読書

【要約と感想】お金に強い子どもの育て方

子どものマネー教育、どこから手を付けたらいいんだろう?

子ども向けの簡単なお金の勉強させたいなぁ

子どもには、お金で悩まなくていい人生を歩んでほしい

もっと厳しくなる未来を、子どもにたくましく生きてほしい

『お金に強い子どもの育て方』って?




このような悩みはありませんか?


 この記事でわかること

・ 『お金に強い子どもの育て方』 12人のお金の達人によるマネー教育紹介(要約)

・ 『お金に強い子どもの育て方』 感想 良い点、悪い点3つ

・ 『お金に強い子どもの育て方』 を読んでやったこと紹介




 この記事の信頼性

本記事では、『お金に強い子どもの育て方』という本を要約しました。


12人のお金の達人による子どもへのマネー教育は大いに参考になります。

12人は経歴、職業さまざまですが、『お金』に深くかかわっている方ばかりです。


出版社の紹介文


お小遣いは何歳から?

子どもの「稼ぐ力」をどう育む?


佐藤可士和、森岡毅、パックン、渋沢健…

お金&経営のプロが家庭で実践していることとは?


今日から始める「新・マネー教育」


日頃お金のことを様々な角度から考え尽くしている

経営や家計、運用のプロ12人に家庭でどんなマネー教育をしているのかを、根掘り葉掘り聞きました。


お金や経営のプロならではのノウハウに納得したり、意外な挫折体験に笑ったり、じーんとしたり。


「子供とお金について話すのはなんだか楽しそう。今日から始めてみようかな。」


きっとそう感じていただけるはずです。




 この記事を書いた人

株式投資歴10年。小学生2児の父。40代。

『子どものマネー教育』に関する本をよく読んでいます。

子どもが『お金に強い』だけでなく、『株式投資に興味をもたせる』ことを目指しています。

いろいろやっていますが、なかなかうまくいかないものですね・・・






「子どもには、お金に苦労しない人生を歩んでほしい」

親ならだれでも願うことではないでしょうか?


日本における『マネー教育』で大きく3つほど問題があります。

・ お金に関する教育が、学校ではなされていない

・ 家庭での教育に任されるが、親が忙しすぎる

・ 子どもたちの将来は、富める者と貧しい者の格差が広がる社会が待っている




子どもたちには、今以上に高度なお金の知識が必要になる未来が待っています。

しかし、さまざまな理由により、決して十分なマネー教育が子どもたちになされていない現状です。


親の方も、体系的なお金教育を受けていないため、「どういう順番で、なにをすればいいのか?」分からないことが多いです。




そこで、『お金に強い子どもの育て方』のご紹介になります。

この本では、12人の『お金に達人』による、子どものお金教育をインタビュー形式で紹介しています。


この記事をご覧いただければ、こんなメリットがあります。

・ お子さんのマネー教育において、「とりあえず」何かする手掛かりを得ることができること

・ マネーの達人たちがどんなことを考えて、日々子どものマネー教育にあたっているか理解できること

・ 常識とは少し違う視点からの『マネー教育』を考えたり、取り入れることができること




これからの子どもたちが考えることは「人的資源」という考え方。

「一生食えるスキルを身に着け、できるだけ長い期間働く」というものです。

ご興味があればごらんください。

Contents

【書評】「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」から子供に伝えたいことのまとめ

Contents1 ●この本から子供のお金教育に使えそうなところはないか?2 ●子供に伝えたいこと4つ2.1 ・税や社会保険料の負担はどんどん上がり続けること2.2 ・お金持ちになる方法は、どの本でも ...

続きを見る

この記事を読めば、明日からでも『使える』、『簡単な』お子さん向けのマネー教育のやりかたを手に入れることができます。


『お金に強い子供の育て方』 要約

パックン(タレント) 子供の年齢 10歳、12歳

ポイント

スーパーでの買い物は、最高のお金教育




・ スーパーで子供に質問する

例えば、こんな質問を子どもにします。


瓶入りと詰め替え用のスパイス、どっちが得かな?

牛肉と鶏肉の値段、ずいぶん違うね。どうしてだと思う?




