
「投資で一番大切な20の教え」って有名な本。
サクッと読める要約ないかな?
この記事は、「投資で一番大切な20の教え」という本の要約記事となります。
この記事で分かること
「投資で一番大切な20の教え」 第2章の要約から
- マークスによる回答 投資家は市場平均に勝てるのか?
- マークス流の市場の見方
- 手ごわい市場をいかに乗り切るのか
この記事の信頼性
「投資で一番大切な20の教え」 著者は ハワード・マークス


ウォーレン・バフェットも一目置く投資家として有名。
バフェットいわく、「ハワード・マークスからの顧客向けレターは、真っ先に読む」とのことです。
オークツリー・キャピタル・マネジメントの会長兼共同創業者
オークツリー・キャピタル・マネジメントは、ロサンゼルスを拠点とした投資会社で、運用資産は8000億ドル以上。
高利債投資や不良債権への投資を得意とする。
ウォートン・スクールにて金融を学び、シカゴ大学にてMBAを取得。
引用 アマゾン 商品紹介ページ 「投資で一番大切な20の教え」より
この記事を書いたひと

✔ 株式投資歴10年
✔ 国内外個別株、インデックス投資
✔ 投資関連本は山ほど読んで勉強しています!
投資で勝つには、著名投資家の本で学ぶことが一番の早道です。
そこでこの記事では、「投資で一番大切な20の教え」を要約しました。
- バフェットがこの本を大絶賛。大量購入してバークシャーの株主総会で配布した
- 世間でも「名著」と名高いから
- 私自身も読んでみて、まれにみる有益な投資本だと考えるから

※ ご参考までに、アマゾンでの評価は★4つ(387件)

「投資で一番大切な20の教え」を繰り返し読んでいる者としては、

詳しく要約したほうが、読者に有益なのでは?
と感じました。
ハワードの言葉や表現を大事にした要約を心がけました。
本記事を読むメリット
- 自分なりの「市場観」を持ち、相場に振り回されない
- マークス流の相場とはどういうものか、の理解
- 市場との距離の保ち方が分かる
Contents
投資で一番大切な20の教え 要約
2 市場の効率性(とその限界)を理解する

理論上、理論と実践の間に違いはないが、実際にはある。
ヨギ・ベラ(元メジャー・リーグ選手・監督)
効率的市場仮説
1960年代 「シカゴ学派」と知られる新しい金融・投資理論が台頭した。
とくに「効率的市場仮説」は、最初に発表されてから長年にわたり、投資の世界でひときわ大きな影響を及ぼしてきた。
効率的市場仮説の大まかな要点は、以下の4点
1. 市場には数多くの参加者がおり、参加者は情報をおおむね同程度取得できる。
2. 市場参加者の力を結集することで、情報は完全かつ即座に資産の市場価格に反映される。
3. 市場価格は、資産の本質的価値の正確な推定値である
4. 市場は妥当とみられる価格を形成する。追加的なリスクと関係ない追加的なリターンは生じない。
効率的市場仮説について、私の考えは以下の3点である
・ 投資家は、新情報を手を抜かず吟味する
・ 資産の価格形成に、その情報の重要性に関するコンセンサスの見方が即座に反映される
・ しかし、コンセンサスの見方がつねに正しいとは思わない
私の結論は以下の3点である。
・ 市場はしばしば資産の価値を見誤る
・ 投資家は、ほかの参加者と同じ情報、同じような心理的影響を受けている
・ 投資家が、コンセンサスと異なり、正しい見方を維持することは難しい
以上により 市場がいつも正しくないにもかかわらず、優れた投資成績を出すことが難しい。
効率的市場仮説のもっとも重要な点は「市場に勝てない」という結論部分である。
市場平均をはっきりと上回るリターンを達成するアクティブファンドはほとんどない。
シカゴ学派の輝かしい功績の1つは、インデックス・ファンドとして知られる投資手段を生み出したことである。
投資家は、高額なコストを負担し、リターンが高くない「アクティブ」ファンドに徐々に疑問を持ち始めた。
その結果、市場と同等の比率で投資するインデックス・ファンドへと多くの資金がつぎ込まれた。
投資家は、インデックス・ファンドを通じて、わずかなコストを払うだけで市場と同等のリターンを得られることに成功した。
1960年代に生まれた効率的市場仮説は急速に広まり、多くの信奉者を獲得。
だが、一方で、効率的市場仮説に対して反対する意見も生じ、支持派と反対派で一般的な見方は揺れている。
効率的市場仮説について気になること

