投資で一番大切な20の教え

【要約】投資で一番大切な20の教え 第10章心理的要因の悪影響をかわす

「投資で一番大切な20の教え」って有名な本。

サクッと読める要約ないかな?

この記事は、「投資で一番大切な20の教え」という本の要約記事となります。




 この記事でわかること

「投資で一番大切な20の教え」 はじめに、第10章の要約から

・ 投資における心理がもたらす悪影響(種類と分析)

・ オークツリー流 心理的悪影響のかわし方

・ 実際に投資に使ってみたこと




この記事の信頼性

「投資で一番大切な20の教え」 著者は ハワード・マークス




ウォーレン・バフェットも一目置く投資家として有名。

バフェットいわく、「ハワード・マークスからの顧客向けレターは、真っ先に読む」とのことです。




オークツリー・キャピタル・マネジメントの会長兼共同創業者

オークツリー・キャピタル・マネジメントは、ロサンゼルスを拠点とした投資会社で、運用資産は8000億ドル以上。

高利債投資や不良債権への投資を得意とする。

ウォートン・スクールにて金融を学び、シカゴ大学にてMBAを取得。


引用 アマゾン 商品紹介ページ 「投資で一番大切な20の教え」より




この記事を書いた人

✔ 株式投資歴10年

✔ 国内外個別株、インデックス投資

✔ 投資関連本は山ほど読んで勉強しています!









投資で勝つには、著名投資家の本で学ぶことが一番の早道です。

そこでこの記事では、「投資で一番大切な20の教え」を要約しました。




・ バフェットがこの本を大絶賛。

 大量購入してバークシャーの株主総会で配布したから

・ 世間でも「名著」と名高いから

・ 私自身も読んでみて、稀に見る有益な投資本だと考えるから




※ ご参考までに、アマゾンでの評価は★4つ(387件)




「投資で一番大切な20の教え」を繰り返し読んでいる者としては、

詳しく要約したほうが、読者に有益なのでは?

と感じました。


なぜなら、本文を読んでみると、投資家にとって、極めて有益な言葉が頻繁に出てくるからです。

ハワードの言葉や表現を大事にしながら、要約しました。




私にとって、本書は「投資のバイブル」です。

腹に落とし込むために、繰り返し読んできました。

しかし、こんな悩みもありました。




・ 復習で再読する際に、最初から読むと時間がかかること

・ ネットの要約記事だと、端折りすぎて少し物足りない

・ ハワードの言葉や表現を生かした『要約』で復習したい

同じような悩みのある方のお役に立てれば幸いです。




本記事をご覧いただければ、こんなメリットがあります。

・ 心理的悪影響を理解することで、相場に振り回されず勝率を上げる

・ 著名投資家マークスが説く、心理的要因の分析が学べる

・ 実際に本を読むよりも、短い時間で教えを学ぶことができる

要約 第10章心理的要因の悪影響をかわす

第10章 心理的要因の悪影響をかわす

・ 飽くことない欲求

・ 機会損失の恐れ

・ 他人と比べる傾向

・ 集団の影響力

・ 「確実に儲かるもの」に対する幻想


これらは、普遍的要素であり、お互いに絡まり合っている。

そして、投資家や市場に強い影響を及ぼす。


その結果、人は過ちを犯す。

その過ちは、広範囲に渡り、幾度となく頻繁に繰り返される






投資の重大な過ちは、心理的要素により起きる

投資でほかの者と差をつけるには、過ちを犯す側ではなく、過ちを見極める側にいなければならない。


投資において過ちはなぜ起きるのか?