計算力も磨けます。物の値段と真の価値について自分なりの物差しをもってほしい。


・ 学校や習い事の費用は、子どもたちにストレートに伝える

子どもが「やりたい」という習い事は全部やらせています。


・ 5歳から投資について教える

基礎知識として、投資の効果を教えている。

まずは、資本市場の意味を知ってもらうことから始めました。


例として、誰かがお店を作りたいという人が、お金が足りないときに

「お金を貸してあげる方法」

「株を買って、その店のオーナーのひとりになる」


パックンが持っている株の企業が経営するレストランで、

パパは、このお店のオーナーの一人でもあるんだよ

と子供に話したこともあります。


おこづかいは、まだ与えていません。

3等分して、1/3は「使う」、1/3は「投資」、1/3は「寄付」という使い方を教えたい。


投資教育も「質問」が基本です。


柴田陽子(ブランドプロデューサー) 子供の年齢 8歳、10歳

ポイント

応援してくれる人が増えるお金の使い方を教えたい




・ 子どもに伝えたいお金の「ものさし」

お金に使い方について、自分が大切だと思うこと、考え方の「ものさし」については意識的に口を出すようにしています。

・ 人へのプレゼントはケチらない

・ お金は「増やす」より「稼ぐ」ほうが楽しい

・ 「ギブ・アンド・ギブ」が道を開く (相手が喜ぶことを精一杯やる)

・ 人からもらったお金や時間を自分のところで止めない

・ お金は人の心を動かすことを分かっておく

・ ありたい暮らしを実現するためにいくら稼ぐことが必要かを考える(将来の仕事の話をする)

