
バフェットの投資術の原点ってあるのかな?
この記事では、ウォーレン・バフェットの投資術を解説した本、『バフェットの法則』を紹介します。
内容は、「第2章 バフェット流投資の原点」を要約した記事となります。
結論としては、バフェットは、3人の投資家の投資手法をうまく組み合わせて、使っています。

この記事で分かること
- バフェット投資術の原点について
- バフェットに強い影響を与えた3人の投資家の投資手法
この記事の信頼性
- 「バフェットの法則」という本を丁寧に要約
- 筆者 ロバート・G・ハグストロームさんは、長年のバフェット研究家
- ロバートさん自身、バフェット投資術を使ったファンドを運用
筆者の言葉を、大切に丁寧な要約を心がけました。
この記事を書いた人

- 株式投資歴10年。バフェット本読書歴9年。
- 大損してバフェット投資術に出会う
- バフェット投資術実践中
この記事を読むメリット
- バフェット投資術の原点を知ることができる
- 3人の偉大な投資家の投資手法を理解できる
- 今日からでも取り入れることのできる投資手法あり
Contents
第2章 バフェット流投資の原点

バフェットに影響を与えた3人の投資家の紹介。
お時間のない方のために、ポイントを読んでいただけるだけでも分かるようにしました。
3人の投資家
- 価値より安く買う ベンジャミン・グレアム
- 成長と集中を学ぶ フィリップ・フィッシャー
- 良質な企業を買う チャーリー・マンガー
1.価値より安く買う ベンジャミン・グレアム
ポイント
- バフェットへの影響は大きい。投資の枠組みを最初に与えた
- 「証券分析」「賢明なる投資家」有名な投資本の著者
- 「投資」と「投機」の違いを明確にした
- 企業の本質的価値より株価が安い「安全マージン」の考えを提唱した
- 企業の財務分析では、「定量」に重きを置いた
ベンジャミン・グレアムは誰もが認める財務分析の長老である。

「証券分析」「賢明なる投資家」2冊の投資本は、今でも高く評価されている。
「証券分析」の主張
適切な価格で株を買い、十分に検討されたポートフォリオをつくる。
そうすれば、健全な投資が可能
グレアムが最初に直面した課題は、誰もが納得する「投資の定義」がないことだった。
「投資」と「投機(ギャンブル)」の違いは明確に線引きできない難問である。
その難問に対して、グレアムは投資の定義を以下のようにした。
「投資」と「投機」の違い
投資とは、徹底的に分析し、元本と十分なリターンを確認する作業だ。
この要件を充たせないものは投機だ。
「投資」「投機」との間に明確に線引きをしたうえで、グレアムは株式の買い方を確立する。
「安全マージン」という考え方である。
「安全マージン」とは、
- 市場全体が低調なときに、株式を買う
- ある株式が、本質的価値よりも安い価格で取引されているときに買う
グレアムは、「2.本質的価値より安い時買う」を勧めた。
具体的な銘柄選択では、徹底した財務分析を行った。
財務諸表の「数字」に重きをおく「定量」分析である。
形の見えない資産を評価する「定性」分析は、分析者の主観が大きく入り込む。
分析者の主観は、過大評価しがちで危険であるとした。
ベンジャミン・グレアムは、「賢明なる投資家」の著者。
「最高の投資本」とバフェットが太鼓判を押している本として有名。
2.成長と集中を学ぶ フィリップ・フィッシャー
ポイント
- フィッシャーの投資スタイルは「成長企業を選ぶこと」
- 平均以上の「売上高」だけではなく、企業の「収益性」を重視
- 優れた企業は、「事業内容」だけでなく、経営者も優秀だということに注目
- 並みの多数の企業に投資するより、自分が深く理解できる少数の素晴らしい企業に集中投資
フィリップ・フィッシャーは、1930年代に活躍した投資家。

フィッシャーが、投資で重要だと評価したのは、2点。
- 業界の平均を上回るスピードで、売上高と利益を出すことができるかどうか
- 平均以上の売上高や利益を、企業が長期間生み出すことができるかどうか
それらを実現するために、「何年間か大きく成長する可能性のある製品やサービス」が必要であるとした。
フィッシャーは、高い成長性を売上高ではなく「収益性」が大事であるとした。
高い収益性の実現のため、「適切な会計管理」「コスト管理」を挙げた。
なぜなら、高い収益性があれば、企業が追加投資があっても内部資金で対応し、影響が少ないからである。
フィッシャーは「優れた経営者」にも注目した。
長期間の成長では、目先の利益だけでなく「長期的な視点」も必要である。
それらを持っているのが「優秀な」経営者だからである。
フィッシャーの具体的な投資方法は「集中」「深い理解」である。
自分の理解できる、少数の企業に「集中」投資する手法。
「理解」するために、フィッシャーは徹底的に企業を調べつくした。
フィリップ・フィッシャーは、「フィッシャーの超成長株投資」の著者。
この本も、バフェットが高く評価したことで有名です。
旧版は、翻訳が評判が悪い。
新版の「株式投資で普通でない利益を得る」の方が、おススメ。
3.良質な企業を買う チャーリー・マンガー
ポイント
- バフェットの分身ともいわれるバークシャー・ハサウィ副会長
- 投資手法は、「幅広い知識」+「フィッシャー流成長企業投資」
- グレアム流割安投資に固執するバフェットに、「成長株投資」を導いた
チャリー・マンガーは、バフェットと同じオマハ出身の投資家。
弁護士として活躍していたが、バフェットの勧めで投資家となる。