効率的市場仮説について、気になる点がある。
リスクとリターンに関わるものである。
投資理論によると
・ 人は、危険を避けたがる傾向がある
・ リスクが高い投資には、高いリターンの約束が必要となる
・ より高いリスクの投資には、高いリターンが約束されるように価格が調整される
理論上、効率的な市場には、市場に勝てるスキルというものは存在しない。
そのため、おのおのの投資のリターンの差は、リスクの違い(差)を反映していることになる。
優れた投資成績であれば、「高いリターンが得られたのは、隠れた(高い)リスクがあったから」と結論づけられる。
時として、すべてがうまくいき、高いリスクの投資投資がそれに相応する高いリターンを生み出すときがある。
そんなとき、人々は「高いリターンを得るためには、より高いリスクの投資をすればいい」という気分になる。
しかし、それは間違いである。
リスクの高い資産に投資することで、高いリターンが見込めるならば、その資産は高リスクとは言えないからだ。
なぜなら、市場は常に妥当な価格をつけ、より高いリスクの投資であれば、それ相応の妥当な価格を付けているからである。
二次的思考の核心

私は、市場の効率性という概念を一刀両断に切り捨てるべきではないと考える。
多くの人が参加をし、入念かつ客観的に評価したら、資産の本質的価値から大きく乖離するわけがない。
価格の誤り(ミスプライシング)は、日常的に発生しないから、市場に勝つことは難しいはずである。
株式市場を例に考えてみよう。
多くの参加者が、同じ情報に基づいて同じような分析を下す。
価格の誤りは、頻繁に起きないし、価格の誤りがあることに気づく者もまれである。
だが、そこに二次的思考の核心がある。
二次的思考をする者は、優れた投資成績のためには、「情報」「分析」のどちらか、あるいは両方で強みを持つ必要があることを理解している。
そして、価格の誤りや誤った認識がないか、常にアンテナを張り巡らせている。
非効率的な市場の特徴

二次的思考をする者が拠り所とするのは、『非効率性』である。
非効率性を平たく言えば、「市場では誤りが起きやすく、そこから利益が生じうる」ことである。
「効率的な市場」という理論の前提条件4つについて
・ 研究熱心な投資家が数多くいる
・ 投資家は熱心、客観的な目をもち、意欲もありスキルも十分にもちあわせている
・ 利用可能な情報があり、投資家はほぼ同等に入手可能
・ みな自由に資産の売買ができる
すべての利用可能な情報は、滞りなく、効率的に価格に織り込まれ、価格と本質的価値の間のズレはすぐに解消されると説く。
わたしは、市場価格が正しいと断言するのは不可能だと考える。
理由は
・ 「客観性」の問題。人は強欲、恐怖、嫉妬などの感情に突き動かされて客観性を失うときがあること
・ 資産の売買は自由ではない。空売りの経験がある投資家は少ないし、特定の市場分野にしか関わらない投資家が多い
非効率性の存在によってアウトパフォーマンスの可能性が生じるのであって、非効率性がアウトパフォーマンスの必要条件と言えるのだ。
ただし、市場が非効率的だからと言って、必ずしもアウトパフォーマンスできるわけではない。

「アウトパフォーマンス」とは、日経平均、TOPIXのような市場平均より運用成績が上回っていること。
以上をふまえ、私の考える非効率的な市場の特徴は、
・ 市場価格が間違っていることが多い
・ アセットクラスのリターンが、他のアセットクラスのリターンと釣り合わないときがある。資産に公正でない価格がつくから。
・ 一部の投資家が常に他の投資家をアウトパフォームしている
・ 投資家のスキルの違いで勝ち組と負け組を生み出しうる材料を提供する

「アセットクラス」とは、投資対象の資産(アセット)の種類や分類のこと。
具体的には、株式とか債券です。
価格に大きな誤りが生じるようなことがあれば、安すぎたり、高すぎたりする資産を見つけ出すことが可能である。
非効率性は、すばらしい投資パフォーマンスの必要条件である

効率性と非効率性の大論争に関しての私の結論は、
「完全に効率的、あるいは完全に非効率的な市場は存在しない」
である。
私は、非効率性が生み出すアウトパフォーマンスする機会を高く評価する。
一方で、儲かりそうな銘柄を探すことは時間の無駄だと感じるほど市場の効率性の概念も尊重している。
効率性は、普遍的ではないため、素晴らしいパフォーマンスをあげることをあきらめる必要はない。
しかし、市場は効率的であり、平均を上回るパフォーマンスをあげることはできないと推定すべきである。
極めて効率的な市場に対して行動を起こす前に、以下のことを考えてみよう。
・ 安すぎるものがあれば、なぜすぐ動けるはずの投資家がいるのに、格安なのか?
・ リスクの割にリターンが大きいもの。何か隠れたリスクはないのか?
・ この先追加の利潤がある資産。進んで売ろうとする投資家がいるのはなぜ?
・ 買い手は、売り手よりその資産のことをよく知っているのか?
・ それほどお得なのに、先を争って買おうとするものがいないのはなぜ?
結論を言おう。
・ 非効率性は、すばらしい投資パフォーマンスの必要条件である
・ 完全に効率的な市場で、勝つのは勝率50%(表裏の)コイントスと同じ
・ 他の投資家を上回るパフォーマンスを上げるには、市場のどこかにある、乗ずべき非効率性がなければならない。
非効率性の存在は、価格が公平でないことを示す。
公平でないとは、価格が高すぎる、安すぎることもあることを示す。
割安な資産を買うためには、他の投資家よりも優れた洞察力が必要となる。
すばらしい掘り出し物は、他の投資家が気づいていない、今後も気づかないところで見つかる。
冒険しようと思わない者がいるからこそ、冒険する者にはチャンスが生まれる。
重要なのは、バランス感覚