・ ケチは駄目。応援してくれる人が増える使い方をする




お金は誰かのために使うことで、その先のいろんなチャンスにつながるということを、仕事をする自分の背中を通して子供たちに見せたいです。


習い事は、簡単にやめてはダメ。最低でも1年は続けるように約束しています。


一番大切にしているのは「ケチは駄目」ということ。

お金やモノの独り占めしようとしたときは、すごく叱ります。


経験上、いろんな人をみてきました。

その人が苦しい時、誰かに助けてもらう。

そのときの喜びや感謝の気持ちを忘れず、次の誰かに同じことをしてあげる。

そのような人の周りには、「応援」してくれる人が増えてくるから。


子どもたちには、「応援」してくれる人が増えるお金の使い方をしてほしいです。


吉川淳子(ロイターニューヨーク・経済ジャーナリスト) 子供の年齢 7歳

ポイント

NYで人気のお金持ち学校から娘を転向させました




人気のお金持ち学校の学費は1年で500万円

ニューヨークは、通りが一つ違うだけで、住民の経済環境や人種ががらりと変わる街。

ニューヨークの私立小学校の学費は、1年間で500万円以上。


白人の富裕層の学区で娘を育てることに疑問を感じました。

夫婦でよく相談をし、娘が小学校に上がるタイミングで別の学校に入れました。


子どもに学んでほしいのは「多様性」

ニューヨークでの一番娘に伝えたいことは「多様性」。

お互いに違うからこそ、理解し、尊敬し合うことの大切さを子どもが肌で感じられる環境で学ばせたかったから。


さまざまな人種や、さまざまな経済環境の子どもが集まる学校。

娘は居心地がよさそうです。

一方で、勉強の面では積極的に競争させる校風。


「アート」にふれさせる

競争社会、格差社会に生きざるを得ないからこそ、幼いころから「アート」に触れさせます。

そのために、ニューヨークにあるメトロポリタン美術館にしょっちゅう連れていきます。


夫婦で子どもを職場に連れていく「キッズデー」を使って、自分たちの働き方を見せるようにしています。


お金のありがたみを感じ、いい使い方をしてほしい。

経済的困難に遭ってもひるまず、変化に対応できる人になってほしいと願っています。




佐藤可士和(クリエーティブディレクター) 子供の年齢 12歳

ポイント

テレビCMを一緒に見ながら、制作費の想像ゲームをします




子どもと一緒に過ごせる時期は短い

「子供と深く一緒に過ごせる時期は長くても10数年。本当に短いので、ぜひ大切に」とのアドバイスを受けました。

実践するために、多忙であっても、息子が生まれてから可能な限り一緒にいるようにしています。


1日5分でも2人で話すようにしています。

たわいない会話ですが、息子の微妙な成長に気づくことができます。


子どもと「価値」「価格」の話をする

子どもへのマネー教育として、テレビを見ているときによく、価値や価格の話をします。


例えば、コマーシャルの製作費。

このCMはお金がかかっているなぁ

このCMは1/100くらいのお金で作れそうだ




映画では、

低予算製作「カメラをとめるな!」

高予算(600億円)「スター・ウォーズ」

を比較して話し合います。


サバンナへの旅行での出来事。

雄大な景色を2人で見ながら、

おいしいものもある、設備もいいから快適。おかげで価値のある時間が過ごせるよね。



子供に「当たり前だ」とおもわせたくない

子どもに周囲にある環境や与えられたものを「当たり前」と思ってほしくないです。

価値もコストも意識しないと、タダで誰の手も借りずに自分が生きている、勝手に物事が成り立っていると考えがち。


自然ほど五感を刺激するものはありません。

特にデジタルな時代にアナログ感覚の体験は、感受性を育む絶好の機会です。

野菜作りや釣りをするようにしています。


子どもに「プレゼントよりお金を」と言われました。

聞いてみると、仮面ライダーのフィギアが欲しいとのこと。


公式サイトで買うより、アマゾンやビックカメラで買う方が安いと知ったようです。

そこで、「年間予算計画」を立てさせました。


森岡毅(マーケター 刀 代表取締役 CEO) 子供の年齢 14歳、16歳、19歳、21歳

ポイント

「強み」を見つけなさい。世界は可能性に満ちている




苦手なことがあってもいい、強みを伸ばす

低迷していたUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)をV字回復させた、やり手。


子どものころは、神童だと思われがちだが、自身は「普通のことが普通にできない子ども」だったので悩んでいました。


自身の経験からも、日本は、子ども一人ひとりの可能性に合わせる視点が大きく欠落していると感じています。

標準から外れる子どもは、学校で息苦しさを感じ、自分に自信の持てないまま大切な10代を過ごすことになる。


森岡さんは、算数だけが得意な子どもだったが、それを認めてくれた先生がいてくれた。

森岡さんの娘も、同じような子どもだったが、先生が褒めてくれた。


親の考える「幸せ」を押し付けない

問題は、親が子供に「自分がありたかった姿」を投影していしまうことです。

大人でもできないことが多いのに、子どもに理想を要求するのは無理がある。


最初から突出したところが目立つ子どもはいません。

大事なのは、その子のちょっとだけよいところを見つけて本人に気づかせること。


森岡さんが大事にしている子どもが「自分の強み」に出会うステップ

・ 楽しい気持ちになる行動を動詞で書きだす

・ 好きなこと=自分の強み、宝物と自覚する

・ できないことがあるのも自分の特徴。無理に変えなくていい

・ 将来どんな自分なら幸せ化を想像する。それを実現するために強みを書く




日本には、マネー教育が必要です。。

日本の家庭で、マネー教育が行われない理由は2つあると考えています。

・ 親自身がお金に関する視野がせまいこと(お金が人生になにをもたらすのか)

・ 日本人のお金観(大きく稼ぐ人を下に見る意識がある)




