投資で一番大切な20の教え

【要約】投資で一番大切な20の教え 第18章落とし穴を避ける

「投資で一番大切な20の教え」って有名な本。

サッと読める要約ないかな?


この記事は、「投資で一番大切な20の教え」という本の要約記事となります。

結論は、「大きく儲けることよりも、大損害を出すような落とし穴を避けることを重視せよ」です。


この記事で分かること

「投資で一番大切な20の教え」 第18章の要約から

  • 投資家を待ち受ける落とし穴の種類
  • 投資で致命傷になる落とし穴への対処法
  • 本章を実践してみて

ハワードの言葉や表現を大事にした要約を、心がけました。


この記事の信頼性

「投資で一番大切な20の教え」 著者は ハワード・マークス

出典 週刊エコノミストオンライン より

ウォーレン・バフェットも一目置く投資家として有名。

バフェットいわく、「ハワード・マークスからの顧客向けレターは、真っ先に読む」とのことです。


オークツリー・キャピタル・マネジメントの会長兼共同創業者

オークツリー・キャピタル・マネジメントは、ロサンゼルスを拠点とした投資会社で、運用資産は8000億ドル以上。

高利債投資や不良債権への投資を得意とする。

ウォートン・スクールにて金融を学び、シカゴ大学にてMBAを取得。

引用 アマゾン 商品紹介ページ 「投資で一番大切な20の教え」


この記事を書いたひと

  • 株式投資歴10年
  • 国内外個別株、インデックス投資
  • 投資関連本は山ほど読んで勉強しています!


ウォーレン・バフェットが、「投資で大切な20の教え」を大絶賛。

大量購入してバークシャーの株主総会で配布した。

出典 Wikipedia 「ウォーレン・バフェット」 より

※ ご参考までに、アマゾンでの評価は★4つ(706件)


本記事を読むメリット

  • 【マークス流】投資家を待ち受ける、落とし穴への深い理解ができる
  • 投資で知っておきたい、落とし穴についてのまとめ
  • 大事なポイントを要約。時短


要約

第18章 落とし穴を避ける

大きな過ちを犯さないかぎり、投資家が正しく行わなければならないことはほとんどない。

ウォーレン・バフェット




損失を回避が重要な3つの理由

本書では、すばらしい投資成績を収めることよりも、損失を回避することが重要だと主張してきた。


なぜなら、

  • すばらしい投資成績は、時として達成可能。しかし、1度の失敗で台無しになることがあるから
  • 損失回避は、より頻繁に確実に行うことができるから
  • 損失回避の方が、投資が上手くいかなかったときの影響も小さくて済むから


リスクの低い投資ならば、弱気相場でひどく成績が落ち込むことはない。

しかし、高いリスクをとっていたならば、はるかに悪い状況が待ち受ける。


投資の落とし穴を避けよ

損失を回避するには、損失のもたらす落とし穴の存在を知り、避ける必要がある。

落とし穴は、さまざまな種類が存在する。


投資における過ちは、基本的に、

  • 分析や知識上の問題
  • 心理的、感情的な問題

から起きる、と私は考える。


分析や知識上の誤りは、数が多い。

しかし、ここでは、心理的、感情的な問題(投資の哲学や心構え)について多く論じる。


過ちの心理的、感情的な原因の多くは、

  • 「強欲」と「恐怖」
  • 「自発的な不信の一時停止」と「懐疑主義」
  • 「うぬぼれ」と「嫉妬」
  • リスクを負って高リターンを追う欲求
  • 自らの先見の明を過大評価する傾向

バブルの発生と崩壊を助長する。

そして、多くの投資家がその輪に加わり、同じ間違いを犯す。


極めて重要な落とし穴がある。

市場のサイクルや熱狂を認識して、反対方向に動く行為を怠ること


サイクルやトレンドが極端な状態になるのは、まれである。

しかし、最大級の過ちを生む要因となる。


投資家に、同調と降伏を強いる群集心理。

これにしっかりと抵抗することが、投資で成功するには必須である。


「起きる確率」と「実際に起こった結果」

投資を行うには、未来の状況がどうなるのか、という点に見通しを持たなければならない。


ほとんどの投資家は、間近な過去を未来に投影する。

なぜ間近なのか?

