投資で一番大切な20の教え

【要約】投資で一番大切な20の教え 第13章 我慢強くチャンスを待つ

「投資で一番大切な20の教え」って有名な本。

サクッと読める要約ないかな?

この記事は、「投資で一番大切な20の教え」という本の要約記事となります。


この記事で分かること

「投資で一番大切な20の教え」 第13章の要約から

  •  マークスが説く、「我慢強い投資」とは何か
  •  最高の投資機会
  •  危機時の投資の動き方

この記事の信頼性

「投資で一番大切な20の教え」 著者は ハワード・マークス




ウォーレン・バフェットも一目置く投資家として有名。

バフェットいわく、「ハワード・マークスからの顧客向けレターは、真っ先に読む」とのことです。




オークツリー・キャピタル・マネジメントの会長兼共同創業者

オークツリー・キャピタル・マネジメントは、ロサンゼルスを拠点とした投資会社で、運用資産は8000億ドル以上。

高利債投資や不良債権への投資を得意とする。

ウォートン・スクールにて金融を学び、シカゴ大学にてMBAを取得。


引用 アマゾン 商品紹介ページ 「投資で一番大切な20の教え」より




この記事を書いたひと

✔ 株式投資歴10年

✔ 国内外個別株、インデックス投資

✔ 投資関連本は山ほど読んで勉強しています!




投資で勝つには、著名投資家の本で学ぶことが一番の早道です。

そこでこの記事では、「投資で一番大切な20の教え」を要約しました。




  •  バフェットがこの本を大絶賛。大量購入してバークシャーの株主総会で配布した
  •  世間でも「名著」と名高いから
  •  私自身も読んでみて、まれにみる有益な投資本だと考えるから

※ ご参考までに、アマゾンでの評価は★4つ(387件)




「投資で一番大切な20の教え」を繰り返し読んでいる者としては、

詳しく要約したほうが、読者に有益なのでは?

と感じました。

ハワードの言葉や表現を大事にした要約を心がけました。




本記事を読むメリット

  •  投資スタイルに「我慢強い」を理解し取り入れることができる
  •  具体的に語られることのあまりない「投資における我慢強さ」を深堀
  •  大事なポイントを要約。時短




要約

第13章 我慢強くチャンスを待つ

市場はそんなに融通の利く機械ではない。

欲しいからという理由だけで、高いリターンをもたらしてはくれない。


ピーター・バーンスタイン(投資コンサルタント)




