投資で一番大切な20の教え

【要約】投資で一番大切な20の教え 第14章 無知を知る

「投資で一番大切な20の教え」って有名な本。

サクッと読める要約ないかな?

この記事は、「投資で一番大切な20の教え」という本の要約記事となります。


この記事で分かること

「投資で一番大切な20の教え」 第14章の要約から

  • ハワード・マークスが考える 投資における『予測』とは
  • 投資における予測の限界と気を付けるべき点
  • 予測に頼らない投資について

この記事の信頼性

「投資で一番大切な20の教え」 著者は ハワード・マークス




ウォーレン・バフェットも一目置く投資家として有名。

バフェットいわく、「ハワード・マークスからの顧客向けレターは、真っ先に読む」とのことです。




オークツリー・キャピタル・マネジメントの会長兼共同創業者

オークツリー・キャピタル・マネジメントは、ロサンゼルスを拠点とした投資会社で、運用資産は8000億ドル以上。

高利債投資や不良債権への投資を得意とする。

ウォートン・スクールにて金融を学び、シカゴ大学にてMBAを取得。


引用 アマゾン 商品紹介ページ 「投資で一番大切な20の教え」より




この記事を書いたひと

✔ 株式投資歴10年

✔ 国内外個別株、インデックス投資

✔ 投資関連本は山ほど読んで勉強しています!




投資で勝つには、著名投資家の本で学ぶことが一番の早道です。

そこでこの記事では、「投資で一番大切な20の教え」を要約しました。




  •  バフェットがこの本を大絶賛。大量購入してバークシャーの株主総会で配布した
  •  世間でも「名著」と名高いから
  •  私自身も読んでみて、まれにみる有益な投資本だと考えるから

※ ご参考までに、アマゾンでの評価は★4つ(387件)




「投資で一番大切な20の教え」を繰り返し読んでいる者としては、

詳しく要約したほうが、読者に有益なのでは?

と感じました。

ハワードの言葉や表現を大事にした要約を心がけました。




本記事を読むメリット

  • 投資における予測が、いかに無駄かが分かること
  • 市場予測に頼らない投資スタイルの確立ができる
  • 大事なポイントを要約。時短




要約

第14章 無知を知る

予測家には二つのタイプがある。

無知な予測家と、自らが無知であることを知らない予測家だ。


ジョン・ケネス・ガルブレイス

自分に知らないことがあるかもしれないと考えるのは恐ろしい。

だが、もっと恐ろしいことがある。

世の中というものが概して、何が起こるのか正確に知っていると信じている人々によって動いていることだ。


エイモス・トベルスキー(心理学者)

損をする人は二種類いる。何も知らない人と、何もかも知っている人だ。


ヘンリー・カウフマン(エコノミスト)




予想を毎回的中させることは難しい

「予測できる範囲には限りがある」と意識することは、私の投資アプローチには欠かせない要素である。




私が強く確信しているのは2点

  •  マクロ経済が将来どうなるか分からないこと
  •  未来に関する優れた知見をもち、継続して投資に生かすことはできないこと




ただし、例外も2つある

  •  個別企業など、より狭い範囲ならば知見を強みとして発揮できる可能性はある
  •  サイクルや振り子の現在位置を知れば、起こりそうな事態に備える手助けにはなること




私は、マクロ規模で将来何が起きるのか、つねに分かっているという人に会ったことがない。

例えば、エコノミストやストラジストの中で、毎回予想を的中させている者はいない。




予測は継続的に当たらないから、大きな価値はない

毎回のように予想を的中させている者がいるのか、私なりに研究している。



1. 予測は一般的に当たるものだろうか?

答えは明らかにノーだ。



2. 予測に価値はあるのだろうか?

予測が最も役に立つのは、変化を正しく見込んでいた場合である。

正確に変化を予測していれば、大儲けする可能性があるからだ。



完全に大きな変化を読みそこなっていたケースが数回あったため、予測には価値はない。



3. 予測の根拠は何か?

大半の予測は、既知の出来事に当てはめることによって行われる。

著名なエコノミストもまた、過去の出来事を基に予測していることが多い。



例えるなら、

  • 「どこへ行くのか」と先を見て、運転はしない
  • 「どこに何があるか」知るために、前を見ずバックミラーを見て運転をする

過去を予測することなど、朝飯前だ。



4. 予測家が正しかったことはあるのか?

答えは間違いなくイエスである。

コンセンサスよりも、はるかに正確な予測をしてみせたエコノミストがいた。



5. 予測家の予測が的中する場合もあるが、なぜ私が否定的なのか?