重大な金融事象(大暴落など)は、長いサイクル内で起こる

しかし、極端な状況を経験した投資家が、次に起きたときには、もう引退したり死亡している。


金融に関する記憶。覚えている時間が、極端に短いから

投資家は、損した痛みをすぐ忘れる。


「確実に儲かる話」によって、欲が刺激される

欲に目がくらみ、簡単に過去の投資経験をかき消すから


たいていの場合、未来は過去とよく似た状況になるので、問題はない。

しかし、過去とは全く違った未来が、訪れるようなときもある。

過去と違った未来が起きれば、投資家は巨額の損失を出したり、巨額の利益を失うこともある。


重要なのは、

「起きる確率」と「実際に起こった」結果には、大きな違いがある


投資の世界では、起きるはずのないことが起きたり、低確率な出来事も連続して起きることがある。

たとえば、さいころ。

5回さいころを振って、5回連続して「6」が出ることも、低確率ながらもありうるのだ。


「起きるはず」のことを、あてにしすぎてはならない。

それが実現しなかったとき、投資家生命が終わることがあるからだ。


むしろ、「起きるはずのないこと」について、考慮する必要がある。

「起きるはず」のない悪い結果が生じた場合に、命取りになる水準まで、リスクとレバレッジを高めてはならない。


金融危機は、以下の条件で起こる。

  • 前代未聞の「起こるはず」のない事象が起き、
  • それに備えていない高リスク、高レバレッジの金融商品が存在して、
  • 「起こるはずのない事象」が、高リスク・高レバレッジの金融商品に、実際に降りかかったとき


あることが「起きない」と仮定することで、かえってそれが起きる可能性が生じるという点は注目に値する。

たとえば、絶対に起きないと信じる人々が、高リスクの行動をとり続けることで、投資環境を変えてしまう例がある。


想像力の欠如がもたらす、巨額の損失

「ありえなさそうな災厄」に備えるために、投資家はどれだけ時間と資本を費やすべきだろうか?


ハイパーインフレのような、極端でまれにしか起きない結果。

それら、すべてについて備えることは可能である。

しかし、多くの時間とコストがかかりすぎてしまう。


結論としては、

  • 「落とし穴を避けることは重要だが、限度がある」が基本原則
  • その限度は、投資家によってそれぞれ異なる


想像力の欠如は、もう一つ重要な側面がある。

資産同士の相関性である。

たとえば、資産Aで起きた変化が、資産Bにも変化が起きる、といったことだ。


相関性の影響力を理解し、予測することは非常に難しい。

しかし、リスク・コントロールやポートフォリオ管理において、極めて重要である。

資産間の相関性を読み誤ることは、投資上の過ちの重大な原因となる。


たとえば、ある自動車メーカーの株価が、ある要因で下落したとしよう。

自動車メーカーの共通の要因によって、他の自動車メーカーの株価も下落する可能性があることは、だれもが知っている。

しかし、米国全体や世界全体の株価を下げてしまうような、要因であることまで理解している人は少ない


「想像上の欠如」とは、

  • 将来起こりうる極端な事象を、予期できていないこと
  • 極端な事象のほかに及ぼす影響を、理解していないこと

たとえば、2008年のリーマンショック。

この金融危機で、ローンが払えなくなる人が増えることはだれもが予想できた。

しかし、この金融危機が、はるかに広い領域まで打撃が及ぶことを、誰もが見込んでいなかった。


心理的要因の3つの悪影響

心理的要因は、投資上の過ちを引き起こす。

とくに、心理的要因は、誤った価格を付けるといった株価に多大な影響を与える。


投資家は、どのような心理的要因の悪影響を受けるのだろう。

3点を、とりわけたちの悪い心理的要因「強欲」に焦点を当て、分析してみよう。

  • 投資家が心理的要因の悪影響に屈服する
  • 他の投資家たちよって作られた歪んだ市場が存在。そこに知らず知らずのうちに参加してしまう
  • 歪みが生じている市場に乗じることに失敗する