投資とは、「無常」である

我慢強く待つこと

2005~2008年は、一世一代の投資のチャンスだった。

2005~2007年は、「割高で売るチャンス」、2007~2008年は、「割安で買うチャンス」をもたらしたからだ。




よいチャンスは常にあるわけではない。

あまり動かずに状況を見極めることが、時として最善策になる。




つまり、掘り出し物が出てくるのを我慢強く待つことだ。




売り手が積極的に売ろうとしているものの中から買うものを選ぶ。

自分で「これが欲しい」と決めたもののリストに基づいて投資するよりも、高いリターンが得られる傾向がある。




オークツリーの掘り出し物投資

オークツリーのモットーのひとつ

「我々が投資先を探すのではない。向こうが我々を見つけるのだ」




我々は、積極的に動かないようにしている。

我々は、自発的に取引を始めるよりも、よいチャンスにめぐりあったときに、それに応じるやり方をしている。




どんなときも投資環境そのものは、人が変えることができない。




また、たいていのものは、見るからに割高だったり割安だったりということはない。

おおむね公正な価格がついているように見えることが多い。

そのような場合、貴重な掘り出し物や絶好の売りどきにめぐりあえないかもしれない。




投資を成功させるには、市場の状態を把握し、それに応じてどう動くかが大事だ。




以下の3点は、きわめて無分別なふるまいである。

  •  市場の状態を見極めることなく行動する
  •  市場の状態とは無関係に行動する
  •  自らの力でどうにか市場の状態を変えられると信じる




日本で学んだこと

私がこのように考えるようになったのは、学生時代に学んだ日本学である。

昔から日本で大事にされてきた価値観に「無常」がある。




無常とは

  • サイクルが上下動する
  • 物事が現れたり、消えたりする
  • 環境は我々のコントロールが効かない形で変化する




だから、我々は「投資とは無常である」と認識し、受け入れ、そうした変化に対処や対応をしていかなければならない。

これは、まさに投資の本質ではないだろうか。




我々には、現状を認識し、現状で可能な最良の判断を下すことしかできないのである。




バフェットは語る

世界一の投資家 ウォーレン・バフェットもまた「野球」を例に同じように語る。




球界屈指の打者 テッド・ウィリアムズ。

ストライクゾーンを77分割し、 徹底的に研究。

自分の得意とするゾーンを打てば、格段に打率が上がることをつきとめた。




バフェットは言う

投資家の場合、見逃し三振はない。

いつまでも、絶好球が来ることを待つことができる。

絶好のチャンスが訪れるまで、ほかの投資機会を何度見送っても大丈夫だ。




バットを振らなくてよい投資は、世界で最も偉大なビジネスだ


ウォーレン・バフェット




儲かる投資を見逃すことは、損するよりまし

投資のすばらしさの一つは、損を出す投資をした場合にしか、目に見える形で不利益を被ることはない点だ。




損を出す投資を見送った場合、不利益にならない。

儲かる投資機会をいくつか逃がしたとしても、耐えられないほどの痛みは生じない。




儲かる機会を逃した場合の不利益とは何だろう。

個人投資家は、儲けたくて投資をしている。

儲かる機会を逃してもまったく平気でいられる者は、いないだろう。




プロの投資家の場合は、顧客を失う可能性がある。

他人の資金を運用している立場上、 あまりにも多くの投資機会を逃せば、 顧客は離れる




オークツリーでは、

儲かる投資機会を逸することは、損をする投資に手を出すほど重要な問題ではない