予測は、1回当たればよいものではないからだ。

重要なのは、継続的に当たる予測をすることである。



以前のレターで、正しい予測をした専門家を評価することはためらいがあると記した。

理由は2つ。

  • 予測が当たるときもあるが、予測がはずれるときもあるから
  • はずれ予測の半分は、コンセンサスの予想よりさらにはずれた予想をしていたから




マクロ経済に関する予測は、時として当たることもあるが、継続的には当たらない。

仮に正しく予測している者がいたとしても、著名エコノミストの誰が当たっているのか分からなければ意味はない。

予測には大きな価値があるとは思えない。



結論「予測にはほとんど価値はない」

投資の成果はすべて将来、何が起きるかで決まる。

物事が平常通り、

うごくときだいたいの場合、何が起きるか分かる
うごかないとき何が起きるのかよく分からない



予測について

1. 人々はたいてい、ごく最近の状況によく似た未来を予測する



2. 予測は、必ずしも外れない。多くの場合、当たると結論付けることも可能

ほとんどの場合、未来はおおむね、ごく最近の状況の再現だからだ

また、予測は最近の経験が反映され、実現されることも多い。



3. 未来が過去に似た状況になるなら、予測に価値はない

市場もまた、過去に似た状況になると仮定した価格をつけるからだ。



4. 時として未来は、過去と全く違う様相を呈する

過去と全く違う動きをしたとき、正確な予測が真価を発揮するときである。

同時に、予測が最も当たらないときでもある。



5. 中には予測を的中させる予測家もいる

正確に予測することが可能なように思えるが、同じ人が継続的に当たる予測はできない。



6. 私の結論は、「予測にはほとんど価値はない」





予測全般は一貫して有用で価値があるのか?と問うことが重要であり、その答えはイエスではない。



つねに予測を当てていない者の予測で、人々は動くだろうか?

まったく当たらないから、そうした予測に乗じる者がいないのではない。

たまに的中する程度の実績では、行動を起こす原動力となるのに不十分である。



「知っている派」と「知らない派」

私は、予測家とそれを信じて疑わない者については肯定的ではない。



これまで、私が出会ってきた投資家の大半は「知っている派」に属している。

「知っている派」の特徴は以下のとおりである。

投資で成功するためには、経済、金利、市場や主要銘柄の先行きを知っておくことが不可欠だと考えている

自分には先行きを知ることが、達成可能であると確信している

先行きを知ることを投資に行えば、誰でも同時に成功できると考えている

あるいは、投資では一握りの者しか成功できないが、(先行きを知る)自分はその中の一人だと考えている

未来に関する自分の見解に基づいて投資することが心地よい

ほかの者が自分の見方に共感することを歓迎する

予測家として正しい予測ができたかを、のちに厳しく評価することはない



「知っている派」を語るうえでのキーワードは「確信している」である。

未来に関する独自の見解を持ち、人々に伝授しようとするし、人々もそれを聞きたがる。



「未来は分からない」知らない派

「知らない派」のキーワードは「用心深い」だ。

未来は知りえないし、知る必要もない。

「未来は分からない」としたうえで、最良の投資の選択肢に力を注ぐだけだ。



「知らない派」に人々は見解を聞こうともしないし、予測が当たり注目が集まることもない。

一方で「知らない派」には、予測が外れるという状況に直面することもない。

予測を過信した投資をして、損失を被ることもない。



知らない派にとって、未来とは分からないもの。

さまざまな状況に対応できるように「用心深く」準備しているからだ。



投資をするうえで、限界が見えた場合、

  • 無視して強引に前進するより、受け入れて対応する
  • 確率が高くても、実際に起きる出来事(結果)は別。予測には限界があることを忘れない

予測の限界を見落とす投資家は、時として巨額の損失を被る傾向がある。



未来予想することの結論

未来を予測しようとすることは、非常に重要な事柄である。

なぜなら、投資家の行動に著しい影響を及ぼすからだ。

例えば、

  •  未来は『予測可能』と考える者
  •  未来は『分からない』と考える者

両者は、まったく別の行動をとる。




「未来は予測可能」ならば、投資において慎重な行動は無意味である。

未来が分かっているのに慎重な行動をとれば、儲ける機会を失うことになる。




一方、「未来は分からない」ならば、わかっているかのように振る舞うのは無謀である。




未来は分からない

私は、「未来は分からない」という立場をとる。

先行きが不確かなのに、何が起こるかわかっているかのように投資するのは正気の沙汰ではない。




以下の名言が何よりも巧みに物語っている。

面倒を起こすのは、知らないことではない。

知らないのに知っていると思い込んでいることだ。


マーク・トゥェイン(作家)