投資家が心理的要因の悪影響に屈服する

「株価が上がり続ける」と期待して、「金儲けしたい」と強欲の輪に、投資家が加わること。

すでに価格が高すぎる資産を買うことは、その資産の持つ「本質的価値」を上回る価格で買うことを意味する。


割高な資産を売って儲けるためには、並外れた幸運が必要となる。

なぜなら、割高な資産が、さらにその資産が過大評価される必要があるからだ。

しかし、割高な資産は、利益より損失をもたらすことが多い。


他の投資家たちよって作られた歪んだ市場が存在。そこに知らず知らずのうちに参加してしまう

この過ちは、「知らず知らずのうちに犯す過ち」のため、強欲にかられてとは限らない。



他の投資家たちの節度を欠く行為によって、生まれた割高な市場。

そのような市場に知らず知らずであっても、参加をすれば自分も深刻な影響を受ける。


歪みが生じている市場に乗じることに失敗する

平均的な投資家は、落とし穴を避けるだけ。

卓越した投資家は、逆に落とし穴を使って乗じようとする。


平均的な投資家は、高すぎる株価では買わないだけである。

しかし、卓越した投資家は、株価が下落したときに利益をあげるために、空売りを行うかもしれない。


「市場に乗じることに失敗」とは、割高な株式を何らかの理由で、空売りしそこなうこと。


「今回は違う」のか?

「今回は違う」という思い込みは、投資家を陥れる危険な落とし穴の一つである。

なぜなら、新手の理屈を進んで受け入れ、不十分な猜疑心を投資家にもたらすからだ。


新手の理屈とは、

  • 世界を変える!新しい技術やプロセス
  • 従来の投資のルールやパターンが、もはや当てはまらないと考える
  • 投資のルール自体が、変わったと考える
  • 従来の指標が、もはや通用しないと考える(株価の割安感を示すPERなど)

ときとして、上記の4つは同時に起きることすらもある。


新手の理屈を語る者には、筋の通った理屈が存在するが、間違いである。



なぜなら、以下の点を忘れているからである。

  • 新しい現象は、過去との決別を意味すること
  • 新しい現象に乗じて儲けるには、物事が正しい方向に進む必要があること
  • その現象以外に起きうる現象が、たくさん存在すること
  • 新しい事象の多くは、悲惨な結果に終わること


身の回りに注意を向けよ

落とし穴を避けるための重大な第一歩は、つねに目を光らせることだ。


手痛い経験によって得た教訓も、落とし穴を避けるうえでそれほど役には立たない。

重要なのは、落とし穴を予測しようとすることだ。


投資を成功させるカギは、観察と学習にある。

そのために、市場は絶好の学びの場となる。


この学びを通じて、私は重要な教訓を得た。

以下11の教訓は、1つの言い方でまとめることができる。

投資可能な資金の需給バランスや投資意欲がどうなっているか、身の回りにつねに注意を向けよ


資金調達が容易すぎると、お金はまちがったところへと流入する

カネあまりの状況では、する価値のない投資が行われる。


ふさわしくないところに、資金が投じられると、悪いことが起きる

返済能力の低い借り手にお金が行くと、返済が遅れたり倒産が起こる。


資金が過剰に供給されると、投資家は投資先を奪い合う。

奪い合う投資先が、低リターン、高リスクであってもだ。


リスク軽視の傾向が広がると、より大きなリスクが生じる

「何も悪いことは起きない」というリスク軽視は、「より高いリスクの高い投資」へ進む。


不十分な調査や分析が、投資損失をもたらす


市場が熱狂に包まれると、資金は革新的な投資商品へと集中する。

その多くは、時の試練に耐えることができない。


さまざまに分散化されたポートフォリオ。厳しい時期には、分散化が働かないときがある

資産間の相関性があるため、思いもよらず資産同士が連動してしまう可能性がある。


心理的要因やテクニカル要因が、ファンダメンタルズよりも、強い影響力を発揮することがある

市場は、投資家心理にきわめて左右されやすい。


市場が変化し、従来のモデルが通用しなくなる

コンピューターを使った分析は、過去のパターンを分析する。

過去に例のないパターンが発生すると、対処できない。


レバレッジは、結果の度合いを増幅させるが、価値の増大にはつながらない

低いリターンしか見込めない資産に、レバレッジをかけた投資を行う。

いくらレバレッジをかけようが、低いリターンの資産が高いリターンの資産に変わることはない。


行き過ぎた状態は、修正される

投資家心理が過度に楽観的な前提を織り込んだ市場価格。

どこかのタイミングで、さまざまな理由で崩れ去る。


金融危機時にできること

2008年の世界的な金融危機では、落とし穴がいたるところにあった。

金融危機に至るまでの数年間、投資家はリスク軽視していたからだ。


落とし穴自体を避けることは、できなかったかもしれない。

しかし、数多くの落とし穴が待ち受けていることを感じ、ディフェンシブな投資姿勢を採用することはできた。


投資家は、金融危機の際にどのようなことができたのか、その答えは以下である。

  • お気楽で無謀な他の投資家の振る舞いに気づく
  • 下落に対する心構えをする
  • リスクが高い資産を売却
  • レバレッジを引き下げる
  • キャッシュ比率を高める
  • ディフェンシブな投資へ傾向を強める