長期で積み立て投資を薦める

低成長の日本で未来を生きる子どもたちのために、教養として投資を広めたいです。


お金の仕組みに気づかせて、投機ではなく「教養としての投資」を早く始める手助けをすることが親の役目だと思っています。


森岡さんが子どもに伝えている お金のルール

ルール1 お金は自由であるための力になる

ルール2 世界には「自分の24時間だけで稼ぐ人」と「人の24時間も使って稼ぐ人」の2種類がいることを知れ

ルール3 投資と投機は違う

ルール4 投資成果の9割は時間が左右する

ルール5 長期で成長する企業に厳選して投資せよ




田中靖浩(公認会計士 文筆家) 子供の年齢 16歳、21歳、24歳

ポイント

いい学校なんて目指すな!就活なんてするな




雇われないで稼げる人間になる方法を考えてほしい

公認会計士の資格を取得。25歳で独立、フリーランスへ。

浮き沈みの激しい人生を歩んできました。


子どもたちには「就活するな!」と伝えています。

「世間的にいい会社」に入ることを目指すと、人生がよからぬ方向に行きかねないからです。


子どもたちには、自分のやりたいことでお金を稼げるようになってほしい。

そのためには、雇われないで稼げる人間になる方法を考えてほしいと思います。


田中さんの仕事柄、収入のアップダウンがあります。

収入が少ない時は、質素に。収入が多い時は、家族でどんちゃん騒ぎ。


子どもに弱みを見せる

長女が私立中学に入学。

長女には、「実は学費が心配だ」と悩みを告白しました。

最悪の時は、相談し合うように、親としての弱みを見せました。


幸い、学費に困ることなく卒業。

先日、ちょっとした金銭トラブルで悩んでいたら、成人した長女が

「お金貸そうか?」と言ってくれました。

(成長したなぁ)とうれしかったですね。


塚原哲(ファイナンシャル・プランナー) 子供の年齢 12歳、14歳

ポイント

年商1500万円!中学生起業家の息子が始めたビジネス




息子が起業して成功

ゲーム用パソコンの販売ビジネスを息子が始めました。

息子がPC販売をしたいと言い出した時、『無理』だと感じたが、損しても勉強になると思いやらせてみました。


ところが、1年目から53台売れて、大成功。

妻や妹まで手伝うようになりました。


当初は、コスト管理やパソコンパーツ選びで苦戦。

3か月後、なんとか販売開始にまでこぎつけました。

youtubeでゲームプレイ動画を公開すると、注文が激増しました。


大好きなPC作りが続けられ、製品も評価される。「仕事は楽しい」という息子。


生活力をつけてほしい

親はいつか死にます。その時に、子どもが自力でどう生きていけるかどうかが最重要です。

今、私ができることは多くのチャンスを与えること。


もう一つ大事なことは、持っているお金の範囲で生活する習慣を身に着けさせること。


塚原さんのマネー教育 生活力をつける3つの仕掛け

仕掛け01 予算の中で生活できる能力は一定額の月決めのお小遣いで育む

仕掛け02 成功するか失敗するかは誰にも分からない。何でも試して自分で確認させる

仕掛け03 海外を旅行するときは両替や現地通貨での支払いは一人ひとりが自力でする




花輪陽子(シンガポール在住 ファイナンシャル・プランナー) 子供の年齢 5歳

ポイント

シンガポールで、野心も覚悟もある女の子に育てたい




シンガポールという国

シンガポールは、富裕層の多い国。

シンガポールに移住して、当初戸惑ったことが、お金持ちがお金をもっていることをオープンにしていること。

お金の話は、よくされるし、「それ、いくら?」と気軽に質問してきます。


シンガポールは教育費が高いという事情があります。

海外からの移住者は、私立の学校に通わせることが多く、大学卒業まで1人約1億円必要といわれます。


シンガポールでは、学歴競争が非常に厳しい。大学進学は3割程度(日本だと5割)で、限られた人しか行くことができません。

一方で、成績優秀者は、就職も有利。高い年収への道が開かれる。


シンガポールの富裕層は、子どもの教育に役に立つおもちゃや本は欲しがるだけ与え、幼稚園入学前には中国語と英語を学ばせる。

習い事も複数やらせるのが当たり前。


お金に限りがあることを伝える

子どもに物を買うときは、あえて現金で買うようにしています。

お札を見せて、「これだけのお金がかかるんだよ」とモノの値段を実感できるようにしています。


おもちゃや本を買ってもらうことが当たり前と思わせないようにしています。

欲しいと言われてもすぐ買わず、記念日などにプレゼントするようにしています。

「お金は、パパとママが働き稼いだもの。お金には限りがあるんだよ」と。


渋澤健(コモンズ投信 取締役会長) 子供の年齢 16歳、17歳、18歳

ポイント

資本主義の父、渋沢栄一の玄孫が作る「お金の家訓」




渋沢栄一とは

「日本近代資本主義の父」

明治時代に約500社の企業の設立に関与。著書「論語と算盤」

渋沢栄一にならって「家訓」を作っています

渋沢健さん自身は、普通の会社員。

あの有名な「渋沢栄一」の子孫なら、よほどお金持ちでしょと言われます。

しかし、栄一は『社会に還元』をモットーにしていたので、子孫には財産を残していません。


渋沢栄一の家訓(一部)

「投機は卑しい」

「金はたくさん持つな。仕事は愉快にやれ」

「道徳とビジネスは遠いようで近い」

「論語と算盤は一致いていなければならない」(仁義道徳に基づいた富でなければ、長続きしない)




栄一にならって、元旦に「家訓」を作るようにしています。


家訓を作ったけど、子どもが守らない。


そんなある日、多額のスマホ使用料の請求書が届く。

子どもが、見境なくスマホゲームを利用したためです。


息子を叱りました。

間違ったお金の使い方をしたら、なぜそれがダメなのかを一緒に考えることが大事だと思います。

同時に、子どもにお金の価値を実感させるためには紙幣が必要だなと思いました。


自分の手で財布からお札を出し、モノと交換する体験は子どもの金銭教育上、意味があると思います。


AI時代を生きる子どもたちが、真に「稼ぐ力」を身に着けるには?