それは、投資が、

・ 人間によってなされる行為だから

・ 大半の人間は、自身の真理と感情に翻弄されるから

・ データ分析力は優れていても、心理の強大な影響力に耐えることができる人は少ないから




投資上の重大な過ちは、情報面や分析面の要素ではなく、心理的要素によって引き起こされる。


心理的要素は、つねに誤った判断につながる。

なぜなら、心理的要素は「人間の性」だからである。


投資を失敗に導く心理的要素は6つある。

6つの要因

  1.  強欲
  2.  恐怖
  3.  無視
  4.  同調
  5.  嫉妬
  6.  うぬぼれ






心理的要因① 「強欲」

カネ儲けしようとすることには何も問題はない。

危険が訪れるのは、金銭欲が『強欲』に変わるとき。


強欲の力は極めて強大である。

強欲は、

・ 投資家が持つ常識やリスク回避

・ 過去の教訓

・ 恐怖心

をねじ伏せてしまうほどだ。


時として、群衆と運命を共にする衝動にかられ、やがてその代償を払うことになる。


心理的要因② 「恐怖」

ここで言う「恐怖」は、『パニック』に近い意味を持つ。


強欲と同様に行き過ぎた様子を示すものである。

恐怖は行き過ぎた懸念であり、しかるべき建設的な行為を投資家が実践に移すのを妨げる。


心理的要因③ 「論理、過去、伝統的な規範を無視してしまう人々の性向」

私は、人々がいとも簡単に「ありえない話を進んで受け入れてしまう」姿に驚かされてきた。


このような性向から、

「金儲けできそうなら、疑わしいことも受け入れること」

のである。


・ ファンダメンタルズ面の制約の一部が、もはや意味をなさない

・ 公正価格に関する過去の概念も、もはや通用しない

このような思い込みは、すべてのバブルとその崩壊の核心に例外なくあるものだ。


暴落や金融危機の事後検証で、繰り返し使われる言葉がある。

「そんなうまい話があるわけがない」

「いったい何を考えていたのか」




なぜ投資家は、都合の良い思い込みに陥るのだろうか?

それは、過去の教訓を一笑に付す、あるいは無視することの気楽さにある。


・ 金融に関する記憶が持続する時間は極端に短い

・ 金融の世界ほど、歴史をないがしろにされる分野はない

損したことをすぐ忘れるため、パターンが何度も繰り返され、避けることができないのだ。


投資家は常にリスクなしで金持ちになるための切符、「銀の弾丸」を欲している。

しかし、銀の弾丸は存在しない。


では、なぜ投資家は、「銀の弾丸」の存在を信じるようになるのか?

新しい投資理論で、実際に利益を得た人を目の当たりするからだ。


新しい投資理論が生まれ、その信奉者が利益を生み出す。

理論の強みか、信奉者がこぞって買ったため株価が上がっただけかもしれない。


しかし、

1. 新しい投資理論は、確実に金が儲かる方法

2. それを実践して儲けている人々がいる

という印象が熱狂をもたらす。


だが、その熱狂の渦はやがてはじけ飛び、あとになって「バブル」と呼ばれるのである。


心理的要因④ 「多数派の見方に同調する傾向」

多数派に同調する傾向は、たとえ明らかにおかしなところがあっても存在する。


多数派の影響力の大きさを示す実験結果がある


1. 被験者の集団を用意する。真の被験者は一人のみ、その他はサクラ

2. 複数の線を描いた図を見せ、線の長さについて質問する(1番長い線は?)

3. サクラがわざと全員一致で、間違った答えをいう

4. 1人だけの真の被験者もまた、間違った答えに同調する




投資においても同様だ。

市場について多数派と異なる意見を持つ者の多くは、疎外感を覚え始める。

やがて、「多数派に賛同しない者こそおかしい」と感じる段階に達する。


多数派との同調圧力と金銭欲の組み合わせは、

・ 幾度となく人々の主体性と懐疑性を奪う

・ 生来のリスク回避思考をねじ伏せ、筋の通らないことを信じ込ませる

・ 頻繁に起きる




心理的要因⑤「嫉妬」

「もっともっと」という強欲は、他人と自分を比べることによって、さらに強力になる。

「嫉妬」は、人間の性の中でも特に有害なものだ。


自分の持ち分に満足していた人も、他人がもっと多く持っていることを知るとみじめな気持ちになる。

投資の世界にいる大半の者は、他人が自分より儲けているのを見て、じっとしていられない。


ある某非営利団体の基金の話。


1994~1999年、年16%のリターンを記録。

しかし、関係者は浮かない顔をしていた。


なぜなら同業他団体は同時期に、年23%のリターンを達成していたからだ。

ハイテク・バブルにおいて、ハイテク株を買わなかったためだ。


しかし、その後、ハイテク株は暴落。

2000~2003年で、その団体は年3%のリターンを達成し、関係者は大喜びした。


なぜなら、同時期の同業他団体はハイテク株の暴落によりマイナスに転落したからである。




なぜ年16%のリターンで不満だった人が、年3%で大喜びするのか?

