表すことができる要素。

例えば、決算書の数字で、企業をどのように評価するか。


投資哲学というものは、周りをよく見渡しながら生きていくことで育まれる。

投資家は、世の中で何が起きているか、その結果どのような状況が生じるかということを意識しなければならない。


なぜなら、過去の教訓を同じような状況で再現されたときに、生かせるからだ。

過去の教訓を生かせることができなければ、投資家をバブルと暴落のサイクルに翻弄され続ける運命へと導く。


相場がよい時に得られるのは、

  • 投資は簡単である
  • 投資の秘訣は明らかだ
  • リスクを恐れる必要はない

といった悪い教訓ばかりだ。


市場が下落したとき、投資家の本当の力量が分かります

最も価値のある教訓が得られるのは、厳しい時期』である。




私は、過去いくつもの異常事態に遭遇してきた。

とりわけ、数多くの困難に見舞われた1970年代を生き延びたことは、投資キャリアを形成するうえで貴重な体験であった。


私は、重要な書物や思想家(投資家)から多くを学んだ。

これらすべての要素を取り込み、意識的に組み合わせることで形となった投資哲学は、何年にもわたって役立ってきた。


※ここで、ハワード・マークスが挙げた特に重要な書物

  • 「敗者のゲーム」 チャールズ・エリス著
  • 「バブルの物語」 ジョン・ケネス・ガルブレイス著
  • 「まぐれ」 ナシーム・ニコラス・タレブ著




1 二次的思考をめぐらす

投資では、大した努力もせず、能力に恵まれていない素人が、まずまずの利益を上げることがある。

その容易に達する水準からさらに上を目指すには、高い応用力と一片以上の英知が必要である。


ベンジャミン・グレアム 『賢明なる投資家』

何事もできるかぎり単純化すべきだが、単純化しすぎてはならない。


アルバート・アインシュタイン

投資は簡単なことではない。簡単だと思うのは愚か者である。


チャーリー・マンガー(バークシャー・ハザウェイ副会長)



投資はアートである

投資には、普遍的な法則などない。


投資環境はコントロールできないし、全く同じ状況が繰り返されることは稀だ。

市場を大きく動かすのは、非常に移ろいやすい投資家の心理である。


投資は、純然たる科学よりもアート(芸術)の要素が強い。


投資アプローチを固定したり、機械的にあてはめたりせず、直感的に決め、状況に応じて適応させていくことが大事である。

科学投資アプローチを固定したり、機械的にあてはめたりすること
アート直感的に決め、状況に応じて適応させていくこと




投資に必要なものは、より鋭敏な思考

私が考える「成功する投資」の定義とは、市場と他の投資家を上回るパフォーマンスを上げることである。


「成功する投資」を達成するためには「幸運」、「優れた洞察力」が必要である。

「幸運」は、自分でどうすることもできないから「優れた洞察力」を考えよう。


「優れた洞察力」は、なかなか身につかない。

生まれ持っているか、どうにかして身につけるのだ。


人は誰でもカネを儲けたいと考えている。

多くの人が、「1ドルでも多く儲けたい」と競争を繰り広げるため、市場に勝つことを難しくしている。


競争に勝つ者は、1歩先んじた者である。

学歴やより良い道具でもって1歩先んじることもできるが、投資においてはあまり役に立たない。


投資に必要なものは、より鋭敏な思考である。

私はこれを二次的思考と呼んでいる。


投資家をめざす者は、金融や会計の講習を受けたり、いろいろな分野の本を読む。

しかし、平均を上回る成果を上げるのに必要なすぐれた洞察力や直感、価値観、心理感覚を会得できる者は一握りにすぎない。


そうなるためには、二次的な思考が欠かせないのである。


周りとは違う思考方法(二次的思考)を持つ

投資で成功するには、物事を正しく見極めることが必要条件になるだろうが、それだけでは十分条件にはならない。

言い換えれば、周りとは違う思考方法(二次的思考)を持たなければならない。



  • 一時的思考は、底が浅く、誰にでもできること
  • 二次的思考は、奥が深く、複雑で入り組んでいる



一次的思考二次的思考
例1良い企業だから、株を買おう周りは偉大な企業と見るがそうではない。
過大評価されて割高だ、売ろう
例2経済成長率が低下し、インフレも上がるから株を売ろうほかの投資家はパニック売りしている。
今が買い時だ。
例3減益になるから、株を売ろう減益だが、予想よりも良い業績が発表されて、株価は上昇する。
買いだ。


二次的思考を使って具体的に考える事

  • 今後、どのような範囲の出来事が起こりうるか?
  • その中で、実際に起こると思うのはどれか?
  • その予想が当たる確率は、どれくらいか?
  • コンセンサスの予想はどうか?
  • 自分の予想は、コンセンサスとどう違うのか?
  • その資産の現在の価値は、コンセンサスあるいは自分が考える先行き見通しに見合っているか?
  • 価格に織り込まれているコンセンサスの心理は強気すぎたり、弱気すぎたりしないか?
  • コンセンサスあるいは自分の予想が的中した場合、その資産の価格はどうなるか?