「論語」と「算盤」は、常識的には両立しません。

「論語」(道徳)を追いかければ、「算盤」(お金)は遠くなります。


AIが得意とするのは、どちら「か」の情報処理。

一方で、人間は、直感でポンと結論にたどり着くことがあること。

多くの発明はそうやって生まれてきた。


正しい答えを出すことはAIに任せ、一見相反することを結びつける問いかけをする能力こそが、これからは必要です。


そのために、親が子どもにしてあげられることは、『子どもたちの見えない未来を信じてあげること』

心地の良い、慣れた世界に閉じ籠らず、枠の外からも刺激を得ることが大事であると気づかせたい。


DUKE(個人投資家) 子供の年齢 4歳、7歳、9歳

ポイント

トイレ掃除1回50円。お小遣いは家事で自ら稼がせる




育休を機に『専業投資家』へ

三男誕生を機に、育休を取得。

育休が終わり仕事復帰するも、「子どもの成長を目の前で見たい」と強く感じるようになり退職。


株式投資家として、すでに有名であったので、「専業投資家」となる。

母親がひとりで子育てをして、心豊かに育てる余裕を持つことは難しいと思います。


子供たちが大人になり、「働き始めて2年で家を出ること」は我が家のルール。

経済的自立を促すこと以上に、親と一緒に過ごせる時間は有限であることを強く意識してほしいから。

永遠に続かない貴重な時間を、親も子も大事にしたいという願いがこもっています。



お金に強い子どもに育てるために、我が家では「家事をすればお金がもらえるシステム」です。

自分がお金がたくさんほしい時は、子どもはおのおの決まった料金体系の家事をすれば稼ぐことができます。


居間の壁には、「おしごとメニュー」が貼ってあり、稼ぎたいときはたくさん家事をする。

目的は、「働くことで賃金を得るという、お金の流れの基本の習得」です。


投資教育はしていません

投資を勧めるつもりは特段ありません。

必要なお金を得て、自分のことが当たり前にできる人になってほしい。


しかし、どう儲け、どんな仕事を選ぶかは本人が決めること。

子どもが好きな仕事をして生きていけるように応援するのが親の役目だと思っています。


私自身、会社員をしながら、株式投資の研究をしました。

それができたのは「好き」だったから。好きでなければ続けることはできない。

子どもの習い事も同じです。


日本舞踊の先生をしていた母。


亡くなったとき、多くのお弟子さんが葬儀に参列しました。

「お母さまほど、よい師匠はいませんでした」

と多くの方に声を掛けられました。


生前、母はよくお弟子さんのことを気にかけたり、思案している姿をよく見ました。

意味ある生き方を母が教えてくれたように感じます。


お金があればできること、お金より重要なこと、子どもたちと一緒に考えつなげていくことで、私自身も学び中です。


横山光昭(ファイナンシャル・プランナー) 子供の年齢 7歳、10歳、14歳、17歳、21歳、23歳

ポイント

5女1男の家族会議で、毎月の収入を包み隠さず公開




子どもの習い事について

圧倒的な人気を誇るファイナンシャル・プランナー。5女1男の子どもたちをこよなく愛す父親でもある。


「一人当たりの教育費は数千万円」と聞き、2人目3人目のお子さんをあきらめるという話をよく聞きます。

そういった相談もよく受けますが、「いや、うちは6人こどもがいますがなんとかなっていますよ」とお答えしています。


確かに一人で数千万円かかる場合もありますが、やり方次第で金額も抑えれます。

一気に大金を払うわけではありませんから、やり方はあります。

人生の主役は、親であっても子であっても「自分自身」。


子どもの習い事は、2人目のお子さんをあきらめるほど、重要なことだと思えません。

その習い事は、本当にお子さんが望んでいるか?