1959年バフェットとの出会いから2人は意気投合。
後に、バークシャー・ハサウィの副会長に就任。
バフェットの分身と言われるほど、バフェットとマンガーの考え方はよく似ている。
投資手法は、バフェットと少し異なる。
「法律」からはじまり、「歴史」「科学」など幅広い知識をもとにしている。
フィリップ・フィッシャー流成長株投資に考えを傾けていった。
グレアムの教えに固執するバフェットに、「成長株」に目を向けるように説得し続けた。
それは、企業の「質」を重視した投資への転換を意味した。
1971年、バフェットは、シーズ・キャンディー社買収。
そこでは、企業の「質」を重視した投資を行った。

マンガーとの出会いが、バフェット流投資を新しいステージに押し上げました
こちらは、マンガーの名言集。
読みやすい上に、鋭い洞察に満ちた言葉の数々。
4.影響が混ぜ合わさってバフェットの投資が生まれた

ポイント
- グレアムの影響は大きいが、しだいに離れていくことになる
- フィッシャー流の「徹底した企業調査」「少数に集中投資」に影響を受けた
- バフェット投資術は、グレアム流とフィッシャー流とマンガー流の3つが組み合わさったもの
投資を始めた当初、グレアム流バリュー投資を学んだバフェット。
投資をしていく過程で、次第にその教えに限界を感じるようになる。
一方で、「安全マージン」のような今でも正しい教えもあり、なかなかグレアム流から抜け出すことができずにいた。
フィッシャー流「徹底した企業調査」「少数に集中投資」を学び、マンガーとの出会いで軸足を次第に移していった。
3人の投資家によるバフェットへの影響は、以下のとおり
グレアム
- 「安全マージン」という投資の基礎
- 投資における感情のコントロール
フィッシャー
長期投資のよい対象を見極めて集中投資をすること
マンガー
- 優れた事業を保有することで大きな利益が得られること
- 投資における心理的失敗について

バフェット投資術は、3人の投資家の影響が本当に大きいのがよくわかりますよね。
まとめ

この記事では、ウォーレン・バフェットに強い影響を与えた3人の投資家について触れました。
3人の投資家の考え方を、うまく吸収し、バフェットなりにアレンジしていることが、よくわかります。
バフェットの原点ともいうべき、3人の投資家。
彼らについて知ることで、より深くバフェット投資術が理解できます。
一般の投資家にも、ヒントとなる考え方もあります。
ぜひ、あなたの投資戦略に取り入れてみてください。
1.価値より安く買う ベンジャミン・グレアム
ポイント
- バフェットへの影響は大きい。投資の枠組みを最初に与えた
- 「証券分析」「賢明なる投資家」有名な投資本の著者
- 「投資」と「投機」の違いを明確にした
- 企業の本質的価値より株価が安い「安全マージン」の考えを提唱した
- 企業の財務分析では、「定量」に重きを置いた
2.成長と集中を学ぶ フィリップ・フィッシャー
ポイント
- フィッシャーの投資スタイルは「成長企業を選ぶこと」
- 平均以上の「売上高」だけではなく、企業の「収益性」を重視
- 優れた企業は、「事業内容」だけでなく、経営者も優秀だということに注目
- 並みの多数の企業に投資するより、自分が深く理解できる少数の素晴らしい企業に集中投資
3.良質な企業を買う チャーリー・マンガー
ポイント
- バフェットの分身ともいわれるバークシャー・ハサウィ副会長
- 投資手法は、「幅広い知識」+「フィッシャー流成長企業投資」
- グレアム流割安投資に固執するバフェットに、「成長株投資」を導いた
4.影響が混ぜ合わさってバフェットの投資が生まれた
ポイント
- グレアムの影響は大きいが、しだいに離れていくことになる
- フィッシャー流の「徹底した企業調査」「少数に集中投資」に影響を受けた
- バフェット投資術は、グレアム流とフィッシャー流とマンガー流の3つが組み合わさったもの
ご参考までに
DVDもあります。