という信念がある。




このため、当社の顧客は、儲かる投資すべてに手を出すことよりリスクのコントロールを重視した結果、生じる成績について心構えができている。




低リターン環境では、無理な投資をしない

無理な投資をすると・・・

バフェット流の「我慢強くチャンスを待つ」

それは、「儲かる投資機会だけ投資する」というものである。




そのための優れた選別眼を身につける方法の一つは、最大限の努力をして、今いるのが、

  •  低リターンの環境なのか
  •  高リターンの環境なのか

を確実に把握することだ。




しかし、投資家は、

  •  低リターンの環境にあっても、高リターンを追い求めること
  •  (知らず知らずのうちに)追加的なリスクを受け入れてしまうこと




低リターンの環境の下で、安全資産への投資では投資家が必要とするリターンが得られない。

そんなとき投資家は、 リスクの高い資産に投資してリターンを追い求める。




かつてのオークツリーライバルたちの多くは、資金を大きく減らし、もはやライバルではない。

低リターン環境下で高リターンの追求にこだわり、無理な投資の結果、姿を消したライバルもいる。




低リターン環境で、できることは少ない

低リターン環境のような投資機会が存在しないときに、高リターンを生み出すことはできない。

だが、難問は、そうした状況の中で我々に何ができるか、という点である。




結論から言えば、簡単な答えはないというのが実情である。

なぜなら、 予想リターンがきわめて低く、リスク・プレミアムが小さい状況では、できることは少ないからだ。




だが、ひとつだけ、私が間違っていると最も強く感じる行動がある。

(低リターン環境下で無理に)リターンを追求すること

である。




低リターンしか見込めなさそうな市場で、投資家はどうすればよいのだろうか。

考えられるのは、以下の5つ。

低リターンの環境でないかのように投資する

「望むだけでは実現しない」から、期待するのは無意味である。




とにかく投資する①

高リターンでないと、理解しつつ投資を続ける




とにかく投資する②

目先の利益に目をつぶり、長期でリターンを上げることに集中する。

有効なやり方であるが、事前に周りの人に「目先の利益に目をつむる」という確認は取っておく。




キャッシュを保有する

  • 資金を「フル稼働」させていた者
  • 周りが儲けるのを見ることがつらい者

には、厳しい選択である。




「特定のニッチ分野や特定のマネージャー」を選んで集中投資をする

投資金額が大きくなるにつれ、難しくなる手法。

有能なマネージャーが、そう簡単に見つからないという問題もある。




いずれにしても、非常に難しいのである。




リスクは、みなが競って同じようにとろうとしているときではなく、周りが避けようとしているときにとるのが望ましい。




2005年、私は顧客向けレターで、「投資から降りるよう」アドバイスした。

2005年5月という早すぎる段階だった。

しかし、2007年5月を過ぎてから大損してから投資から降りるよりましだったのだ。




我慢強くチャンスを待つ

投げ売り時には、選択の余地はない

最高の投資機会は、資産の保有者が投売りするときに訪れる。

そして、危機時にはそのような保有者が多数現れる。




投売りが起きるのは、

  •  運用するファンドで解約が(多数)生じる
  •  ポートフォリオの構成資産が、投資のガイドラインに抵触する
  •  保有資産の担保価値が下がり、融資期間から証拠金の追加を求めらるとき