相談に来た親子で、お子さんが「ママの夢を押し付けないで」と言い出したこともありました。


家計を包み隠さず開示する家族会議

給料のほかに、印税や講演会のギャラまで包み隠さず知らせます。


子どもたちは、ご近所に収入を言って回るようなことはしません。

「僕たちは家族というチームだから収入額を言うのであって、世間に言うことではないよね」


収入から支出と貯蓄を引いた差額分は投資に回していますが、その額や目的、何に投資しているかも伝えています。


そのうえで『お小遣い』を渡しています。『ドル』か『円』で受け取ることができます。


家族会議の最後には、買いたいものがある人は家族の前で『プレゼン』をします。


みんなが納得しないと承認されないシステムです。

『欲しい』が理由ではまず通りません。『必要』にみんなが納得しないと買えません。


先日、中3の娘が「スマホ購入」を提案。

受験のために学校見学するがグーグルマップが要るという理由。

家族みんなで意見を出し合い、なんとか承認されました。


家族会議で伝えたいのは『お金の使い方』『生かし方』です。


子どもが高校生、大学生になっても家族会議に出させるコツは、『出ないと自分の意見が反映させないようにしている』こと。

家族旅行の旅行先は、家族会議で決まる。出ないと行きたいところに行けないんです。


今、世の中で起こっていることを知ってほしいという理由で、子どもたちにニュース報道を見せるようにしています。


20歳くらいの子が将来の年金や老後を不安を口にする時代です。

自分で考える力は必ず最強のマネーリテラシーになるのです。


子どもたちには、自分の考えでじっくり時間をかけて投資していけば必ずうまくいく、人生100年時代も全然大丈夫だよと話しています。


横山さんが大切にしている マネー教育のルール

ルール01 親も子も家計を担うパートナー 家計のことはみんなで話し合う

ルール02 お小遣いは円かドルの選択制 今ならどっち?と考えさせる

ルール03 お金は貯め方よりも生きた使い方が大事




井村俊哉(個人投資家 元お笑い芸人) 子供の年齢 2か月、2歳

ポイント

親の夢や仕事観はあえて何も与えない




『守銭奴』といわれた子供時代

守銭奴といわれた10代。いまだに「コスパ男」です。


子ども二人の証券口座は開設済。

2人には投資の魅力に気付いてほしいという意味もありますが、「株主優待」を使える「枠」が欲しかったこともあります。


小さいころからお金が大好きだった。

ゲームソフトの転売、「せどり」を中学生のころに行いました。

貯蓄額が増えるのが楽しくて夢中になりました。


売買にあたり、未成年なので親の同意書が必要だった。

同意書欲しさに親の手伝い(草むしり)を必死になってやりました。


何かに挑戦する時、お金という存在はその後押しをしてくれる。

ひたすらお金を貯めていたのはも、幼心に自分の可能性や選択肢を広げたかったからなのでしょう。


子どもにはあえて何も言わず見守りつづける

20歳で100万円の貯蓄があったので、「お笑い芸人」の道へ。

高校、大学。株式投資で生計を立てるなど、ほぼ自分で決断してきた人生。


それを可能にしたのは、何も言わず見守り続けてくれた両親の存在が大きい。

だから、私も同じ方法で娘たちを育てたいと思います。


子どもたちが自発的に「これがやりたい」というのを待ちます。

親としてできることは、「子どもの特性を見抜き、それを伸ばすサポートをしてあげること」


あえて親から与えずにいることで本来子どもが持つものが浮かび上がってくる。

それをちゃんと見守りたいです。


「欲しいものは我慢しないこと」が私の言うコスパ生活の基本。

ケチとは全く違う。節約のために我慢するだけの人生に魅力はありません。

コスパを追求することは、自分にとって価値あるものを見極め、より安く手に入れること。


教育費はお金がかかるところですが、先行投資と考えています。

子どもへの教育投資は積極的に行いたいと思っています。


「何のために投資でお金を増やすのか」

その大きな理由は、子どもの可能性を最大限引き出してあげたいからなんです。


お金に強い子供の育て方 感想 よい点

よい点3つ

・ 難しいことを要求してこないこと

・ 明日からでも実行に移せる

・ 紹介している人が多く、多彩であること




・ 難しいことを要求してこないこと

全体を読んでも、特別な知識やスキルを要求してこないからです。


あ、これなら私でもできる!

と感じられることはもっとも大切だと考えます。


子どもの「金融教育」というと、なんだか難しく考えがちですが、本書では簡単なことが多いです。


例えば、パックンさんの「買い物で子どもに質問する」

要約でもありましたが、子どもへの質問ですから、特別難しいことを聞いたりしません。

大人でしたら、「当たり前」レベルの話。


佐藤可士和さんの話では、子どもとCMを見て話をする。

こちらも難しい技術的な話をするということではありません。


達人たちが日ごろ行っている『マネー教育』、こんなに簡単なことでいいんだと自信が持てます。


・ 明日からでも実行に移せる

『簡単なこと』でありつつ、その気になれば、明日どころか今日からでも実行できることが掲載されているからです。


簡単であっても、気持ちの面や技術的なものでもすぐ実行に移せないとなると意味がありません。


例えば、パックンさんの買い物において子どもに質問すること。

何を聞けばいいんだろう?

と多少の戸惑いはあるものの、怖気づくほどではありません。


親の方もやったことないこと。慣れが要りそうです。

ですが、『その気になれば』今日から始められるのも事実。

準備は要りません、下手でもなんでもやってみることが大事かと。


・ 紹介している人が多く、多彩であること

12人の職業を見てみると、ファイナンシャルプランナーだけでなく、マーケッターやタレントと様々だからです。


お金のプロと言われる「ファイナンシャルプランナー」「公認会計士」も含まれているから、一定の信頼の担保にも成功しています。


さまざまな立場の方が、さまざまなやり方を紹介しているからこそ、


あ、ここはうちでもできそう

うーん、ここはどうなんだろう?