株を底値で買うために

投資における、もっとも大きな過ちは、

底値で売って、損失を確定すること

なぜなら、

  • その後の相場回復時に、利益を上げる機会は、永遠に失ってしまうから
  • ポートフォリの広い範囲で、影響が及ぶから


金融危機では、サイクルとは逆の行動をとったものが、うまく切り抜けた。

サイクルに沿った行動は、考えうる最大の落とし穴である。

たとえば、上げ相場で、強気ポジションを取り続けるなど。


下げ相場では、ディフェンシブな投資家は、周りより損失が少ない場合が多い。

そして、相場の回復期には、大きく儲けることがある。


なぜなら、大きな損失を抱えていないから、

  • 冷静さを保つため、底値で「売り」を迫る外からの圧力に屈することがない
  • 精神的にも、財務的にもダメージが少ない

だから、暴落をうまく利用し、相場の底値で買って利益を上げる可能性が高い。


下げ相場を生き抜き、底値で株を買うことは、すぐれた投資である。

しかし、それを実践するには、まず落とし穴を避けなければならない。


落とし穴を避け、誤りに乗じるうまい投資方法はない

投資上の過ちが行きつくところは、一言で定義できる

本質的価値から離れた価格

ただし、それに気づき、しかるべき行動することは、難しい。


難しいのは、過ちの内容が、時と場合によって異なること。

  • 上がりすぎた価格、下がりすぎ価格
  • 個別証券だけにおよぶ誤り、市場全体におよぶ誤り
  • 投資家が、何かをしたことが誤り、何もしなかったことが誤り
  • 強気すぎる誤り、弱気すぎる誤り

ほとんどの人は、誤った方向に、歩調を合わせたかのように進み続ける。

なぜなら、多くの人が同調するから、誤りは存在し続けるからだ。


優れた投資家は、誤った方向に進む人々とは、逆張りの姿勢を取らなければならない。

簡単なことではない。

長期間の孤独と、「自分が間違っているのではないか?」という疑念が、常に付きまとうからだ。


落とし穴を避け、過ちを認識してそれに乗じる投資の必勝法は、存在しない。

私が勧めるのは、以下のような焦点を絞った投資姿勢を身につけることだ。

  • 落とし穴や過ちへの高い意識
  • 柔軟で適応力の高い投資
  • 投資家自身の置かれた環境から、手がかりをつかむこと


下手に行動しないほうがいいときもある

最後にひとつ。

時期によっては、市場には目立った過ちがないときもある点を、心に留めておくことが重要だ。


投資家心理や市場が落ち着いているとき、投資家の強欲や恐怖は影をひそめる。

そのようなとき、「資産価格=本質的価値」である公算が大きい。

高すぎる、安すぎるといった、「本質的価値から離れた価格」という誤りがない状態である。


このような場合、投資家は、下手に行動しない方がいいということを覚えておくこと。

なぜなら、投資家の賢く行動しようとするこだわりが、落とし穴になる可能性があるからだ。


実践

私は、10年以上株式投資をしてきました。

本書を読んで、実践していることを紹介します。


最大の落とし穴は、欲をかいたとき

経験上、投資において一番危ないのは、「儲けたい!」と頭が欲に支配されているとき。


相場が下落時や不安定なときは、投資家は手堅い投資や高い警戒感を持ちます。

投資家心理という面だけみれば、安全性が高いです。


  • 投資をしないと損!
  • リスクがなくなった!


