バフェットの法則

バフェットの投資の先生は誰?(バフェットの法則 第2章 要約)

バフェットの投資術の原点ってあるのかな?


この記事では、ウォーレン・バフェットの投資術を解説した本、『バフェットの法則』を紹介します。

内容は、「第2章 バフェット流投資の原点」を要約した記事となります。


結論としては、バフェットは、3人の投資家の投資手法をうまく組み合わせて、使っています。


出典 Wikipedia 「ウォーレン・バフェット」 より

この記事で分かること

  • バフェット投資術の原点について
  • バフェットに強い影響を与えた3人の投資家の投資手法


この記事の信頼性

  • 「バフェットの法則」という本を丁寧に要約
  • 筆者 ロバート・G・ハグストロームさんは、長年のバフェット研究家
  • ロバートさん自身、バフェット投資術を使ったファンドを運用 

筆者の言葉を、大切に丁寧な要約を心がけました。


この記事を書いた人

  • 株式投資歴10年。バフェット本読書歴9年。
  • 大損してバフェット投資術に出会う
  • バフェット投資術実践中



この記事を読むメリット

  • バフェット投資術の原点を知ることができる
  • 3人の偉大な投資家の投資手法を理解できる
  • 今日からでも取り入れることのできる投資手法あり



第2章 バフェット流投資の原点

バフェットに影響を与えた3人の投資家の紹介。

お時間のない方のために、ポイントを読んでいただけるだけでも分かるようにしました。


3人の投資家

  • 価値より安く買う ベンジャミン・グレアム
  • 成長と集中を学ぶ フィリップ・フィッシャー
  • 良質な企業を買う チャーリー・マンガー


1.価値より安く買う ベンジャミン・グレアム

ポイント

  • バフェットへの影響は大きい。投資の枠組みを最初に与えた
  • 「証券分析」「賢明なる投資家」有名な投資本の著者
  • 「投資」と「投機」の違いを明確にした
  • 企業の本質的価値より株価が安い「安全マージン」の考えを提唱した
  • 企業の財務分析では、「定量」に重きを置いた


ベンジャミン・グレアムは誰もが認める財務分析の長老である。

出典 Wikipedia 「ベンジャミン・グレアム」


「証券分析」「賢明なる投資家」2冊の投資本は、今でも高く評価されている。

「証券分析」の主張

適切な価格で株を買い、十分に検討されたポートフォリオをつくる。

そうすれば、健全な投資が可能


グレアムが最初に直面した課題は、誰もが納得する「投資の定義」がないことだった。

「投資」と「投機(ギャンブル)」の違いは明確に線引きできない難問である。


その難問に対して、グレアムは投資の定義を以下のようにした。

「投資」と「投機」の違い

投資とは、徹底的に分析し、元本と十分なリターンを確認する作業だ。

この要件を充たせないものは投機だ


「投資」「投機」との間に明確に線引きをしたうえで、グレアムは株式の買い方を確立する。

「安全マージン」という考え方である。


「安全マージン」とは、

  • 市場全体が低調なときに、株式を買う
  • ある株式が、本質的価値よりも安い価格で取引されているときに買う

グレアムは、「2.本質的価値より安い時買う」を勧めた。


具体的な銘柄選択では、徹底した財務分析を行った。

財務諸表の「数字」に重きをおく「定量」分析である。


形の見えない資産を評価する「定性」分析は、分析者の主観が大きく入り込む。

分析者の主観は、過大評価しがちで危険であるとした。


ベンジャミン・グレアムは、「賢明なる投資家」の著者。

「最高の投資本」とバフェットが太鼓判を押している本として有名。


2.成長と集中を学ぶ フィリップ・フィッシャー

ポイント

  • フィッシャーの投資スタイルは「成長企業を選ぶこと」
  • 平均以上の「売上高」だけではなく、企業の「収益性」を重視
  • 優れた企業は、「事業内容」だけでなく、経営者も優秀だということに注目
  • 並みの多数の企業に投資するより、自分が深く理解できる少数の素晴らしい企業に集中投資


フィリップ・フィッシャーは、1930年代に活躍した投資家。

出典 FISCO フィリップ・フィッシャー


フィッシャーが、投資で重要だと評価したのは、2点。

  • 業界の平均を上回るスピードで、売上高と利益を出すことができるかどうか
  • 平均以上の売上高や利益を、企業が長期間生み出すことができるかどうか


それらを実現するために、「何年間か大きく成長する可能性のある製品やサービス」が必要であるとした。


フィッシャーは、高い成長性を売上高ではなく「収益性」が大事であるとした。

高い収益性の実現のため、「適切な会計管理」「コスト管理」を挙げた。

なぜなら、高い収益性があれば、企業が追加投資があっても内部資金で対応し、影響が少ないからである。


フィッシャーは「優れた経営者」にも注目した。

長期間の成長では、目先の利益だけでなく「長期的な視点」も必要である。

それらを持っているのが「優秀な」経営者だからである。


フィッシャーの具体的な投資方法は「集中」「深い理解」である。

自分の理解できる、少数の企業に「集中」投資する手法。

「理解」するために、フィッシャーは徹底的に企業を調べつくした。


フィリップ・フィッシャーは、「フィッシャーの超成長株投資」の著者。

この本も、バフェットが高く評価したことで有名です。

旧版は、翻訳が評判が悪い。

新版の「株式投資で普通でない利益を得る」の方が、おススメ。


3.良質な企業を買う チャーリー・マンガー

ポイント

  • バフェットの分身ともいわれるバークシャー・ハサウィ副会長
  • 投資手法は、「幅広い知識」+「フィッシャー流成長企業投資」
  • グレアム流割安投資に固執するバフェットに、「成長株投資」を導いた