といろいろ考えることができます。


仮にお金のプロ、「ファイナンシャルプランナー」の方ばかりに話を聞いたら、同じような話が並ぶ可能性があります。


さまざまな方の話を紹介することで、読者に多くの視点からの『マネー教育』の提案に成功しています。


実際、本書を読んでいくと、各人のマネー教育の話の落としどころが最後まで分かりません。

この人は、どんな話をするんだろう

と読みながら、楽しませていただきました。


お金に強い子供の育て方 感想 悪い点

悪い点3つ

・ バラバラであること

・ お金の教育といえないような事例の紹介があること

・ 内容が浅いこと




・ バラバラであること

要約をご覧いただくと分かりますが、マネー教育と一口に言っても範囲が広いからです。

『マネー教育は、家庭で行われる』『教科書的なものが少ない』などの理由により、各人の大切にしていることなどもさまざま。


12人の話を聞いて、『共通するところは〇〇』というものがありません。

本書で流れる、ピシッとした一本の主張のようなものはありません。


欲を言えば、筆者の方で『12人の話を聞いて、共通するようなところはここです』という「まとめ」があれば、よかった。


・ お金の教育といえないような事例の紹介があること

お金の教育に関係があるのか?と疑問に思う箇所があったからです。


正解があるようでないような『マネー教育』

「関係ないように見えても、これも、マネー教育だ」となれば、そうなってしまいます。



あえて、どの人のどの部分が疑問に感じたかは書きません。

読者それぞれが、実際に読んでいただき判断していただければいいかと思います。


ただ、『子育て』というくくりで見れば、どの方も間違ったことを言っているとは思いません。


・ 内容が浅いこと

若干、読んだ後の失望感があったからです。

『各人バラバラ』『共通する〇〇がない』に加えて、科学的な証拠がないこと。


例えば、〇〇というマネー教育をやっています。

これは、〇〇〇という根拠があるからやっています。




証拠がなく、ただ単に有名人がやっている『マネー教育』、これは本当に正しいのか?という疑問が絶えず付きまとう。

こういった研究結果を元にやっているとか、この本を読んでやっているとか、そういったものがありません。


各人のインタビューを掲載してから、筆者の方で『付け足し』という意味でもそういった文章を載せたほうが、より説得力があったように感じます。

ご本人が経済的に成功したからといって、その『マネー教育』が正しいわけではありません。


ただ、12人の方もまた、子どものころ「親によるマネー教育」しか受けていません。

そのあたりの事情は、私たちと変わりません。

『特別なマネー教育』『体系的なマネー教育』を受けたから成功したという方々ではありません。

言ってみれば、どの方も『手探り』でやっているマネー教育です。


結論としては、もう少し得るものが多いと期待したけど、肩透かしを食らったといったところです。


実際に行動する

実際にやったこと

・ 買い物で子どもに質問する

・ 子どもの前でお金の話をすること

・ 子どものために、証券口座開設(未成年口座)




・ 買い物で子どもに質問する

スーパーに行った際に、いろいろ質問してみました。


小学4年生の娘ですが、「これくらいは分かるだろう」ってことも、分かっていないことも。

逆に、「え!こんなこと、知っているの?」と驚かされる場面もあります。


お子さんのマネー教育の現在のレベルが少しですが、分かります。

「買い物で質問」はやってみると結構有益です。


うちの子は、「これは、マズいぞ!」と焦るレベルでした・・・




・ 子どもの前でお金の話をすること

横山さんの提案であった『家族でマネー会議』を将来行うことを視野に入れました。

その準備として、『子どもの前でお金の話を隠さずする』。


実際、我が家では、大きなお金が動くようなことは(1万円以上)夫婦で必ず相談するようにしています。


夫婦間でのお金の話し合いを子どもに聞かせることからスタート。

子どもの『理解度』や様子を見ながら、少しずつ『家族会議』形式にもっていこうと計画しています。


・ 子どものために、証券口座開設(未成年口座)