この言葉が、世間から聞えてきたり、自分が感じ始めたら、最大限の警戒をします。

なぜなら、「投資をしないと損」「リスクがなくなった」と投資に動いたときに、その多くは大失敗しているからです。


投資は多少間違えていい

本章の冒頭、ウォーレン・バフェットの言葉。

大きな過ちを犯さないかぎり、投資家が正しく行わなければならないことはほとんどない。

引用 ウォーレン・バフェット


ここでいう、大きな過ちとは、「ミスれば一発で破滅するような、大きなリスクを取る投資」のことです。

たとえば、「1銘柄に全資産投入」「借金をして株を買う」など。

多少の銘柄選択のミスは、大きな過ちではありません。


このバフェットの言葉、もう少し簡単にすると、

大きな過ちさえしなければ、多少まちがってもいい


実際、バフェットも投資で山ほど失敗しています。

「山ほど失敗はした。だけど致命的なミスはしていない」バフェットの投資人生。

バフェットの伝記を読むと、それがよくわかります。


バフェット公式伝記「スノー・ボール」を紹介させていただきました。

ご興味があれば、どうぞ。

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動きすぎはダメ

時期によっては、市場には目立った過ちがないときもある点を、心に留めておくことが重要だ。

このような場合、投資家は、下手に行動しない方がいいということを覚えておくこと。

本章より引用です。


もっと儲けたい。

その欲が、動いてはいけないときも、ついつい動いてしまいます。


バフェットの言葉から。

郵便が3週間遅れて届くような田舎に住むほうが運用実績を残せる

引用 『1分間バフェット』 55

バフェットは、情報に近すぎると1年で破綻すると断じています。


経験上、ニュースに敏感に反応する投資は、あまりうまくいかない。

早く動いて、いい投資結果になった記憶は、ほとんどありません。

「鈍感くらいがちょうどいい」を肝に銘じています。


この言葉でバフェットがいう「3週間」は、けっしておおげさな表現ではありません。

情報の伝わりが早すぎる今こそ、心に刻んでおきたい言葉です。


「1分間バフェット」は、バフェットの名言を集めた本。

投資家にとって、非常に有益な教えが満載です。

ご興味があれば、ご覧ください。

初心者用のバフェット本でおススメは?【答え】1分間バフェット

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2021年コロナバブル相場

2021年は、世界中でコロナバブル相場。

結果としては、大きな下落もなく終わりました。


ただ、本書著者 ハワード・マークスの考えでは、「2021年コロナバブル相場はかなり危険な状況」でした。

「リスクがなくなった」「投資しないと損」という言葉が、よく聞こえていたからです。


2022年になると、相場は一変。

2021年の強気相場は、完全に影をひそめ、インフレに悩まされるなど、非常に不安定な相場。


ただ、「欲」の観点からみると、マークス流にいえば、「リスクは少ない」状況です。

投資家が、慎重で手堅い投資をするからです。


株式投資の平均利回りは、5%前後と言われています。

「100万円投資して、1年後には105万になる」、そんな世界です。


利回り5%は、低リターンのように思えます。

しかし、利回り5%を毎年の目標にすれば、「欲」に負けない投資家になることができます。

なぜなら、仮に10%利回りを達成する年があるとしても、「できすぎ」と自分自身に言い聞かせるからです。

たとえば、私も利回り5%を超える年が多いですが、「自分の投資の腕!」と過信せず「運がいいだけ」と考えています。

実際、運よく生き残っているとよく思います・・・


資産運用で、有名な「72の法則」。

72の法則とは、「複利で運用する場合にお金が2倍になる期間を知るための算式」です。

その計算式は、「72÷金利」で、たとえば金利3%で運用した場合、元本が2倍になるまでには72÷3=24年かかるという計算になります。


この式は、「元本を希望の時期までに2倍に増やしたい場合に必要な金利」を求める際にも利用できます。

たとえば10年で資金を2倍に増やしたい場合、72÷10年≒7%の金利で運用する必要があるということです。


※太字部分は読みやすくするため加筆

引用 「ARUHIマガジン」72の法則とは? 


この例からも、「数年で資産が2倍に!」という投資は、かなり無理があると分かります。

かなり無理な投資は、高いリスクがつきまといます。

大きな過ちを犯さないかぎり、投資家が正しく行わなければならないことはほとんどない。

引用 ウォーレン・バフェット

「落とし穴を避ける」ということに関しては、このバフェットの短い言葉に、要点がギュッと集約されています。


まとめ

この記事では、「投資で一番大切な20の教え」18章 落とし穴を避ける を要約しました。


まとめ

すばらしい投資成績を収めることよりも、損失を回避することが重要

「起きる確率」と「実際に起こった」結果には、大きな違いがある

「落とし穴を避けることは重要だが、限度がある」が基本原則(限度は投資家それぞれ違う)

落とし穴を避けるため、投資可能な資金の需給バランスや投資意欲がどうなっているか、身の回りにつねに注意を向けよ

市場には目立った過ちがないときもあり、そんなときは、下手に行動しない

-投資で一番大切な20の教え