資産を売ろうとする者は、通常

  •  なるべく高い価格で
  •  なるべく早く

売りたいものだ。




しかし、投げ売りする場合、選択の余地はない。

どんな価格であっても売らなければならないからだ。

買う側にとって「どんな価格でも売る」というフレーズは、最も魅力的な言葉となる。




投売り時は、ほとんどの投資家に同じような影響を及ぼす。

そして、本質的価値を大幅に下回る基準まで下がる可能性がある。




安全資産も時として「投げ売り」される

比較的安全な資産が、大幅に下落して、その後急騰した例として「シニア・バンクローン」がある。

シニア・バンクローン

銀行などの金融機関が提供する、相対的にリスクの低い借り入れ




2008年

銀行から巨額の資金を借り入れして投資する者が多かった。

その投資先となったのが「シニア・バンクローン」。




金融機関は、投資家と契約を結んで融資を実行した。

シニア・バンクローンの価格が85%を下回った場合、投資家が追加証拠金を収めなければならないというものだ。

しかし、実際には、過去にバンク・ローンが、大幅に下落したことがなかったのである。




2008年に、金融危機が起きると状況は一変。

シニア・バンクローンの価格は、みるみる下落。

投資家は、金融機関に証拠金を払うことすらできなくなった。




そこで金融機関は、投資家からバンク・ローンを差し押さえ、競売にかけた。

売り手の金融機関も売値にこだわらなかった。

融資額の75~80%ほど回収できればよしとしたからだ。




結果、安全資産と思われた「シニア・バンクローン」は投売りされた

安全資産「 「シニア・バンクローン」は 、一時期、リスクの高い債券「ハイイルード債」よりも大幅な下落を記録したのである。




ここに、非効率性が存在したのは明らかだ。




2009年になると、評価が一変。

「シニア・バンクローン」の価格は急騰した。

これこそ、我慢強く機会を待っていた者が一歩を踏み出すときであった。




そのように動けたのは、主として2006~2007年の時点でリスクを認識し、機会を待ち望んで準備万端整えていた者である。




危機時の投資

危機時の投資でカギになるのは、

  •  売りを迫るマイナス要因から身を遠ざけ、
  •  そのかわりに買い手の立場をとること




これらの条件を満たすために投資家に必要なものは、

  •  断固として本質的価値を重視すること
  •  レバレッジになるべく、あるいはまったく頼らないこと
  •  長期的な資本と強い意志




逆張りの姿勢と健全なバランスシートを拠り所として我慢強くチャンスを待てば、金融崩壊時に驚異的な利益を生み出しうるのである。




実践していること

ルールという仕組みで「我慢強い投資」をする

気合と根性では難しい

我慢強さを、精神論だけで行うことは難しい。

人には、感情があるからどうしても振り回されます。

ニュースや投資情報など多すぎるから、余計振り回される傾向にあります。




【ルール】買った株は3~5年は売ることができない

そこで、私は、独自の投資ルールを作りました。

我慢強さを、精神論ではなく、「ルールに従う」というシステムで実行できるようにしました。

【ルール】 一度買った銘柄は、3~5年は売ることができない





ルールでの3~5年というのは、バフェットとマンガー(バフェットの相棒)から学びました。

以下の記事では、「最適な保有期間は3年」

バフェットに学ぶ!忍耐の重要性(バフェットの法則7章要約)

この記事では、ウォーレン・バフェットの投資術を解説した本、『バフェットの法則』を紹介します。 内容としては、「第7章 投資に必要な忍耐力」を要約した記事となります。 投資で成功するためには、忍耐強く長 ...

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投資では、座して待つことが重要だ。

証券会社に支払う手数料を抑えられるし、つまらないことに一喜一憂しなくて済む。

うまくいけば、税金の節約にもなり、年に1%か2%、ないしは3%の利益が転がり込んでくるのだ。


引用 『マンガーの投資術』No.8 デビッド・クラーク 著 日経BP社


正確に予測することはできない。

厳密な予測に基づいて儲けようと考えていない。

よい会社の株を買って持ち続けることしか私にはできない。


引用 『マンガーの投資術』 No.15 デビッド・クラーク 著 日経BP社




ルールに従って、投資をしてみた

やってみると、簡単に我慢強い投資ができるようになりました。




【買う】

一度銘柄を買うと5年は売れないとなると、株価が適正価格になるまで我慢強く待ち続けることができます。

なぜなら、「高値でつかむ」ミスをすると、5年はそのミスに付き合う必要があるからです。

そう考えると、買う際には、慎重かつ我慢強い売買が自然と強いられます




【売る】

「何があっても5年は株が売れない」と腹をくくるだけで我慢強くなります。

なぜなら、強烈な悪いニュースに出会っても、「売れない」のは相当に精神的に鍛えられるからです。




慣れてしまう

最初は、難しいのですが慣れてしまうものですね。

「システム」として我慢強い投資をするので、感情に左右されず、精神的な負担も少ないです。




自分なりのルールを作って、我慢強い投資をされてはいかがでしょうか?




「我慢強い」のもう一つの意味

最後に、「我慢強い投資」について、マンガー(バフェットの相棒)からとても勉強になるアドバイスを紹介します。




私が成功できたのは、集中力が長く持続するからである。


引用 『マンガーの投資術』No.19 デビッド・クラーク 著 日経BP社




マンガーの言う「集中力」は、

  •  株価が上昇したり、下落するのを、辛抱強く待つことではない
  •  手元に十分な現金を用意する
  •  偉大な企業の株価が下落して、適正な価格になるまで集中力を切らさずに待つ




財布にお金があると、気が大きくなってしまいます。

そんなに欲しくなかったものでも、ついつい買っちゃったという経験ありませんか?

それを、グッと我慢し続ける集中力って話ですね。




まとめ

いかがでしょう。

まとめてみます。




✔ 我々は「投資とは無常である」と認識し、受け入れ、変化に対処や対応をしていかなければならない

無常とは

  • サイクルが上下動する
  • 物事が現れたり、消えたりする
  • 環境は我々のコントロールが効かない形で変化する

✔ 儲かる投資機会を逸することは、損をする投資に手を出すほど重要な問題ではない

✔  (低リターン環境下で無理に)リターンを追求することは、間違いである

✔  最高の投資機会は、資産の保有者が投売りするときに訪れる

✔   逆張りの姿勢と健全なバランスシートを拠り所として我慢強くチャンスを待てば、金融崩壊時に驚異的な利益を生み出しうる

  •  断固として本質的価値を重視すること
  •  レバレッジになるべく、あるいはまったく頼らないこと
  •  長期的な資本と強い意志

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