ジュニアNISAをするとか特に考えず開設しました。

『投資賛成派』のパックンさん、森岡毅さんを参考にしました。


理由としては、以下の3点です。

・ ずいぶん前から、いつか開設しなきゃなぁと思って行動していなかった

・ 口座開設まで、時間がかかるから「やる」「やらない」は別にして開設した

・ 今のうちから思案して、プランができたら即実行できる環境作り




定番ですが、考えているプランは以下です。

・ インデックス投資で、「世界全体」か「アメリカ市場全体」のもの。

・ 毎月の積立で実行




「投資」に関しては、子どもに教えるべきだと考えていますが、どうすればいいのか迷っていました。


本書を読んで、マネーの達人の意見を聞いてみて、自分の中で方針が決まったことは大きいです。

具体的には、『投資賛成派』パックンさん、森岡さん、横山さんの意見を参考にしました。


『マネー教育→投資』だと思い込んでいましたが、マネー教育 投資 『同時』にスタートしてもいいと分かりました。




インデックス投資信託についてはよろしければ、こちらをご覧ください。

インデックス投資の『生みの親』 ジョン・C・ボーグルの本です。

【書評と要約】インデックス投資は勝者のゲーム

このような悩みはありませんか? この記事でわかること この記事の信頼性 この記事を書いたひと インデックス投資は、とても人気のある投資方法です。 だけど「高い確率で、一定の成果が期待できる」からです。 ...

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こちらの本は、「インデックス投資でもっとも有名な本」といっても過言ではない本です。

ご興味があればごらんください。

「ウォール街のランダム・ウォーカー原著第12版 株式投資の不滅の真理」を株教育に使う

Contents1 ●この本は読むべき本?2 ●結論として3 ●よい点を3つにまとめてみました3.1 インデックス投信をいろいろな視点から良さを解説3.2 内容は多岐にわたるが結論は一緒3.3 難しく ...

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最後に、個人的に本書で心に深く残った言葉。

佐藤可士和さんのお言葉

「子供と深く一緒に過ごせる時期は長くても10数年。本当に短いので、ぜひ大切に」


『マネー教育』以上に、親にとって常に大事にしたい言葉ですよね。


まとめ

お金に強い子供の育て方 要約

パックン(タレント) 子供の年齢 10歳、12歳

ポイント

スーパーでの買い物は、最高のお金教育




柴田陽子(ブランドプロデューサー) 子供の年齢 8歳、10歳

ポイント

応援してくれる人が増えるお金の使い方を教えたい




吉川淳子(ロイターニューヨーク・経済ジャーナリスト) 子供の年齢 7歳

ポイント

NYで人気のお金持ち学校から娘を転向させました




佐藤可士和(クリエーティブディレクター) 子供の年齢 12歳

ポイント

テレビCMを一緒に見ながら、制作費の想像ゲームをします




森岡毅(マーケター 刀 代表取締役 CEO) 子供の年齢 14歳、16歳、19歳、21歳

ポイント

「強み」を見つけなさい。世界は可能性に満ちている




田中靖浩(公認会計士 文筆家) 子供の年齢 16歳、21歳、24歳

ポイント

いい学校なんて目指すな!就活なんてするな




塚原哲(ファイナンシャル・プランナー) 子供の年齢 12歳、14歳

ポイント

年商1500万円!中学生起業家の息子が始めたビジネス




花輪陽子(シンガポール在住 ファイナンシャル・プランナー) 子供の年齢 5歳

ポイント

シンガポールで、野心も覚悟もある女の子に育てたい




渋澤健(コモンズ投信 取締役会長) 子供の年齢 16歳、17歳、18歳

ポイント

資本主義の父、渋沢栄一の玄孫が作る「お金の家訓」




DUKE(個人投資家) 子供の年齢 4歳、7歳、9歳

ポイント

トイレ掃除1回50円。お小遣いは家事で自ら稼がせる




横山光昭(ファイナンシャル・プランナー) 子供の年齢 7歳、10歳、14歳、17歳、21歳、23歳

ポイント

5女1男の家族会議で、毎月の収入を包み隠さず公開




井村俊哉(個人投資家 元お笑い芸人) 子供の年齢 2か月、2歳

ポイント

親の夢や仕事観はあえて何も与えない




お金に強い子供の育て方 感想 よい点

よい点3つ

・ 難しいことを要求してこないこと

・ 明日からでも実行に移せる

・ 紹介している人が多く、多彩であること




お金に強い子供の育て方 感想 悪い点

悪い点3つ

・ バラバラであること

・ お金の教育といえないような事例の紹介があること

・ 内容が浅いこと




実際に行動する

実際にやったこと

・ 買い物で子どもに質問する

・ 子どもの前でお金の話をすること

・ 子どものために、証券口座開設(未成年口座)




よろしければ、ご参考までに

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