人間には、自分と他人を比べる傾向があり、それが建設的、分析的であるべき思考回路に狂いを生じさせるからだ。


心理的要因⑥「うぬぼれ」

以下の状況において、客観性と冷徹さを保つことはきわめて難しい。

・ 投資は、短期で評価され、比較されること

・ 強気相場では、間違った投資判断で追加的なリスクを取った者が、最も高いリターンを上げる

・ リターンが高ければ、うぬぼれが強くなる。自分は「切れ者」という気分、周りもそう認めること




対照的なのは、思慮深い投資家。

・ 人知れず努力をしている

・ 強気相場では手堅く利益を上げ、弱気相場では、ほかの者より損失を少なくする。

・ 自分が知らないことがいかに多いかを知る

・ うぬぼれないように気を引き締めている

・ 周りと一緒に危険な行為に走ることはない




思慮深い投資家の行動は、長期的に富を築くための最も優れた方程式だと私は考える。


思慮深い投資家が持つ、「謙虚さ」「慎重さ」「リスク・コントロール」は、決して華々しいことではない。


「降伏」について

最後に、私が「降伏」と呼ぶ現象について説明したい。

これは、サイクルの最後に決まって現れる投資家行動の特徴だ。


投資家は、可能な限り自分信念を貫き続ける。

しかし、経済的、心理的圧力が抗しがたいほど高まると、ついに「降伏」し、多数派の仲間に入ってしまう。


投資ビジネスに入る者は、数学に明るく、複雑な理論も理解し、投資を自分の頭で考える事ができる。

しかし、そこに心理的な要因や集団の影響力が働くとどうなるか。


正しい投資判断にもかかわらず、リターンが少なく自信喪失気味の投資家。

そんなときに他人の成功話を聞くと、投資家は間違った行動へと駆り立てられる。




・ 飽くことない欲求

・ 機会損失の恐れ

・ 他人と比べる傾向

・ 集団の影響力

・ 「確実に儲かるもの」に対する幻想

これらは、普遍的要素であり、お互いに絡まり合っている。


市場が極端な状態にあるときほど、その影響力は強まる。

高い代償を伴う過ちが広範囲にわたり、幾度となく頻繁に繰り返される。


常識をないがしろにする投資家の末路

なぜ投資家は常識をおろそかにするようになるのか?

原因は、「強欲」「恐怖」「嫉妬」「自己欺瞞」「うぬぼれ」といった感情である。


1990年代の「ハイテク・バブル」の顛末を振り返り、どのような心理が働いたのか、検証してみよう。


ブロードバンド、インターネット、電子商取引など世界に変革を起こす技術に、投資家は魅了された。


価格上昇がさらに買いを呼び、いっそうの価格上昇をもたらす強気相場。

人々は、価格上昇を続ける「ハイテク株」をもてはやした。


ハイテク株の新規株式公開(IPO)も同様に、投資家はIPO株の購入に殺到した。


ハイテク株への投資で成功した投資家は、メディアでその手腕を称えられた。


この時、経験や懐疑主義に束縛されず巨額の利益を上げたのは、20代30代の若者。

飛び抜けて頭脳明晰ではなく、強気相場という市場環境がおかげだったのかもしれない。


2000年になると、ハイテク株は自らの重みに耐えれなくなり、値崩れしはじめた。


原因となる特定の出来事があったわけではない。

株価が行き過ぎて、調整が必至であることが突然、明らかになっただけである。




それから、10年が過ぎたころに、振り返ってみる。

1990年代にもてはやされた技術は、たしかに世界を変えた。


投資家は、あらゆる企業をハイテク株というだけでもてはやした。

しかし、そのすべての企業が勝ち組になったわけではない。

長い時間をかけて企業の淘汰が進み、勝ち組と負け組を生むからだ。


人々は、ハイテク・バブルで巨額の損失という代償を払わされた。

強欲、熱狂、不合理、不信の一時停止、本質的価値をないがしろにした結果である。


一方で、才気があり、規律あるバリュー投資家は、バブルで巨額の損失から免れた。


しかし、ハイテク・バブル時には、周りから『愚か者』のように見られていた。

なぜなら、周りが大きく儲けているのにもかかわらず、華やかなリターンがなかったからだ。




投資は、心理的要因が悪影響を及ぼす

バブルで損失を出さずに済むためのカギとはなんだろうか?