「コンセンサス」とは、合意という意味。

ここでは、「投資家みんなの一致した意見」という意味。




二次的思考をする場合、脳にかかる負荷は一時的思考よりも著しく大きくなる。

二次的思考ができる人もわずかである。


一次的思考をする人は、単純な方程式や安易な答えを求める。

二次的思考をする人は、投資で成功することは単純さの対極にあると分かっている。


一時的思考をする者は、他の一時的思考をする者と同じことについて同じように考え、だいたい同じ結論にたどりつく。


すべての投資家が市場に勝つのは不可能である。

平均的な投資家を上回る成績をあげるには、コンセンサスの裏をかく必要がある。


投資で勝つには、二次的思考をする者になる必要がある

優れた投資成績は、コンセンサスとは異なる正しい予測からしか生まれない。



  • コンセンサスとは、異なる予測をすること
  • 異なる予想が、正しいこと
  • 異なる予想に基づいて行動すること

ほかの人と同じことをしたり、同じような予測を立てたりしていては、投資で勝つことはできない。

他人と違うことをするということは、それ自体が目的なのではなく、一つの思考手段である。

効率的な市場で掘り出し物を見つけるにはどうすればよいのか。

類まれな分析力や洞察力、先見の明が必要だろう。

だが、類まれというだけあって、そうした能力を持った者はほとんどいない




二次的思考の特徴を端的に説明すると、

『周りと違っていて、なおかつ、よりすぐれていること』


投資プロセスを単純なものだと感じている人は、二次的思考の必要性、存在さえも気づいていない。


誰でも投資で成功できると勘違いしている者は多いが、みなが成功できるわけではない。

一次的思考をする者が多いほど、二次的思考をする者が得るリターンが増えるというメリットがある。




つねに優れた投資リターンを達成するためには、二次的思考をする者になる必要がある。



※続きはこちら。

第2章は、マークスから見た市場や相場の付き合い方です。

よろしければ、ご覧ください。

【要約】投資で一番大切な20の教え 第2章 市場の効率性(とその限界)を理解する

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実践していること

投資で勝つために、本書から学んで実践していることを紹介します。

本の内容は分かったけど、どんなことすればいいの?

とお考えでしたら、ご参考までにご覧ください。


  • 二次的思考をクセにすること



二次的思考をクセにすること

つねに優れた投資リターンを達成するためには、二次的思考をする者になる必要がある。

20のたいせつなこと、第1番目に「二次的思考」がなぜきているのか?

20のなかでも、「二次的思考」を1番大事だとハワード・マークスは考えているからです。


二次的思考を使って具体的に考えること

  • 今後、どのような範囲の出来事が起こりうるか?
  • その中で、実際に起こると思うのはどれか?
  • その予想が当たる確率は、どれくらいか?
  • コンセンサスの予想はどうか?
  • 自分の予想は、コンセンサスとどう違うのか?
  • その資産の現在の価値は、コンセンサスあるいは自分が考える先行き見通しに見合っているか?
  • 価格に織り込まれているコンセンサスの心理は強気すぎたり、弱気すぎたりしないか?
  • コンセンサスあるいは自分の予想が的中した場合、その資産の価格はどうなるか?

本来ならここまで考える必要があります。


しかし、

ここまでならみんな考えることだなぁ → もう一歩踏み込んで考えてみよう

この程度の二次的思考でも、効果が出てきます。


なぜなら、これだけでも多くの他の人と違うことをしているからです。

ほかの人と同じことをしたり、同じような予測を立てたりしていては、投資で勝つことはできない。



二次的思考の難しさは、本文でも指摘があるように、

  • 市場は、多くの場合正しいこと
  • 意識して訓練しないと、二次的思考が身につかないこと

二次的思考の特徴を端的に説明すると、

『周りと違っていて、なおかつ、よりすぐれていること』

みんなと違うことだけならそれほど難しくはない。

みんなと違うことをすることが、すぐれていたり、正しいことということになると、難易度がグッと上がります。


しかし、市場は効率的であり、平均を上回るパフォーマンスをあげることはできないと推定すべきである。

市場は、多くの場合正しいからです。

市場が間違えるのは、ごく稀。

市場は、そう簡単に間違えない



投資判断を下すのは、パソコンで売買する今となっては多くの場合、一瞬です。

強欲や恐怖が、投資家の頭の中を支配する中、しっかり二次的思考をする。

一瞬で立ち止まって、二次的思考をする必要があるので、日ごろから意識して訓練が必要です。


二次的思考を実践していくと、私の場合は、投資において攻撃よりも防御力が上がりました。

軽率な行動で、大きな損失が出なくなりました。


投資では、大きく勝つことよりも、大きく負けないほうが価値があります。

大負けして市場から退場しなければ、長い投資人生で、投資チャンスはまたいつかくるからです。


結論としては、

「簡単なものでいいから二次的思考を取り入れ、意識して身に着けよう」

ということになります。


まとめ

いかがでしょう。

まとめてみます。


投資で一番大切な20の教え 要約

はじめに

投資を成功させるには、18の「一番大切な教え」を同時に思慮深く注意を向ける必要がある

「一番大切な教え」は、先々まで通用するものであること

本書で一番明確にしたいのは、「投資がいかに複雑か」

本書では、「リスクの概念」と「リスクをいかに限定するか」に多くのページを使う

最も価値のある教訓を得られるのは、「厳しい時期」であること



1 二次的思考をめぐらす

投資は、純然たる科学というより「アート」(芸術)の要素が強い

投資に必要なものは、より鋭敏な思考(二次的思考)である

二次的思考は、脳にかかる負担は大きく、投資を単純なものと考えない

二次的思考の特徴を端的に説明すると、『周りと違っていて、なおかつ、よりすぐれていること』

つねに優れた投資リターンを達成するためには、二次的思考をする者になる必要がある



実践していること

  • 二次的思考をクセにすること






ご参考までにどうぞ。

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