市場の効率性という投資理論は、普遍的なものなのか?非現実であるもののか?
重要なのは、バランス感覚であり、経験から得た常識を生かすことで身につくものだ。
資産運用の世界でキャリアを積んできた私に、以下の考えに至ったときに大きな転換点となった。
「市場の効率性という概念には妥当性があるから、どちらかというと非効率的な市場、つまり努力とスキルが一番報われるであろう場所に的を絞るべきだ」
私は、効率性といいながらも、一部で非効率性が存在している効率的市場仮説の限界を理解している。
だからこそ、アクティブ運用否定論を全面的に受け入れていないのである。
我々は、理論をあくまで決断の手がかりとするべきであり、理論そのものに支配されてはならない。
理論を完全に無視をすれば、大きな過ちを犯すことになるだろう。
一方で、理論を丸のみするだけでは、掘り出しものをみつけるなど、スキルのある個人に開かれたチャンスを閉じてしまう。
こんなたとえ話が分かりやすいだろうか
・ 効率的市場仮説を信奉する教授と教え子が散歩していた
・ 教え子 「あそこに落ちているのは10ドル札では?」
・ 教授 「いや、そんなわけない。もし10ドル札ならもうだれか拾っているはず」
・ 教授が立ち去った後、10ドル札を拾いあげ、学生はビールにありついた
続きはこちら
第3章は、マークスがバリュー投資を勧める理由、第4章は「価値」と「価格」の話。
投資家にとって、非常に有益な内容となっています。
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【要約】投資で一番大切な20の教え 3章 バリュー投資を行う
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実践していること


・ 株式投資歴10年
・ 本書を繰り返し読んでいる
・ 本書の教えのおかげで助けられた
愛読者として、本書の教えを実践している話となります。
学んで実践していること
・ 稀に起こる市場の非効率を利用すること
・ まれに起こる市場の非効率を利用すること

ごくまれに起きる「市場の非効率」を利用して、投資に勝とう という話です。
私は、非効率性が生み出すアウトパフォーマンスする機会を高く評価する。
一方で、儲かりそうな銘柄を探すことは時間の無駄だと感じるほど市場の効率性の概念も尊重している。
10年株式投資をして、市場を眺めてきました。
この引用文に全く同感で、上手く文章にしていただいたなぁという印象です。
多くの場合、市場は効率的であると考えます。
なぜなら、以下の引用のとおりだからです。
多くの人が参加をし、入念かつ客観的に評価したら、資産の本質的価値から大きく乖離するわけがない。
価格の誤り(ミスプライシング)は、日常的に発生しないから、市場に勝つことは難しいはずである。
一方で、「いつ」「どのような形で」かは分かりませんが、必ず「市場の非効率」はやってきます。
それに備えて、
・ 銘柄研究をすること
・ 投資の勉強をすること
・ ビジネスを勉強すること
日常的に取り組むことが大事です。
どこかで必ずくる「市場の非効率」にすぐ動けるように準備体操しておくようなイメージです。
しかも、「市場の非効率」は、ほんの一瞬のときもあります。
結論として、
・ 市場は多くの場合、効率的。付け入るスキはない。
・ いつか急に来る「市場の非効率性」に備えて入念な準備をしておこう
市場の効率性という概念には妥当性があるから、どちらかというと非効率的な市場、つまり努力とスキルが一番報われるであろう場所に的を絞るべきだ
まとめ

いかがでしょう。
まとめてみます。
投資で一番大切な20の教え 要約
2 市場の効率性(とその限界)を理解する
✔ 効率的市場仮説のもっとも重要な点は「市場に勝てない」という点
✔ 「完全に効率的」、あるいは「完全に非効率的」な市場は存在しない
✔ 他の投資家を上回るパフォーマンスを上げるには、市場のどこかにある、乗ずべき非効率性がなければならない
✔ 市場の効率性という概念には妥当性がある。だから、非効率的な市場、つまり努力とスキルが一番報われるであろう場所に的を絞るべき
✔ 市場の効率性について重要なのは、バランス感覚であり、経験から得た常識を生かすことで身につくもの
実践していること
学んで実践していること
・ 稀に起こる市場の非効率を利用すること
ご参考までにどうぞ。