それは、好材料がやみくもに高評価され、悪材料が無視されるバブル時に、その輪に加わらないこと。


しかし、決して簡単なことでない。

周りが大きく儲けている時に、「一緒に儲けたい」という誘惑を断ち切れる者はほとんどいないからだ。




暴落で行き過ぎた恐怖が市場を取り巻くときも、同様だ。

「恐怖に負けず売らずにいること」「恐怖を振り絞って買うにいくこと」は難しいからだ。


過ちへと駆り立てる心理的要因に対して、投資家がどうすればよいのか?

まず第一に、自分に降りかかる心理的悪影響の「正体」を見極めること。

次に、「そんなうまい話があるわけがない」と現実的になることだ。


投資には、簡単な答えはない。

投資家をつねに正しい判断に導いてくれるツールもない。

やけっぱちになることを防ぐ薬もない。

チャリー・マンガーが言うように、「投資は簡単なことではない」のだ。




参考までに、オークツリーで実践していることを挙げよう。

・ 本質的価値を強い意識する

・ 価格が、本質的価値から乖離した場合にとるべき行動にこだわる

・ サイクルに関する知識を深める。

  行き過ぎた相場は、最後は報われず、手痛い打撃を受けることを知る

・ 市場が極端なとき、心理的要因が密かに悪影響を及ぼすことを理解する

・ 「そんなうまい話はない」と思えるときは、たいていの場合、「そのとおり」である

・ 相場がさらに誤った方向に進むとき、自分が間違っているように見えることを受け入れる

・ 同じ考えの人の支持を得る




学んだことを実践

私は、株式投資歴10年。

本書を「投資のバイブル」としています。

この章から、学んだことを紹介します。




「嫉妬」は投資で最悪の結果をまねく

結論は、投資において、「嫉妬」ほど悪影響のものはない です。




この章では、「心理的要因が、投資に悪影響を及ぼす」ということで6つの要因を挙げています。

どれも大事なのですが、経験上、「嫉妬」は本当に悪いことしかない。




ツイッターを見ていて、

やった!〇〇万儲かった!

こういった他の投資家の書き込みを見て、

うらやましい・・・自分も儲けたい!

となり投資をすると多くの場合、損してきました。




特に多かった損するケースは、買った株が買値をピークに下がっていく「高値つかみ」。




自分の心の中を、冷静に分析してみると、

「焦り」「強欲」

これらが、「嫉妬」により、増幅もしくは、リスク回避思考を遠ざけるようです。




「もっともっと」という強欲は、他人と自分を比べることによって、さらに強力になる。

「嫉妬」は、人間の性の中でも特に有害なものだ。


自分の持ち分に満足していた人も、他人がもっと多く持っていることを知るとみじめな気持ちになる。

投資の世界にいる大半の者は、他人が自分より儲けているのを見て、じっとしていられない。




上記の要約文は、心当たりがありすぎて、本当に耳が痛い。

実は、世界一の投資家 ウォーレン・バフェットもまた、「嫉妬は有害」と言っています。




バフェットや本書の教え、「投資における嫉妬の怖さ」を学んでいたおかげで、私はずいぶん助けられました。

なぜなら、「嫉妬」は非常に危険だと知っていたから、意識的に「嫉妬」から自分を遠ざけるようにしていたからです。




「意識的に」嫉妬を自分から遠ざけるため、私は以下の3点をしています。

・ 強気相場のときは、SNSを見ない(儲かった話を耳に入れない)

・ 自分の心を冷静に見つめる(今、誰かに嫉妬していないか?)

・ 「嫉妬」は投資で最も危険と絶えず言い聞かせる




今振り返ってみても、もし「投資における嫉妬の怖さ」を知らなかったら、今頃、私は投資家として死んでいたはず。

10年以上投資していると、「ヒヤッ」とする場面がいくつか思い当たります。




投資年数を経るごとに、「嫉妬の怖さ」も本当に危険なものだと、年々その思いは強くなっています。




結論としては、「投資では、嫉妬心はすごく危険である」という話です。




まとめ

いかがでしょう?

まとめてみます。


✔ 投資上の重大な過ちは、情報面や分析面の要素ではなく、心理的要素によって引き起こされる。

✔ 悪影響を及ぼす心理的要因は、「人の性」に起因しており避けがたく、投資を失敗させる。

✔ 投資を失敗に導く心理的要素は6つある。

6つの要因

  1.  強欲
  2.  恐怖
  3.  無視
  4.  同調
  5.  嫉妬
  6.  うぬぼれ

✔ 過ちは、広範囲にわたり、幾度となく頻繁に繰り返される

✔ 強力な心理的悪影響があるために、投資は簡単ではない

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