チャリー・マンガーは、バフェットと同じオマハ出身の投資家。

弁護士として活躍していたが、バフェットの勧めで投資家となる。

出典 Wikipedia 「チャーリー・マンガー」


1959年バフェットとの出会いから2人は意気投合。

後に、バークシャー・ハサウィの副会長に就任。

バフェットの分身と言われるほど、バフェットとマンガーの考え方はよく似ている。


投資手法は、バフェットと少し異なる。

「法律」からはじまり、「歴史」「科学」など幅広い知識をもとにしている。

フィリップ・フィッシャー流成長株投資に考えを傾けていった。


グレアムの教えに固執するバフェットに、「成長株」に目を向けるように説得し続けた。

それは、企業の「質」を重視した投資への転換を意味した。


1971年、バフェットは、シーズ・キャンディー社買収。

そこでは、企業の「質」を重視した投資を行った。

マンガーとの出会いが、バフェット流投資を新しいステージに押し上げました


こちらは、マンガーの名言集。

読みやすい上に、鋭い洞察に満ちた言葉の数々。



4.影響が混ぜ合わさってバフェットの投資が生まれた

ポイント

  • グレアムの影響は大きいが、しだいに離れていくことになる
  • フィッシャー流の「徹底した企業調査」「少数に集中投資」に影響を受けた
  • バフェット投資術は、グレアム流とフィッシャー流とマンガー流の3つが組み合わさったもの


投資を始めた当初、グレアム流バリュー投資を学んだバフェット。

投資をしていく過程で、次第にその教えに限界を感じるようになる。


一方で、「安全マージン」のような今でも正しい教えもあり、なかなかグレアム流から抜け出すことができずにいた。

フィッシャー流「徹底した企業調査」「少数に集中投資」を学び、マンガーとの出会いで軸足を次第に移していった。


3人の投資家によるバフェットへの影響は、以下のとおり

グレアム

  • 「安全マージン」という投資の基礎
  • 投資における感情のコントロール

フィッシャー

長期投資のよい対象を見極めて集中投資をすること

マンガー

  • 優れた事業を保有することで大きな利益が得られること
  • 投資における心理的失敗について


バフェット投資術は、3人の投資家の影響が本当に大きいのがよくわかりますよね。


まとめ

この記事では、ウォーレン・バフェットに強い影響を与えた3人の投資家について触れました。

3人の投資家の考え方を、うまく吸収し、バフェットなりにアレンジしていることが、よくわかります。


バフェットの原点ともいうべき、3人の投資家。

彼らについて知ることで、より深くバフェット投資術が理解できます。


一般の投資家にも、ヒントとなる考え方もあります。

ぜひ、あなたの投資戦略に取り入れてみてください。


1.価値より安く買う ベンジャミン・グレアム

ポイント

  • バフェットへの影響は大きい。投資の枠組みを最初に与えた
  • 「証券分析」「賢明なる投資家」有名な投資本の著者
  • 「投資」と「投機」の違いを明確にした
  • 企業の本質的価値より株価が安い「安全マージン」の考えを提唱した
  • 企業の財務分析では、「定量」に重きを置いた


2.成長と集中を学ぶ フィリップ・フィッシャー

ポイント

  • フィッシャーの投資スタイルは「成長企業を選ぶこと」
  • 平均以上の「売上高」だけではなく、企業の「収益性」を重視
  • 優れた企業は、「事業内容」だけでなく、経営者も優秀だということに注目
  • 並みの多数の企業に投資するより、自分が深く理解できる少数の素晴らしい企業に集中投資


3.良質な企業を買う チャーリー・マンガー

ポイント

  • バフェットの分身ともいわれるバークシャー・ハサウィ副会長
  • 投資手法は、「幅広い知識」+「フィッシャー流成長企業投資」
  • グレアム流割安投資に固執するバフェットに、「成長株投資」を導いた


4.影響が混ぜ合わさってバフェットの投資が生まれた

ポイント

  • グレアムの影響は大きいが、しだいに離れていくことになる
  • フィッシャー流の「徹底した企業調査」「少数に集中投資」に影響を受けた
  • バフェット投資術は、グレアム流とフィッシャー流とマンガー流の3つが組み合わさったもの

ご参考までに

DVDもあります。

-バフェットの法則