投資において、自分に分かること、できることを過大評価すれば、極めて危険である。




一方で、

  •  「自分の知りえることには限度がある」と意識する
  •  自分の限度を超えた危険を冒さない
  •  自分の限度の範囲内で動く

以上を守れば、大きな強みを手にする可能性がある。




実践していること

まずは、この章の主張である「予測は価値がない」を裏付ける言葉をご紹介します。



世界一の投資家 ウォーレン・バフェット

出典 wikipedia ウォーレン・バフェット より

マクロ的な見解をまとめたり、他人のマクロ経済やマーケットの予想に耳を傾けたりするのは時間の無駄です。

実際、これは本当に重要な事実に対する見方を曇らせる可能性もある危険なことです。

引用 『バフェットからの手紙 第5版』 第2章 投資 より



バフェットの相棒 チャーリー・マンガー

出典 Wikipedia チャーリー・マンガー より

洞察

正確に予測することはできない。

厳密な予測に基づいて儲けようとは考えていない。

よい会社の株を買って持ち続けることしか私にはできない。

引用 『マンガーの投資術』 No.15 より



私は、投資関連本をたくさん読んでいます。

上記2人以外の著名投資家も、「市場予測はしない」「未来は分からない」と口をそろえて言います。



そこで、私が実践しているのは、「市場予測を耳に入れないように」環境づくりをすること。

著名な投資家などが語る市場予測は聞いてしまえば、気にするなという方が無理です。

たとえば、ウォーレン・バフェットが、

「来年は、株価が大幅に上がる」

と言うのを聞いてしまえば、気にしないことはかなり難しい。(バフェットは絶対この手の発言はしません)



具体的な方法は、大きく2つ。

  • 市場予測を語るユーチューブ、ツイッターは見ない
  • ニュースでやる市場予想は、話半分(以下)で聞く



【方法1】市場予測を語るユーチューブ、ツイッターは見ない

市場予測は、気になるものです。

しかし、意図的に市場予測を語るユーチューブ動画、ツイッターなど遮断しています。



市場予測を聞かなれば、気にならない



「予測を聞いて気にするな」より簡単な方法です。



【方法2】ニュースでやる市場予想は、話半分(以下)で聞く

10年以上、私は株式投資しています。

結構、私は予測家の話を覚えていますが、当たっていないことが多い。



予測精度が悪いから当たらないということではありません。

予想外の出来事が起きて、そのために予測が狂うというパターンが多いです。



たとえば、2021年春先には、こんな予測がよく聞かれました。

2021年の年末は 、ワクチン接種も進み、コロナも落ち着く。

リベンジ消費がくる!!株価も上がる!!

実際は、予想外の「デルタ株」「オミクロン株」の世界的流行。



ためしに、市場予測している方が投稿している過去のユーチューブ動画を見て、予測が当たっているか検証してみてください。

バフェットが言うように、「市場予測を聞くのは時間の無駄」なことがよく分かります。



市場を予測して投資する行為は、「投機」(ギャンブル)だと私は考えます。

バフェットも同様に考えており、次の言葉のとおりです。

買おうとしている資産の将来の利益ではなく、価格変動に注目しているならば、それは投機です。

それも間違いではありません。

ただ、私は自分が投機で成功できないことは分かっていますし、投機で成功し続けることができると主張する人は信用できません。

コイン投げでも、半分の人が1回は当たります。

しかし、そのなかに、その先も勝ち続けることが期待できる人は1人もいません。

また、検討している資産が最近値上がりしたという事実は、買う理由にはなりません。

引用 『バフェットからの手紙 第5版』 第2章 投資 より



よい会社を買って持ち続けること

市場予測をするためには、さまざまなデータや統計を読み込む必要があります。

こうした努力にもかかわらず、「当て続ける」予測は難しい。

でしたら、マンガーの言うように、

洞察

正確に予測することはできない。

厳密な予測に基づいて儲けようとは考えていない。

よい会社の株を買って持ち続けることしか私にはできない。

引用 『マンガーの投資術』 No.15 より

よい会社の株を買って持ち続けるために、業界や会社を調べる方に力を注いだ方がいい。



好不況の波にさらされても、変わらずガンガン稼ぎ続ける、そんな強い会社をじっと保有し続ける。

市場予測することより大事なことだと考えます。



以上、「市場予測を耳にできるだけ入れない環境づくり」が大切という話でした。



まとめ

いかがでしょう。

まとめてみます。




マクロ経済に関する予測は、時として当たることもあるが、継続的には当たらない。

予測には、価値がない。私は、予測家とそれを信じて疑わない者については肯定的ではない。

予測の限界を見落とす投資家は、時として巨額の損失を被る傾向がある。

投資において、自分に分かること、できることを過大評価すれば、極めて危険である

以下を守れば、 大きな強みを手にする可能性がある。

  •  「自分の知りえることには限度がある」と意識する
  •  自分の限度を超えた危険を冒さない
  •  自分の限度の範囲内で動く

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